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二章 宝物捜索 編
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しおりを挟む元人間の俺が、聖獣になったからとお供え物を受け取る立場になるのは可笑しいが、確かにソレイユも壊れたものを売ってたりしてた
それは、生きてきた中で色々渡されたお供え物の一つらしい
" 貰ったものは、神の庭に持って帰れるからな "
そう言ったのを思い出せば納得出来るが、だからって靴を貰うのは少し違うし、この姿も直ぐに変わると思う
「 オレがルーナに靴をプレゼントするよ!その方が歩きやすいよ 」
『 あ、いや!俺は聖獣だし、この姿も成長するし!だからいいよ 』
少年っぽい外見は今のままに思える、其なのに勿体無いと首を振れば老人は立ち上がった
「 例え成長しても、その時に合う一番の靴を履くからこそ、歩きたくなる。外に出たくなるものじゃ。キツく窮屈な靴はそれだけで憂鬱になる……ジジィのお節介じゃ、造らせては貰えぬか? 」
『 っ……でも、俺は……物を貰うほど優れた聖獣じゃないので…… 』
きっとお供えするのは、其に見合った行いをした聖獣だろう
俺は、盗人も逃がしてしまった不出来な聖獣だと視線を落とせば、老人は外へと出た
「 ワシは長く生きて、あんなに綺麗な氷の彫刻は見たこと無いぞ 」
『 えっ……?あ…… 』
「 さっき、ルーナが派手にやったのだ 」
同じ様に外へと出れば、此処からでも分かるほどに屋根を越えて、夕暮れに入る美しいオレンジ色の太陽を反射させて、氷は鮮やかに色付く
まるで、元々色をつけてたように太陽と光の角度でキラキラ光る其に、街を歩く国民を見惚れていた
『 なんか、すみません…… 』
派手にやって砕く解除の魔法をしてなかったと、改めて反省すれば、老人は笑った
「 ははっ、いいんじゃよ。ならば……一つ交換してはくれないかい? 」
『 交換? 』
「 靴を作る変わりに、美しい氷で靴を履いた娘と花を咲かせて欲しい。溶けるまで飾っていたいんじゃよ 」
『 俺は聖獣だ、俺の召喚契約が切れるまで残そうと思えば出来る。そんなので良ければ…… 』
「 ほほっ、では頼むの 」
何かを捕らえたり倒すための魔法なのに、看板のように飾っていたいと言われるなんて初めてだ
先に足のサイズを測った老人に靴を任せて、俺は受け取った亡き娘さんの写真を見てから、店の入り口の横に立ち頭を悩ませる
どんな姿で作ろうか、どんな花がいいだろうか
そう考えていれば目についた野生の妖精を見てヒントを得た
『 よし…… 』
地面へと片手を当て、先に土台を作ってから氷の彫刻を作り始める
「 ルーナ、どんな感じって……わっ、すごっ!! 」
『 美術2だったけど創造力は問題ないようだ 』
出来たのは、妖精のように美しく可憐な亡き娘さんがヒールの付いた靴を履き、花畑の上で嬉しそうに踊ってる姿
『 カーネーション……花言葉は……っていいか、この世界に無い花だし 』
「 見たこと無い花だが、かわいいな! 」
「 おおっ、これは……なんと、綺麗なんだ…… 」
" 無垢な愛は変わらない "
出来た氷の彫刻を見て涙を浮かべせて喜ぶ様子に、俺もまた笑みは溢れた
「 それじゃ、出来たら靴を城まで頼むな! 」
「 はい、このじぃにお任せください 」
その日に靴が出来ることは難しいらしく、城に届けてくれる事を御願いしてから
俺達は言われた八百屋に向かった
「 えっと、左……あ、あった!! 」
『 おおっ!! 』
グリーンズ・ラーデンと書かれた看板はすぐ目の前にあり、八百屋さんは片付けを始めてたらしく、物を店先から中へと入れていた
「 あ、すみません!! 」
「 はぁい、なんでしょう? 」
「 ママ……いや、王妃に頼まれたものを取りに来ました 」
「 まぁ!シエル王子!聞いてたわよ、うん!ちょっとまってね 」
聞いてたってことはやっぱり、シエルがおつかいしに行くのを伝えてたのか
夕暮れまでには帰りたいと思ったが、すっかり太陽は落ちてきた
流石、そろそろ肌寒くなってくるなと思いながら店内から箱を持ってきたおばさんは、俺の持ってたカゴへと小さなカボチャを入れていく
「 全部で二十個、収穫祭の準備を楽しんでね 」
「 あぁ、なるほど! 」
秋の収穫を願う祭り、ハロウィン
それは此処では普通に" 収穫祭 "として言われてるのか
だからカボチャをこんなにも必要なんだと納得は出来るが、態々おつかいにしなくとも城には箱で届けられるはずだ
『( 何を考えてたんだ? )』
「 お金、これです 」
「 はいっ。ありがとう、お釣りを渡すわ 」
まぁこれで、おつかいが終わったならいいんじゃないか?
お釣りを受け取ったシエルと共に、城のある方へと共に歩いていく
カゴを持っていた俺は彼の服装を見てから肩に掛けていたマントを掴む
『 シエル 』
「 ん?わっ……! 」
『 風邪を引く、少しは違うだろうから着けるといい 』
「 へへっ、ありがとう…ルーナ! 」
俺は、こんなにもおつかいを頑張るような子だとは思わなかった
笑ってイタズラをして、セバスチャンを食べれるか考えてそうなシエルの違う一面を見て改めて思う
『( 俺は、御前のその笑顔を守りたい )』
「 えっ、兄さんも同じおつかい頼まれてのかよ!? 」
「 嗚呼、カボチャではなかったが中に入れる材料とか 」
「 ははっ、兄弟と聖獣の仲良し度アップ作戦。成功のようだね~ 」
「『 !!? 』」
ソレイユ側にも、謎の盗人が出たらしく
聞き覚えのある声に反射的に攻撃する姿勢になれば、其処にはあの盗人が立っていた
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