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二章 宝物捜索 編
03
しおりを挟む『 氷華咲! 』
走りながら唐揚げを食い終え、次の魔法を使う
すばしっこく逃げ方はまるでネズミのよう
魔法を避けながら時折此方を見る余裕さえ有ることに少しだけ苛つき、地面を氷らせたまま数多く氷の花を咲かし、檻のように盗人の前から現れ、回りを囲んでいく
「 へぇ~…… 」
『 二重魔法、氷河牢 』
咲かせた花の回りから、更に牢を造り出し盗人の身動きが出来なくなれば一つ息を吐き近付く
『 もう降参したらどうだ?盗んだものを返せ 』
「 そうだね~。うん、いいよ 」
『 ……は? 』
茶系のキャスケット帽を被り、口元を薄いマフラーで隠し、成人してる男のような背格好をした盗人は持っていた布で作られた鞄を檻の隙間から此方へと投げてきた
投げ渡されたのをキャッチし、中身を確認すれば財布なども入ってるのを見て安堵するが、何故こんなにも呆気ないのかと視線を戻した
『 少しは反省……えっ? 』
其処には既に、盗人の姿は無かった
檻を壊した形跡もない事に目を見開き驚けば、後ろから走ってシエルがやって来る
「 はぁっ、ルーナ。盗人は? 」
『 荷物は取り返したけど居なくなった……ごめん 』
檻を壊されるのは分かるが、その場から消えれば意味がなくなるのを見て、何となく心が痛むもシエルは気にもしないよう白い歯を見せ笑った
「 いいって、荷物だけで十分!お姉さんに返しに行こう 」
『 そうだな…… 』
「 其にしてもルーナって大きな魔法が使えるんだな~、すげーよ 」
慰めてくれるのは分かるのだが、どうしてもあの檻には欠点がある事に気付かされ、改善の処置を考えなくてはならないと思った
『 いや、シエルが凄いだけさ 』
魔法が使えるのはそれだけ、主であるシエルに魔力が多いってことになる
例え、ライフから貰ったピアスで魔力を制限してたとしても、残りを引き出せるぐらいの量は感じる
「 えー、オレがー? 」
そんなわけ無いって、と笑うこの少年の未知数な部分は少しだけ怖いものがあるな
いつか、その力を使いこなせた時に、俺もまた強くなれそうな気がする
荷物を女性に届ければ、御礼にと靴屋さんの場所まで案内して貰った
『 ありがとうございました 』
「 いえいえ、此方こそ 」
分からなかった此所まで連れてきてくれるなんて、優しいんだなぁと、尻尾を揺らしながら御礼を言った俺は、女性が立ち去るまで見ていた
やっと辿り着いた靴屋さんは、一つ一つ手作りでオーダーメイドみたいな職人がいる所だと店の前で、外観と内装を軽く見ていればシエルは尻尾を掴んできた
『 っ!なんだ!? 』
「 ねぇ……八百屋さんまで案内してもらった方が良かったんじゃね? 」
『 ……はっ!!そうだ!! 』
「 ルーナって時々抜けてるよな…… 」
俺はずっと靴屋さん、靴屋さんなんて探してたから案内の場所も此処をお願いしてしまったが
よくよく考えれば、八百屋に行く予定だった
こんな場所は目印程度なのに、と落ち込み耳が下がれば、手を伸ばし彼は頭に触れる
「 まっ、靴屋さんに聞いてみよ? 」
『 シエル~!! 』
「( 年齢差……逆な気が…… )」
なんて優しいんだ!そうだな、靴屋さんに聞けば近くの八百屋さんって分かるだろうと、抱き締めて髪に頬を擦り寄せ、左右に尻尾を振る
全身でそうしよう!!とばかりに表現してから、やっと離れた俺によって、シエルは靴屋さんへと入る
「 すみませんー!」
「 いらっしゃい!おや、これはシエル王子。どんな御用件じゃ? 」
「 こんにちは、道を聞きたくて 」
流石に道を聞く事にも慣れたようで、早々に取り出したメモを見せた彼に、細身の老人は如何にも職人って言う雰囲気もあるほどに、身体に染み付いた匂いでそう思う
「 あぁ、この八百屋なら丁度この道を曲がった先にある、突き当たりの店を左に行くと見えるじゃろ 」
「 突き当たりを左、ありがとうございます!」
シエルが道を聞いてる間に、俺は靴を眺めていた
紐の着いた革靴のブーツは履き心地良さそうだし、女物の靴だってある
中にはヒールの着いたものは元いた世界にも有るものだ
一人の職人がこれだけ手掛けた事に感動さえ覚え見ていれば、話を終えたシエルは横へと並んだ
「 靴、欲しいの?ルーナのそれ、凄く良さそうだけど 」
『 あぁ、そりゃ神様から貰ってるから俺の身体にあったものだ 』
「 神様から貰ってる、って……聖獣だから? 」
『 そう言うこと 』
自分の履いてる靴を含めて服装も、強くなりレベルが変わる事に多少なりと変化がある
その度にぴったりだと分かるからこそ、買う必要は無いと軽く首を振っていれば、老人はやって来た
「 御前さん、ちょっと座って足を見せてくれないか? 」
『 足?あ、はい…… 』
なんだろ?気になるのだろうか、神様であるライフの物なのに……
少し疑問になり、座って欲しいと言われた場所に腰を下ろせば、老人は肩を膝を付き靴紐を見始めた
「 履く程度なら問題ないかも知れぬが。此は他のにやり変えた方がいいの 」
『 えっ、そう、なんですか? 』
「 ルーナ、知らないの? 」
『 えっ、なにが? 』
物作りが好きなライフからの物だから、其なりに良いものだと思ってた俺は驚いて、視線をシエルへと向ければ
彼は自慢気にドヤ顔を決め込んで告げた、本で見たのだろう、その言葉にもう一度驚いた
「 聖獣は、献上品を身に付けることで神様に近付くんだよ 」
『 えっ!? 』
献上品?それは、つまり……お供え物??
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