転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

文字の大きさ
75 / 276
一章 聖獣への道のり編

00

しおりを挟む
※本編とは無関係の話
オマケ ~ シロ視点 言葉のお勉強らしい ~

コウガがまだチビで丸っこい時の話だ

彼奴が"此処に来て何日経過したのかは分からないが、ブランシュと過ごし始めて其なりに経った感覚はあるのだが…… "と言ってた、
その語られてない時間で起きた出来事だ

出来事と言ってもたいした事は無いのだが、チビコウガを保護者感覚で見ているとコイツは良く喋り、何でもかんでも聞いてくるときがある

だが、俺の生まれが早いのか、理解に悩む単語も幾つもある

『 スゲー可愛い花!!マジ可愛い! 』

短足で丸っこいタヌキみたいな外見のコウガでしか、そんな小道の脇に生えてそうな花を見付ける事は出来ないだろう

普段の俺なら、踏み潰してしまいそうな程に小さくて黄色の花
それを見ては、有るかも分からないほどに小さい尻尾を左右に揺らすコイツへと近付き問い掛ける

「 すげー、まじ、ってなんだ? 」

疑問になった言葉を問い掛ければ、花の匂いを嗅いでたコウガの視線は上がり、僅かにその首を横へと倒した

『 んー、スゲーは、凄いとか素晴らしいって意味かな。まじは…本気、真剣とかかな 』

「 なら御前はその花を見て、凄く可愛い。本気で可愛いと言ったのか? 」

『 そう!スゲー可愛い! 』

若者の言葉なのだろうな
俺を見上げて嬉しそうに尻尾を振って、にこやかに目を閉じては言うコウガを見て同じく告げる

「 すげぇかわいい 」

『 スゲー可愛い!! 』

「 すげーかわいい 」

『 うん!そうっ、スゲー可愛いっ!! 』

そんな尻尾振って疲れないのかって位に、振りまくる様子と笑顔を見れば、俺の心臓に何かが刺さり咳き込んだ

「 ごほっ、すげ……かわいい…… 」

『 いや!咽せてるけど!?どうした!?大丈夫か?? 』

気持ち的には吐血した、そのぐらいの破壊力があったことに自分でも驚けば、小さな身体は俺の前肢を触り心配そうに見上げてくるが、もう一度咳き込んだ

「 …其にしても、何でそんな花が凄く可愛いんだ? 」

『 んー?だって、ブランシュの目の色と同じだろ 』

「 ゴフッ!! 」

『 ブランシュ!!!? 』

丸い目でキラッキラッの純粋無垢な顔で言われたら、もう俺の心臓は砕けた
鼻血が出そうな感覚を必死に堪えては、削られた体力を元に戻し、花を後に次の場所へと歩く

「 で、もう見て回っただろ 」

『 うーん、此所ってブリザードの場所だけが氷? 』

「 まぁ、そうだが…。気になるのか? 」

『 うん!かき氷食べたいなーって!! 』

「 かきごおり……?なんだそれ 」

狼の体毛らしく暑いのが苦手なのかと思っていたが、案外そうではないらしい
だが、涼しさを求めるのは変わらないようで向けられた瞳に首を捻る

聞いたことない食べ物だ、また何かを食いたいのなら探してやるが、と思う俺に、コウガは前足を起こし二足で立てば小さな手を其々動かした

『 氷を砕いて、イチゴのシロップかけるんだ!フワフワの氷! 』

「 ……よく分からんが、御前は氷が欲しいのか? 」

『 そう!! 』

属性が違うと、余り細々した小さい氷を現すことが出来ない

この世界には属性相性があり水を基準に一番上へと考えると、水→火→氷→地→風→雷→水という並びになり、それ以外に光→←闇
どの属性とも合わない無効果を得意とする、無属性が存在する

俺はこの中で、地~火までは使え、氷もまた"全体複合魔法"としてデカい魔法なら使えるが、得意であり習得してる属性なら地と雷
つまり地と雷なら細かな魔法は出来るが
他のは複合魔法でしか使えない

本編では更に先、第二章でやっと使った
俺の魔法をこの時に、コイツの為にやった

「 分かった…。氷なら作れる…… 」

神世氷河期しんせいひょうがき!!

全てを氷らせないように魔力感知できる聖獣を避けて、大きな魔方陣と共に世界を氷に覆えば
木々は凍り付き、川の流れすら止まり、白銀の氷河期のような世界は広がった

「 よし、コウガ。氷が出来たって、コウガ!!!? 」

一つ息を吐き振り返った俺は、カッチンコッチンに凍り付いてるコウガを見せ焦った

「 おまっ、すまない!!魔力感知出来ないほど、魔力が無かった事を忘れていた!!直ぐに溶かすからな! 」

魔法を解除して、氷を砕き消せばコウガのピタリと止まってた身体は動きだしキョロキョロと辺りを見渡した

『 なっ!氷どこ!?今、ピカッって光った!!それだけ?氷は? 』

「 ハァー…… 」

ぴょんぴょんと跳ねては辺りを見て、俺に告げるコウガの純粋さに、氷の魔法は封印した
そして、この時に氷を食らっても平気そうなコウガを見て"氷属性"を持ってるんだなって分かった

神世氷河期もまた、コウガは見てないことになる
何のためにやったんだか……

「 御前が使えるようになったら、教えてやる 」

『 えー、なんで?かき氷は? 』

「 ライフ、かき氷 」

" はいはい "

こっちの方が早いと、ライフに頼めば彼の前にはガラス皿に入った白い氷が盛ってあり、赤い液体のかかった不気味なものが出てきた

『 わー!かき氷!!ライフありがとうっ! 』

「 御前の食べたいものって、雪山で落ちて死んだ奴の回りにある、氷なのか? 」

『 なにそれー?俺が好きなのはこの、赤い部分さ!あーーん! 』

何が氷を食べて美味しいのか分からないが、コウガは先の辺りを大きな口を開けて噛み付けば、その上がっていた耳はぺたりと後ろへと下がり
俺の方へと涙目を向けてきた

『 ……ブランシュ、残念な御知らせだ。イチゴシロップの味がしない…… 』

「 だろうな、学べ。聖獣に味覚がないことを 」

『 認めたくない!!あーー!かき氷!! 』

やだやだと転げ回る丸っこい子犬は、八つ当たりとばかりに俺の尻尾へと噛み付いてくる
痛いと思うのは一瞬だが、しつこいと苛々する

「 テメェ!!咬むなって…… 」

『 クゥ~ン…… 』

早々に腹を出して降参したようなポーズを取ることに、眉辺りはピクリと動き溜め息が漏れる

「 …もういい、次はどこ見て回るんだ? 」

『 やった!えっとな!んー!!向こう側!! 』

俺はこのあざといコウガが、スゲー可愛いと思って好きなんだろうな

可愛い子犬……可愛い子犬だったのに……
ルイスと言う奴の元から戻ってきたときには重くなっていた

北極に住む生物が、毛皮が分厚く脂肪を蓄えて寒さを防いでるように、こいつもまたふっくらして重い

『 シーロ!!遊びにいこ!! 』

「 重い!乗るな!! 」

今思えば……子犬であり子供のように可愛がっていたのも事実だが
それ以上に、素直に懐つくこいつが気に入ったのだろうな

「 御前、すげーかわいいな 」

『 は?頭、大丈夫?ライフに診てもらう? 』

「 犯すぞ!! 」

『 ギャッ!!なんでっ!? 』

しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! 表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 名前が  *   ゆるゆ  になりました。 これからもどうぞよろしくお願い致します! 表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 校正も自力です(笑)

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

処理中です...