133 / 276
一章 聖獣への道のり編
06
しおりを挟む
~ シロ 視点 ~
今回は永くいるのだろう
前よりも暇な時間が流れてる気がする
傷はないか、俺の魔力を必要として無いか
それだけ考えながら寝たり起きたりを繰り返し
ベッドにいるのもつまらなくなり、外へと出た
「 月が昇る日は、彼奴が人の姿になる時だな 」
ライフに頼めば月など幾らでも出し続けて貰えるだろ、だが彼奴は其を知らないのか
それとも必要と感じてないのか、月が出ていても獣になってるときもある
其なのに大人になりたいとばかり言っては、ふてくし騒いで、また寝てるんだ
本当に騒がしい奴だと笑ってみていたが、いないとその寂しさを感じる
「 っ、ゴホッ…… 」
洞窟の中を外へと向け、歩いていれば吐き出した血と、痛む身体の部分を感じては口角は上がる
「 何か、やったな…… 」
当たって碎けろの精神、それが良いように思えるときもあるが、大半の戦闘は中距離から遠距離、接近戦を鍛えるよりずっと効率が良いのだが
彼奴はきっと、そんな事を考えず覚えやすい魔法から覚えていくに違いない
その単純な部分がまた、愛らしいと何度思ったことか……
「 ハァー……不出来な恋人が、主を困らせてないといいのだが…… 」
地面を赤く血で汚しては、前足を動かし一歩、一歩歩いていく
人間界にいるコウガと同じタイミングで治るのだろう、此処にいるときより治りが遅く感じる
割れた地面から、彼奴が良く行く岩の上まで行くように、飛び上がり空へと走る
「 まぁ、彼奴の事だ……仲良くやっているだろ 」
傷が治り、月を前に岩の上へと降り立てば
幾度と無く感じる痛みに呆れながら横たわる
「 もし俺が、召喚でもされたなら……俺の主の方が驚くだろうな……」
自分の召喚した聖獣が、理由も分からず怪我したのなら驚いて争いすら出来ないかもしれない
それでもいい、主になる人よりも彼奴が好きで仕方ねぇんだからな……
此処にいれば辺りを見渡せる為に、彼奴が帰ってくるまで待っていてやろうと
目蓋を閉じ寝ようとすれば、金具の揺れる音と気配に首を持ち上げる
「 ライフ、御前から来るなんて珍しいじゃねぇか。なんだ? 」
「 たまにはな……。少し、御前に伝えなければならんことが出来たようだ 」
「 なんだ? 」
改めた様な態度に、ライフは地面へと立ち
月へと視線を向ければその横顔は珍しく悲しげに眉を下げていた
「 あやつの主なんだが、魂を呪われててな……その事で氷牙は重い宿命を背負うことになった 」
俺に言うってことは、俺の怪我を受け入れる頻度が増えるとでも忠告したいのか
それとも何か別の理由があるのかと言葉を待てば、ライフとの視線は絡んだ
「 御前との子は諦めた方が善いかもな 」
「 なぜなん……だ、っ……!! 」
何故なんだ!?そう問い掛けた最中に、感じた腹の激痛、ボタボタと落ちた血痕に驚くより
僅かに注いでいた魔力を失った事に目を見開く
「 まさか……そんな…… 」
「 人よって、御前達の子は奪われた 」
「 ふざけ……な……、ふざけんな!! 」
吠えるように空へと声を上げ、鳴り響く雷鳴と共に落雷は幾つも落ちてゆく
嘘だと言って欲しい、今の彼奴から与えられて喜んでたばかりの子ですら取られたら
その脆くなった心は砕けてしまうだろ
「 人の子、誰だ……。誰なのかしってんだろ!? 」
「 闇に染まった錬金術師だ。言えるのは此処までだ……。我が子達よ。その残酷な宿命を背負い、巡り合う主と共に幾度と無く生きてゆけ 」
言うだけ言って姿を消したライフに、文句の一つも言えなかった
降り注ぐ雨が身体を濡らし、涙よりも胸に感じる悲しみはきっと彼奴から流れ込んでくるものに思えた
「 コウガ……。子はいい、また考えよう。だから、だから……帰ってきてくれ……俺の前で泣いてくれ…… 」
人間界で泣いている彼奴を思うと、俺は壊れる大気を止める事など出来なった
吠える度に地鳴りは響き、落雷は落ち、森は燃え、雨によって新しい川が生まれる
ライフが片付ける気になるまで、此の辺りの地形は変わっていく
泣くのは俺じゃないのに、空はまるで泣いてるように長く雨を降り続けた
それは……コウガが帰ってくるのが遅いという事でもある
何故だ、まだ主は生きてるのか……
なら御前は、平気なのか……
気になって眠れる時など一時も訪れはしなかった
今回は永くいるのだろう
前よりも暇な時間が流れてる気がする
傷はないか、俺の魔力を必要として無いか
それだけ考えながら寝たり起きたりを繰り返し
ベッドにいるのもつまらなくなり、外へと出た
「 月が昇る日は、彼奴が人の姿になる時だな 」
ライフに頼めば月など幾らでも出し続けて貰えるだろ、だが彼奴は其を知らないのか
それとも必要と感じてないのか、月が出ていても獣になってるときもある
其なのに大人になりたいとばかり言っては、ふてくし騒いで、また寝てるんだ
本当に騒がしい奴だと笑ってみていたが、いないとその寂しさを感じる
「 っ、ゴホッ…… 」
洞窟の中を外へと向け、歩いていれば吐き出した血と、痛む身体の部分を感じては口角は上がる
「 何か、やったな…… 」
当たって碎けろの精神、それが良いように思えるときもあるが、大半の戦闘は中距離から遠距離、接近戦を鍛えるよりずっと効率が良いのだが
彼奴はきっと、そんな事を考えず覚えやすい魔法から覚えていくに違いない
その単純な部分がまた、愛らしいと何度思ったことか……
「 ハァー……不出来な恋人が、主を困らせてないといいのだが…… 」
地面を赤く血で汚しては、前足を動かし一歩、一歩歩いていく
人間界にいるコウガと同じタイミングで治るのだろう、此処にいるときより治りが遅く感じる
割れた地面から、彼奴が良く行く岩の上まで行くように、飛び上がり空へと走る
「 まぁ、彼奴の事だ……仲良くやっているだろ 」
傷が治り、月を前に岩の上へと降り立てば
幾度と無く感じる痛みに呆れながら横たわる
「 もし俺が、召喚でもされたなら……俺の主の方が驚くだろうな……」
自分の召喚した聖獣が、理由も分からず怪我したのなら驚いて争いすら出来ないかもしれない
それでもいい、主になる人よりも彼奴が好きで仕方ねぇんだからな……
此処にいれば辺りを見渡せる為に、彼奴が帰ってくるまで待っていてやろうと
目蓋を閉じ寝ようとすれば、金具の揺れる音と気配に首を持ち上げる
「 ライフ、御前から来るなんて珍しいじゃねぇか。なんだ? 」
「 たまにはな……。少し、御前に伝えなければならんことが出来たようだ 」
「 なんだ? 」
改めた様な態度に、ライフは地面へと立ち
月へと視線を向ければその横顔は珍しく悲しげに眉を下げていた
「 あやつの主なんだが、魂を呪われててな……その事で氷牙は重い宿命を背負うことになった 」
俺に言うってことは、俺の怪我を受け入れる頻度が増えるとでも忠告したいのか
それとも何か別の理由があるのかと言葉を待てば、ライフとの視線は絡んだ
「 御前との子は諦めた方が善いかもな 」
「 なぜなん……だ、っ……!! 」
何故なんだ!?そう問い掛けた最中に、感じた腹の激痛、ボタボタと落ちた血痕に驚くより
僅かに注いでいた魔力を失った事に目を見開く
「 まさか……そんな…… 」
「 人よって、御前達の子は奪われた 」
「 ふざけ……な……、ふざけんな!! 」
吠えるように空へと声を上げ、鳴り響く雷鳴と共に落雷は幾つも落ちてゆく
嘘だと言って欲しい、今の彼奴から与えられて喜んでたばかりの子ですら取られたら
その脆くなった心は砕けてしまうだろ
「 人の子、誰だ……。誰なのかしってんだろ!? 」
「 闇に染まった錬金術師だ。言えるのは此処までだ……。我が子達よ。その残酷な宿命を背負い、巡り合う主と共に幾度と無く生きてゆけ 」
言うだけ言って姿を消したライフに、文句の一つも言えなかった
降り注ぐ雨が身体を濡らし、涙よりも胸に感じる悲しみはきっと彼奴から流れ込んでくるものに思えた
「 コウガ……。子はいい、また考えよう。だから、だから……帰ってきてくれ……俺の前で泣いてくれ…… 」
人間界で泣いている彼奴を思うと、俺は壊れる大気を止める事など出来なった
吠える度に地鳴りは響き、落雷は落ち、森は燃え、雨によって新しい川が生まれる
ライフが片付ける気になるまで、此の辺りの地形は変わっていく
泣くのは俺じゃないのに、空はまるで泣いてるように長く雨を降り続けた
それは……コウガが帰ってくるのが遅いという事でもある
何故だ、まだ主は生きてるのか……
なら御前は、平気なのか……
気になって眠れる時など一時も訪れはしなかった
8
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
校正も自力です(笑)
【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから
西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。
演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP
*10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる