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一章 聖獣への道のり編
05
しおりを挟む叫ぶキマイラの声と共に、爆発は回復をさせる前に繰り返し行われる
フリーレンと練習した成果が有ると思いながら、
爆発を止め、もう一度氷の牢を造り出し四体を捕らえれば煙が風と共に去った後
少年は身に爆発を受けたような傷ができ、その黒いローブを掴み下げるように落とした
「 あぁ、折角……永い年月かけて創ったのにボロボロになったじゃないか…… 」
ローブを外した少年の姿は、あの日見たボンテージ姿と変わった様子がない
まるで彼だけ寿命が止まってるような外見に眉を寄せ告げる
『 その実験も、もう終わりだな…… 』
「 どうかな?聖獣が使えるって分かったし、また創ることは簡単…… 」
『 チッ……!! 』
捕らえようと手を動かした途端に、少年の姿は無くなった
背後に感じる気配と共に振り返れば、其処には口が裂けたように笑った少年の姿がある
「 だから、これ……貰っていくよ……? 」
『 がっ……はっ!! 』
腹を貫かれた感覚と共に抜かれた物に気付き、地面へと倒れた時には彼の手の平には
血痕が付いた金色の魂があった、脈打つように動く其に少年は笑みを溢す
「 次はこれで、実験させて貰うよ 」
『 そん、な!まってくれ!! 』
伸ばした手は届く訳もなく、少年は黒い煙と共に姿を消した
フラッシュバックするように、シロとの思い出やライフの笑みを思い出せば込み上げる感覚は、悲しみでも苦しみでもなく、奪った者への怒りのみ……
腹下に流れる血より失ったものの方が大きく、声を上げ叫んだ
『 俺の子を返せ!!!! 』
「 氷時停止 」
口輪が砕け散り、辺りが一瞬で凍り付く前に
聞こえてきたフリーレンの声と共に俺の身体は動くこと無く止まった
流れる涙や血ですら動くことはない
~ フリーレン 視点 ~
「 すまない 」
砕けた氷と同時に聞こえてきた叫ぶような声に答えるよう、彼に施した魔法が強制的に解除された事に気付いた
魔力は放ち、辺りに漂っていた冷気が更に冷えた感覚に咄嗟に、" 彼 "のみの時間を止めた
それは前に、バトラーが居る家と同じくやった魔法であり、周りの時間は進んでるが彼に関する時間は凍り付いた
「 一体何があったんだ? 」
「 キマイラは消え。そして……ナイトの大切な宝を奪って立ち去った 」
氷の壁で一部始終しか分からないが、魔力を渡していた俺には分かった
腹に感じていた小さな魔力の塊が消失したときには、ナイトが泣いたのを……
シャルルは首を捻ってから、直ぐに自分の使い魔の元へと行くように足音が聞こえた
「 ネロ、大丈夫か!?直ぐに傷を……ネロ? 」
「( ……ナイト )」
自らの傷よりも、ナイトの方を心配してるようなネロはふらつきながら身体を倒した、狼の元へと近寄り
その身体を優しく撫でる使い魔の姿をシャルルは小さく笑った
「 あんな、悲しそうなネロを見たことがない 」
その言葉と共に魔法を解き、元の姿へと戻った彼は溜め息を漏らし、肩へと触れた
「 後で聞こうと思ったが、月の魔女がやって来たぞ 」
月の魔女、それは魔法使いや魔女の中では一番上の位であり魔女集会を開く" 時 "を決める人だ
怖いほどに美しい彼女は、黒髪を靡かせ月のように光る瞳を向け、ゆっくりと大猫に乗りやって来た
踵の高いヒールを地面へと付け、ふっと笑みを溢す彼女は辺りを見ては告げた
「 今宵は御開きだ。私の夜会を邪魔した氷の魔法使いよ……。御前は少しお仕置きが必要なようだ 」
「 ……優しくしてくれると助かるのだが 」
彼女へと視線を向けてから、ゆっくりと歩き
横たわっているナイトに近付きその身体に触れ自分の影へと入れ、立ち上がり身体を向ける
「 そんなもの、するわけなかろう?慈悲など無い。魔法使いとしての" 命 "、此所で終わると良い 」
「 なっ、そんな事をする必要はないだろ!?あの敵は此処にいる者達、全員の敵じゃないか!! 」
シャルルは俺の前に来れば、他の元へと同意をも止める様に告げるも
俺達に賛成する者はいない
「 全ては御前が連れてきた、聖獣の犯した罪。飼い主が責任取るのは必然だろう? 」
「 だからって! 」
「 シャルル、いいんだ…… 」
「 っ!なんで…… 」
あの錬金術師の少年が言ってのが本当なら、俺はやっぱり、共にいて助けてくれたのはナイトであり、同じ狼だったのだろう
それだけ分かったなら十分だ
この呪われた魂が、また巡りナイトに会えるのならば俺は魔法使いとしての命を止めても構わなかった
投げ捨てる事ぐらい、気にはならない
「 けれど一つだけ御願いがあります。それだけ、答えてくれるなら、俺は魔法使いとしての生を止める 」
「 良かろう、呪われた魂よ。もう二度と魔法使いとなり、我々の元に来ることはない…… 」
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