転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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一章 聖獣への道のり編

09

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~ フリーレン 視点 ~


あの日も、何時ものように町へと薬を売りに出掛けていた

「 バトラー、行ってくるから留守を頼むよ 」

「( はい、お気をつけて )」

言葉は聞こえなくとも、頷く動作を見れば承知したのだと分かる  

彼は俺がこの家を見つける前からずっと住んでる元は屋敷しもべのドビーだった
大切な物を守るよう告げられた彼は古びた服を一枚着てる程度の少年で、ずっと主人の帰りを待っていたそう

けれどその古びた家の外見やら、町の噂で聞いたこの家の主人は旅先で亡くなってるのを知っていた俺は、何度か家へと通い
ドビーに服を与え、屋敷僕としての呪縛を解いた

「 ドビー。俺も一人なんだ。だから一緒に暮らさないか? 」 

「 このドビーで宜しいのですか?醜く、頭もよく有りません…… 」

「 何を言う。御前程、賢く心優しい妖精は見たことない 」 

まだ幼い少年へと、魔法を使い屋敷相応しい燕尾服を与えれば彼は驚きながらも嬉しそうに笑った

「 わっ、ありがとうございます 」

「 今日から御前は" シルキー "だ。宜しくな、美しい少年であるシルキーよ 」

「( はいっ! )」

ドビーの時は人と話せる妖精である為に、言葉は通じ、話も出来たのだがシルキーへと姿が変わってからはその声は聞こえなくなった
元々姿の見えない妖精の為に、彼のように人間らしく見えるのは珍しい
俺へと向ける声を失ったかわりに誰よりも傍にいて、身の回りの家事やら世話を焼いてくれていた

人として生きる" 時間 "が氷ってる俺には、妖精であるバトラーが成人男性のような見た目になるのは早く感じた
何処か親孝行をよくしてくれる息子のように見えたバトラーの成長を嬉しく思い、平和な時間はいつまでも続くと思っていた

「 子が熱を出してるのです……どうかお助けください 」

「 熱なら直ぐに直せるだろう。見せて貰ってもいいかな? 」

「 はい! 」

だから、世界の歪みに気にする事もなく
いつものように町へと来て困ってる人に薬を売り熱や火傷程度のものは、冷たい氷の手で治していた

「 発熱だな……直ぐに治る 」

「 ありがとうございます!! 」

人は些細な事で直ぐに熱を出す
額へと触れ冷却と身体の熱を取っていれば外から聞こえた、透明馬スケルトン・スティードの足音はこの小さな町で聞くことのない音
何事かと騒ぐ人々の声とは別に、兵士らしい男の声が聞こえてきた

「 この町に怪しい力を持つ者がいると聞いた!殺されたくなければそいつを出せ! 」

「 探せ!能力を持った若い男だ!! 」

何処からやって来て、何を聞いたのかは知らないが、民家へと入ってきた兵士は俺を見るなり人でないような者を見るような目を向けてきた

「 居たぞ!!アイツがそうだろ!! 」

「 意味が分からん…… 」 

町の者に怪我をさせた事はない、寧ろ慕われていた俺がどうして追われる必要が有るのか理解できず
その時は民家の裏口から外へと出て走って逃げた

「「 追え!! 」」

透明馬に乗り追い掛けてくる兵士は、赤い騎士の服をし、黒いマントを肩に掛け靡かせていた
何処の国の者かは、他の国を知らない俺は途中途中、足場を氷らせ透明馬が苦戦する道を作り家のある方へと逃げた

「 はぁっ、バトラー! 」

「( どうしましたか?そんなに焦って )」

何とか巻き、家へと辿り着いた俺は目の前に現れたバトラーの姿と、彼の背後にある家を見て思った

「( あぁ、此所は守ってやらないとな…… )」

何時か俺の帰ってくる場所であり、バトラーが住む屋敷でもある
そんな所を見つかって荒らされることが嫌だと気付いた俺は魔法を唱えた

「 バトラー、少しの間。この場所を隠し、そして時間を止めておく。御前が寂しくないよう 」

「( フリーレン様?どういうことですか? )」 

「 俺が戻ってきた時に、また時間を進めるよ 」

困り動揺してるように、首を傾げた彼に俺は一時の御別れを告げた 

バトラーと家の外見の時間を氷らせ、そして敷地内を見えなくする魔法をかければその場で立ち止まり兵士達が背後から来るのを聞いていた

「 逃げられないと観念したか、この錬金術師が! 」

「 誰と間違えてるか分からないが、俺は魔法使いだ 」

「 どっちも同じものだろ捕らえろ!! 」

家が壊され荒らされるのも、バトラーが悲しむのさえ見たくなかった為に
人間違えを気付いたままこの身を拘束されるのを受け入れた

平和な時間は、何処かの国で暴れ回る" 錬金術師 "によって壊された

元々殺すつもりか、其とも原因を吐かせる気だったのだろう 
頑丈な枷に繋がれた俺は、地面へと突き刺さった木へとくくりつけられ、意味もない拷問にかけられた

「 キマイラを何処へ隠した!? 」

「 っ、知らないな…… 」

「 錬金術師が造ってるのだろ!!神に背き罪人風情が!! 」

横を見れば、拷問中に息が絶えたような魔女の亡骸が見える
俺もあぁなるのかと実感したまま
火に炙られ、矢で貫かれ、左右に繋がった馬を歩かせ、股は引き裂かれ、身は幾度となく傷付いた

それでも死ぬことがなかったのは俺が" 氷 "の魔法使いだからだ

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