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二章 宝物捜索 編
02
しおりを挟む此処に来て主であるシエルより、ソレイユと一緒に居ることが多かったからこんなにも距離が近くて、話をしたのは初めてじゃないかと思う
「 じゃ、ルーナはオレの前に他の主にも会ったんだ? 」
『 何人か会ってる。聖獣だから主が死んだら次の元に行くんだよ 』
「 オレが死んだら、他の人? 」
『 そう、だな…… 』
ルーナってオレに会う前は何をしてたの?何処にいたの?そんな問い掛けから始まった会話
教える部分は些細なところで、聞いても対して意味がない様な話だが、興味があるのかシエルはよく話を聞き頷く
「 じゃ、オレがおじいちゃんになって死ぬまで一緒にいてくれるんだ! 」
『 嗚呼、一緒にいる 』
出来る限り一緒に居たいと願う為に、素直に頷けば彼は僅かに笑顔が消え、視線を落としながら告げた
「 ……オレは王位継承権第二の王子だから、成人したらこの国を出るか、国民になって働くかがルールなんだ 」
『 そうなのか 』
知っている、王家は長子が受け継いで行くから
王位継承権は生まれた瞬間から、テールに有るのだろ、弟であり二番目となったシエルは国民として暮らすか、旅人として外の世界を学ぶか
どちらにせよ" 王子 "という呼び方は、今の王が亡くなり、兄であるテールが引き継いだ時点で消える
" 先王子 "と呼ばれる頃には、誰も彼を王家の者とは思わなくなるだろ
長子でなければならないのに、何故他にも子供を作るのか
長子が結婚前に亡くなった時の保険としてだが、俺は余り王家のルールは好きではない
「 そう……でも、オレはテールが王様になったらパパみたいにいい国にすると思うんだ。だからオレは、この街に残って、テールがどんな国にするのか見たい 」
まだ十歳程度の子供にしては、しっかりとした考え方を持つ理由が理解した気がする
生まれてからテールと比べられて生きてきたのなら、自立を目指そうと思うだろ
それでもほんの僅かに、母親へと見せる幼い表情は隠すことの無い程に本来のシエルだろ
『 国に残るか 』
「 変かな? 」
『 いや、外は危険が多いから俺は賛成する 』
旅に出るようなタイプで無いのなら、ファフニールの件は先伸ばしになりそうだ
だが、主が危険を犯さず長生きして欲しいなら、俺はそれで十分だと思う
「 危険って、ルーナは外を知ってるんだ? 」
『 ……まぁな。ほら、靴屋だろ、探さないと 』
「 それがさ 」
『 うん 』
話を切り上げて、目的の内容を思い出すように目線を向ければ、シエルは左右を見てから頭に手を置き、軽く舌を出した
「 迷っちゃった 」
『 だろうな!! 』
さっきから同じところをグルグルしてた感じはある
俺も初めての街だし、前回は食べ物の匂いでなんとか彷徨いてたが今は分からん
三㎞先の匂いは嗅ぎ分かられるのだが、そんな事をすれば犬のトイレの匂いさえ知ることになり鼻が可笑しくなる
さて、どうするかと鼻を鳴らし考えていれば耳に届いた、グゥ~と低く鳴る音に視線を向ける
「 あ、今のは……オレかな~ 」
照れたように腹へと触れるシエルに笑みは溢れる
そんな顔をしなくとも、歩き回っていたらお腹が空いても可笑しくはないだろう
『 一旦休憩にしよ、いい匂いが近くにあるし 』
「 うん!休憩する! 」
こんな時の嬉しそうな表情を見れば、こっち迄胸の中がほっそりするような感覚になる
どんな世界でもやっぱり子供の存在は偉大だなとつくづく思いながら、匂いのする方へと足を向け、休憩することにした
「 おぉ!!唐揚げ! 」
『 でかっ…… 』
「 此はコカトリスの唐揚げさ、どうぞ食べてみてくれ! 」
油と鳥の匂いがしてたからそうかなって思ってたが……
コカトリス……えっ、あの飼い主に忠実になるってされてる鳥が食われてるの?
繁殖されてるかは不明だが、とうとうコカトリス迄食う時代になったかと、紙皿に入った大きいソフトボールサイズの唐揚げを受け取り見詰めた
「 いっただきまーす! 」
『 ……コカトリス、頂きます 』
横でシエルが大きな口を開けて食べてるのを見れば、俺もまた食べないわけにはいかないだろ
こんな珍しい物があるなら、いざ実食とばかりに噛み付いた
『 ふはっ、あふっ! 』
「 あっち~! 」
まさに出来たてホクホクで熱い唐揚げを頬ばり、犬なのに涙目になれば、味覚はないものの記憶に残る唐揚げの感触を楽しみ咥える
「 キャー!!誰か、誰か盗人よ!! 」
「 !?るーふ!!( ルーナ! )」
『 おーふぇー!!( オーケー!! )』
食べていれば聞こえてきた、女性の叫ぶ声と共にシエルに捕まえろ!なんて言われて気がして一気に走り出す
『 まふぇ!れいほーはん!!( 待て!冷凍剣山!! ) 』
呑み込もうとしてもソフトボールサイズの唐揚げを咥えてたら上手く飲み込めず、そのままで魔法を唱え発動すれば
盗人の男へと向かって地面から氷の剣が現れ襲っていく
「 はっ、そんな手に引っ掛かるかよ!! 」
『 ふはひっほい!( すばしっこいな! )』
背後を見ながら避けた男の反射神経は、その辺の盗人には思えず、走りながら壁に指を滑らせ次の魔法を繰り出す
爆発音や店の屋根より高い氷が連なりながら追い掛けていく
コイツ、中々やるな
2
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