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二章 宝物捜索 編
3話 弟弟子らしい
しおりを挟むソレイユの機嫌はどうにか良くなり、また平和な日常が訪れたのだが、ベッタリと引っ付いてくる事は前より悪化した気もして、其を見てちょっとシエル達が困惑気味なのも分かる
彼等からしたら、モフモフしたいペットが近寄って来なくなったのだからな
俺はまだ、主と仲良くしたいと思う気持ちが強い
為に隙有らば、手伝いとかしようとしてるんだが、ソレイユに尻尾を噛まれて引かれたり、人型なら腹へと腕を回されたりする
彼の独占欲には困った物だと思いつつ、嬉しいと思う俺は相当可笑しいのだろうか
『 おつかい? 』
「 そう、行ってきて欲しいの 」
人型のまま一緒にシエルと歩いていれば、丁度いいとばかりにフレヤ王妃に止められた
シエル達の母親であり、見惚れる程の美しさと優しい雰囲気がある
どこと無く甘い花の香りがする彼女は嫌いではない
「 いいよ!どこに行けばいい? 」
二つ返事で頷いたシエルの横顔はどこか嬉しそうなのは、母親からおつかいだとしても何かを頼まれて、頼られるのが良いのだろう
キラキラとした瞳は愛らしいと思う
「 ありがとう。じゃ、早速で悪いんだけどね。この紙に書かれてる、八百屋さんまで私が頼んでいた野菜を買ってきて欲しいの 」
「 グリーンズ・ラーデン?聞いたことない…てかオレ、城下あんま知らないんだよなー 」
受け取った紙を見たシエルと共に、背後から覗いてみれば花屋の名前と凄く簡単な地図も描かれていた
余りにも簡単だからこそ、寧ろ分かり辛い
この女性に地図を書く才能は無いんだなって判断した
「 大丈夫よ、貴方には立派なパートナーがいるのだからね 」
「 パートナー…… 」
俺の方へと視線を向けた二人を見れば、笑みは溢れ拳を握り
『 任せろ!シエルのおつかい位ぱぱっと終わらせてやるよ! 』
「 ルーナ頼もしい! 」
『 だろ!! 』
「 ふふっ、では宜しくね 」
シエルの頭を撫でてから、俺の頭にもごく普通に触れて撫でたフレヤ王妃の手に一瞬驚くも、嫌な気はしなかった
流石、家族だからいいってことにしとこう
「 じゃ、此はお金と野菜を入れるカゴね 」
「 はーい!んじゃ行ってきます!行こ、ルーナ! 」
「 気を付けて、行ってらっしゃい 」
お金が入った袋を受け取り、ズボンのポケットに突っ込んだシエルは早速走り出し
俺もまたその後ろへと着いていく
この時の俺達はまだ知らなかった、その直後に兄であるテールとソレイユもまたおつかいを頼まれていたことを……
逃げるわけでもない為に城を出るのは簡単で、表の門からそのまま、城下へと行く
シエルが楽し気に走るのは良いけど、体力が持つのか心配になる
「 まずはこの地図にある、靴屋を探す必要があるよなー 」
『 靴屋…… 』
目印となる靴屋を見つけて、その先を曲がった、なんて矢印と共に書いてあるけど、本当にこの靴屋から八百屋が近いのかも微妙だな
この街はそれなりに広いから、まず地図との距離感に狂いそうだ
「 ルーナって……飛べる? 」
『 無理だな。掛け上がる事は出来る 』
少し考えたシエルの言葉に、即返す
崖とかを掛け上がる事には慣れたが、何もない場所から飛ぶのは出来ない
風属性の力を借りればいけそうな気はするが、
こんな街中でやろうとも思わないな
「 まぁ、だよな……うーん…… 」
『 道に迷った時とか、行きたい場所があれば人に聞くのが一番だと思う 』
「 なるほど!聞き込み捜査!ってやつだな 」
『 まぁ、うん……そうだな 』
何処でこの言葉を覚えたかは知らないが、きっと魔銃兵達の言葉でも聞いたのだろう
調べたり探索するのは近衛含めて、彼等のお得意分野だ
空の様子を見て出来れば夕方迄には帰りたいな、と内心思いながらシエルが、国民っぽい女性へと話しかけに行く
「 すみません、ちょっと店を知りたいんだけど 」
積極性はあるようだな
「 おや!此はシエル王子、お散歩ですか? 」
「 いや、ちょっと頼まれて…… 」
「 なんて素晴らしいの!皆さん聞きました? 」
『( あれ、此は不味い展開じゃないか )』
流石王子、わらわらと人が集まって来たじゃないか
それだけで道を聞くタイミングを逃したシエルは動揺し、パニックになり掛けていた為に仕方無く除け者にされてた俺は一度影へと入り、シエルの横へと現れる
『 王子は急いでるので質問は城で御願いします、行くぞ 』
「 あ、ありがとう…… 」
片手を掴み、人の間を風で切るように走り抜けそのまま人込みから逃げれるまで全力で走った
あの後に着いてきそうな雰囲気は恐ろしくなった
「 はぁっ、国民が怖く思えてきた…… 」
『 あんなにもみくちゃにされたら、そりゃなる 』
人込みの減った裏路地にて、呼吸を整えてから
もう一度メモを取り出し視線を落とすが、走ってきたから尚更城の方向さえ曖昧になっている
城から西側らしいのだが、此処は多分、太陽の位置からして反対の東側だと思うんだが……
「 靴屋……うーん……もう人に聞きたくないな 」
『 とりあえず、歩いて探すか 』
「 そうする!! 」
歩いていれば其なりに目印っぽいのは有るだろうと、地に足をつけて地道に探すことにした
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