転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

文字の大きさ
154 / 276
二章 宝物捜索 編

2話 勇者視点は終わってたらしい

しおりを挟む

「 ルーナとソレイユ。仲いいなー! 」

「 オレ達みたいなっ! 」

兄弟の部屋に戻ったのは明け方の事
その辺の小川で身体を綺麗にしてベッドのある部屋に戻ってきた俺達は、カーペットの上で寝てたのだが、聖獣より早くに目を覚ました二人は、笑顔を向けてきた
愛玩動物が仲良くしてるような、そんは微笑ましそうに眺めるが、俺は起きてから気付いた

『 っ~~~、ソレイユ!! 』

「 うるせぇ…… 」

獣では有るものの、ソレイユは身体を抱えるように抱き締めて俺の頭へと顔を擦り当てて寝てたんだと

神の庭ディヴァインガーデン に居る時の普段ならいいが、今は主の前
建前上、少しかっこ良くいたい俺には恥ずかしくて仕方無かった

「 チッ……寝起き早々、咬みやがって…… 」

『 ソレイユがあんなにべったりくっついてるからだろ 』

朝食を食べに、長テーブルへと座るテールとシエルは朝から豪華な物を食い
彼等の両親である国王と王妃もまたそこにいる
ご飯の時間は一緒のようで、もう羨ましがる必要がない俺は微笑ましく思う

だが、長テーブルから少し離れた場所にいるソレイユは不機嫌そうだ
その狼の鼻先はまだ赤くなっていて、俺が怒って噛み付いた歯形が残っている
仕方ない、恥ずかしくて咄嗟に咬んでしまったんだと、反省の色は無いが
内心口輪をした方がいいんじゃ無いかって思うほどに、手が早いと言うか、咬み癖は健在で俺自身も困ってる

「 フッ……パートナーって発言してんだからいいだろ、目の前で交尾する訳じゃねぇんだ 」

『 そんな事したら、子供の教育的に良くない。いいか、俺達は聖獣なんだぞ 』

何故か、先生のように語り始める俺は立ち上がり背筋をピンっと伸ばし、歩き方さえかっこ良く気取った狼のようにソレイユの前を歩いて見せれば
彼のどうでいい、とばかりの視線は此方へと向け

『 主の為に戦い、そして主を見守るための清く、美しい…… 』

「 アンアン喘ぎまくってる奴がなにいってやがる!! 」

『 キャンッ!! 』

瞬時に動いたソレイユに反応が遅れ、尾を曲げ身を下げた時には既に彼に咬まれ
獣らしい悲鳴を上げれば、テールとシエルの視線が此方に向いた

「 ソレイユ、なにしてるの!? 」

「 ルーナを咬んだらダメだよ! 」

うなじへと噛み付き、背中に被さってマウンティングになってるソレイユを二人は止めるも
彼は、人間には聞こえない声で告げる

「 主、主、うるせぇよ。御前は俺のだろ 」

『 !!っ……馬鹿、離せ! 』

身体を捻らせ、首へと噛み付こうと動けば口を離し避けてはまた被さって牙を向けて来るソレイユと僅かな攻防戦を繰り広げていれば、国王であるオースティン・スペンサーは
相変わらず、大きな声で笑った

「 あはははっ。聖獣とはまるで銀狼シルバーウルフのようだな!大きな犬を飼ったようだ 」

「 パパ、止めなくて良いのか? 」

「 噛み合ってるよ…… 」

「 あれはじゃれてるだけだ、放置してて良い 」

いや、御前には飼われてねぇよと怒りたいところだが
ソレイユが楽しくなったのか、何度も噛み付こうとするのを両手で防いだり歯を噛み合わせて音を鳴らす程度の威嚇をしてから、下からの退き逃げる

「 あ、ルーナが逃げた 」

「 ソレイユがまた追いかけてる 」

「 どうやらあの小さい方が負けたようだなぁ 」

食事の間では走ったらいけないんだぞ!!なんてソレイユに告げるが、本人の尻尾は上がり楽しそうに口角を上げて
まるで獣が兎を追い掛けるみたいに目をキラッキラッしてるから逃げるしかない

『( 負けなんて認めないからな!! )』

「( ほぅ?良い度胸だ )」

『 ギャッ!! 』

体格差と力に負け、手加減とは言えど何度も咬まれれば痛いもので
少しだけ涙目になった俺は、きっと彼奴の寝起きより不機嫌だと思う

「 そうふてくするな、可愛いなぁ 」

『 頭の中、御花畑過ぎるだろ!脳外科をオススメする 』

「 ククッ……そう言う態度また、そそられる 」

問答無用で尻を狙われる俺は、出来るだけそれを回避することを考えた
獣の姿では勝ち目がない為に、こうなったら逃げやすい人型を得ることにする

『 よし、此でマウンティングは防がれた 』

その気が無い時に、背中を狙われるのが嫌なのは獣の本質だからこそ
マウンティングになり辛い姿で居る事にする

彼の目を盗み、逃げ切った後に身体へと冷気を纏い一瞬で人型へと変わる

若いし小さいけど、流石に人型じゃ簡単には人前で手出しは出来ないだろうと思い
逃げてくるついでに廊下を掛け走った俺は、ふっと左右を見て思う

『 あれ?はぐれた?まっ、魔力で分かるからいっか! 』

広い城、少し曲がる方を間違えれば同じ内装が何処までも続く

はぐれたにしろ、魔力感知で主であるシエルの場所は分かるし必要とあれば聖獣召喚で瞬間移動も出来る
少しだけ、城を見て回ろうと好奇心に負け尾を揺らし歩いていく

この城の美しさはずっと目に止めていたいと思うほど、真っ白な柱やら壁と由夏のモノトーンが合い、一つの芸術だと思う
何処かの博物館にでも入ったと思うほどに、瓶やら飾られた鎧などは興味をそそられる

こう言う理系っぽいのは根本的に好きだからだ
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! 表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 名前が  *   ゆるゆ  になりました。 これからもどうぞよろしくお願い致します! 表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 校正も自力です(笑)

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

処理中です...