145 / 276
二章 宝物捜索 編
04
しおりを挟む兄弟は別の出口から廊下を抜け、走る先はモノクロの石のタイルが貼られ、幾つもの真っ白な高い柱が立ち、絢爛豪華な調度品の数々が意味もなく通路に並び
天井を見上げれば細かな装飾が施された国の歴史でも書いたような絵図がびっしりとある
コカトリスに乗った騎士が御互いに戦いあったり、ドラゴンの姿さえ事細かく描かれている
「 待ちなさい!! 」
「「 待つものか!! 」」
廊下を走り抜け、広々とした中央の間が姿を見せ、彼等は階段を掛け降りる
大きな並ぶ天窓から差し込む光は、電球が無くとも明るく内装を照らしす
此所は城の中なんだと分かる程に、庶民派の俺には馴染みの無いものばかりがある
兄弟はあの執事から逃れるために、正面の扉を開いては外へと飛び出した
芝生が敷き詰められ、広々と十字架のように置かれた花壇に背丈の低い色とりどりの花が咲き、手入れが行き届かれ
浅い水がある噴水はドラゴンの口から水が出てる部分もあり、彼等は前へとやって来て立ち止まり振り返った
「 はぁ、もう逃がしませんよ…… 」
彼等はそこまで疲れてないが、鳥は陸を走るのが苦手なように執事は息を切らし少しばかりフラき、膝へと手を置き告げる
そこまで疲れるなら走らなきゃいいのに、って思っていれば兄のテールは本を開き、パラパラと有るものを見ては言葉を放つ
「 聖獣召喚!ソレイユ、出て来て! 」
「 なっ、聖獣を……呼べたのですか……!? 」
どうやら兄のテールは、あの本を熟読してた様で聖獣召喚と告げ、発動した魔方陣の中から姿を現せたソレイユは俺の傍に居た時よりも大きく
本来の大きさにでもある身に着いてる枷の着いた手を動かし、地面を踏みしめ
バチバチと静電気の音がする鎖を靡かせれば体勢を低くし執事へと鋭い視線を向ける
狼に驚いた、と言うより聖獣を召喚した事に驚いてる執事に、兄のテールはその場で硬直した後に焦った
「 えっ、えっと、どうすればいいんだ? 」
「 ちょ、テール!なんか魔法とか出せないのかよ!? 」
どうやら召喚後の事が分からないらしく、弟のシエルもどうするんだとばかりに困っていた
俺達は言われた事しか" 基本的 "に動かないために、ソレイユは相手を見詰めたまま動くことすらせず、彼等の此からを期待するように助言をする
「 テール、なにすりゃいい?言え、叶えてやる 」
「 えっと!取り敢えず威嚇! 」
「 分かった 」
まるで弟のシエルにもやり方を見せるように、ソレイユは軽く頷いては、身体に感じる静電気と共に大きく吠え上げた
「 雷電 」
「「 !! 」」
バチッと激しい音と共に、空が晴天にも関わらず目の前に落ちてきた落雷によって
地面は抉れ、土が飛び散り彼は其をもう一度繰り返すがごとく笑った
「 もう一発…… 」
「 すげぇ……ハッ!聖獣召喚、ルーナ! 」
『 御呼びか? 』
おや、弟もどうやら聖獣自慢したいらしい
影にいた俺の身体は魔方陣の方へと瞬間的に移動し、陸へと姿を現せば冷気は漂い身体の毛並みは自然と凍り付いていく
「 し、シエル様まで!!? 」
「 セバスチャンさん、何事ですか!? 」
「 えっ、これは……聖獣!? 」
落雷の音に気付いた見張りが来れば、軽装の軍服姿の彼等は近衛というか魔銃兵っぽく銃剣を所有していた
赤と黒の軍服姿に黒いハットには羽根が付いている
バタバタと現れた様子を見ては、シエルは片方を向け告げた
「 ルーナ!足止め! 」
『 オーケー!氷壁狼!! 』
「「 なっ!!? 」」
足止め程度なら簡単だと、自身の足元から庭の半分を凍らせ、魔法と共に高い氷の壁を作り出せば
動揺する彼等を他所に、テールは告げた
「 逃げるよ! 」
「 なら、餓鬼共。動くなよ 」
「「 わっ!? 」」
人の姿へと変えたソレイユは、振り返り兄弟を脇に抱えては空へと飛び上がる
任せて大丈夫そうだと分かり、影へと戻った俺はそのまま離れていく城を見ていた
『( スゲー広い城だったんだな )』
「 御二人とも、授業ぉぉぉおお!! 」
氷の壁の内側から飛んでいく様子の俺達へと、告げるセバスチャンに二人は楽し気に笑っていた
「 このまま城下に行こうー!! 」
「 ソレイユ、お願い! 」
「 嗚呼、分かった 」
流石、ソレイユ
城下までのジャンプ力に驚くほどで、何度か塀の上やら立つも彼等を落とすことなく、城から離れ移動していた
俺もこうやってピョンピョン飛べたら格好いいんだろうなぁ
そんな瞬発力は持ち合わせてないから、跳ぶ感覚を羨ましくも思い楽しんでいた
「 あははっ!あのセバスチャンの顔みた? 」
「 みたみた!マヌケ面がいつもより増してた! 」
城下へと降り立ち、脇から降ろしたソレイユは早々に獣に戻り影へと入り
兄弟はケラケラと笑い合っていた
悪戯で遊びたい盛りに見える兄弟に何処か笑みが溢れる
「 はぁー、面白っ。それじゃ町を見てまわろうか! 」
「 面白いもんあるかな~ 」
兄のテールが歩き出せば、弟のシエルもまた横を着いていく
どうやら二人はいつも一緒に行動するような兄弟らしい
2
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
校正も自力です(笑)
【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから
西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。
演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP
*10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる