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二章 宝物捜索 編
05
しおりを挟むキマイラを生み出した錬金術師は、まだ彼が錬金術師では無く小さな国の王子である時に
一頭の幼い獣に出逢った、そいつは彼の求めていた聖獣だったのだが王子は知らずに首を落としてから呪われたと言う
" 誰よりも苦しむ呪いを…… "
聖獣と共にいた召喚師を殺した王子によって、国は流行り病やら災害が立て続けに起こり、小さな国はその世代のみで滅んだと言う
彼の周りで起こる厄によって国から追放された少年は、自らの呪いを解く為に錬金術を覚え
そして苦しみと寂しさを紛らわす為に厄に臆しない"死ぬことの無い獣"を生み出し
それが、キマイラの原点となり今で国を支える戦力に迄に増えたと言う
キマイラを生み出すのは通過点であり、錬金術師達は" 聖獣 "に等しいものを造ろうと日々研究を重ねていると……
「 この国は国王がキマイラを造り出すのを反対して居ませんが、他国には軍用獣として居る場所もありますね…… 」
「 ……なぁ、ルーナ 」
『 はいっ!! 』
セバスチャンの話を聞いて冷や汗掻いた俺は、テーブルに肘を乗せ、手の甲に顎を乗せ聞いていたソレイユの問い掛けに心臓は破裂しそうになる
だって、あのモブ王子がいつの間にかビフォーアフター並に整形して俺の魂を奪った錬金術師だとは思わないだろ!
いや、もしかしたら永く生きてる中で不死身だからって整形したのかもしれないが、モブ王子の名前は確か……
『( ジョセフだ…… )』
「 御前、心当たり有るんじゃねぇか?前に…… 」
視線を向けること無く問い掛けられた事に、逆に怖くて仕方無い
そんな分かってるなら聞かなくても良いのに~!と思い、惚れた弱味で許して貰うべくソレイユの肩へと額を当てる
『 すげぇあるよ!!自分がちょっと許さないって言った相手が、こんな……魂を奪ったやつなんて。……どう奪い返すんだよ! 』
「 あぁ、やっぱりか…… 」
惚れた弱味大成功!とばかりに仕方無いと、彼の片手は頭を軽く撫でてくれれば何処か安心感がある
「 魂って、聖獣を生み出すと言われてるこれですか? 」
『 えっ? 』
考える素振りを見せたセバスチャンは本のページを開き見せてくれた
そこには、錬金術師が研究を止めた魂が画かれてるじゃないか
丸くて如何にも金玉みたいなそれを見て俺は片腕でソレイユの首を抱き指差す
『 それ!!俺達の!! 』
「 ぐっ、くび……しまって…… 」
ぎゅっと抱いたまま尾を振る俺は、嬉しくて仕方無い
だって魂が見られたことだけでも嬉しいのだから
「 そうなんですか……この錬金術師は研究途中に自らがキマイラになってしまい、勇者に" 半殺し "にされ。魂はその勇者が保管してるらしいです 」
「『 へっ!? 』」
もっと、俺達が奪い返しにいくぜ!!
みたいな展開になると思ったけど、流石どっかの勇者!!もうちゃっちゃっとあの錬金術師を半殺にしててくれたんだな!!
ん?待てよ……半殺しってことは完全には死んでないってこと?
あんな……強い奴がまだ生きてんの……?何処で?
まぁ、でも……俺が数百年の間に寝てるときに、そんな事があるなんて人間の勇者には有り難いし驚くばかりだ
「 正確には勇者が居た国ですがね、勇者にも聖獣が居たので直ぐに分かったそうですよ。聖獣にとって大切なものだって 」
「 その聖獣って誰か分かるか? 」
「 えぇ、確か…… 」
驚きの余り腕の力が抜けた俺に、ソレイユは少し呼吸を整え視線をやれば
他の本を開く、それはキマイラへと堕落した錬金術師と勇者の冒険が書かれた本
勿論俺達は、関係無いから知らない内容の為に彼は最後のページを見ては僅かに爪でなぞった
「 勇者の名をアシェル・ハワード。その聖獣の名は……黄金の守竜と…… 」
「 ファフニール? 人間界で新しく付いた名前か…… 」
「 えぇ、この黄金の守竜は今でも勇者の剣やら宝を守ってるようですよ。彼が守ってる中の一つに、貴方達の魂もきっとあります 」
ファフニールってファンタジー世界じゃ有名な宝を守るドラゴンじゃないか
俺は知ってるぞ、誰かは分からないが大体予測が出来るのはデカくて黄金色で、起こしたら恐ろしいやつなんだろう
そんな奴の場所に行くのかと血の気が引く
「 元聖獣なら話しは通じるだろ。交渉にいけばいいか…… 」
『 元聖獣って? 』
ソレイユの呟いた言葉に疑問を抱く
確かに勇者は寿命と共に死んでるのに、聖獣はずっとそこに居る
神の庭に帰ってきてない事を思い出せば、彼は俺へと視線をやり答えた
「 勇者である主が、最後に" 死ぬまで守れ "なんて命令を出せば聖獣は其処で守り続ける。どんなに傷付こうが守ることが役目になるからな…… 」
『 えっ、じゃ……聖獣なのに帰れなくなってる系なのか? 』
「 まぁ、本人が望んでその場に居るのと本当に帰れなくなってるかは分からねぇが……人間界に止まってる聖獣なのは間違えねぇな 」
魂を他の宝と共にだろうと守ってくれるのは嬉しいが、その為に神の庭に帰れず
ずっと人間界に居るのはどうなのだろうか
聖獣にとって神の庭は故郷なのだから、俺は帰れった時には落ち着きさえある
『 そうか、なら……テールとシエルが大きくなったらちょっとファフニールに会いに行っていいか聞いてみよう 』
「 嗚呼、人間の成長時間は速いからな。場所が分かれば焦る必要はねぇ 」
「 お役に立てて良かったです。伊達に本の虫で無い事に安心しました 」
『 おう!ありがとう、セバスチャン 』
本には守られている国の付近にある洞窟の名前すらあった
幾度となく多くの挑戦者が向かっても勝てる事はなく、ファフニールがそこを守ってると言う
流石、俺は聖獣
今回の勇者視点の物語は既に終わってたらしい
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