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二章 宝物捜索 編
05
しおりを挟む「 まぁまぁ、聖獣達よ、落ち着きなって。折角、甥っ子に会いに来ただけさ。許してね 」
「「 エヴァンおじさん!! 」」
叔父さん……?いやいや!!若すぎるだろ!!
帽子を外し、隠していた髪を見せれば金髪の髪色に紫色の瞳を見れば彼等の父親である、オースティン国王の兄弟だと分かるが
オースティンも若いと思ってたが、その兄弟もまた若い
成人してた俺達より多少若い外見の美形な青年へと、走って抱き着きに行く二人を見ていればソレイユは呟いた
「 彼奴……あんな細いのに、俺の魔法を片手で止めやがった 」
『 えっ?どういう…… 』
「 認めたくはねぇが……現在の勇者だろ 」
それはつまり聖獣持ちってことになるのか
聖獣の気配がしないからこそ、盗人と信じて追い掛けてしまったんだ
俺達の実力を見る為に、あの女性も仲間だったらしいのだがソレイユの不機嫌な様子を見ては眉は下がる
『 聖獣持ち? 』
「 嗚呼、上手く隠れてるがな…… 」
『 ……えっ、ソレイユの知り合い? 』
場所は移動し、夕食の食卓である長テーブルを囲った彼等を他所に、離れた場所で獣の姿になり横たわったまま、彼へと毛繕いするよう舐めつつ問えば、視線は落ち腕へと顎を乗せる
「 あぁ……最高クラス 真紫瞳の死神 。俺達は…… 」
「 おっと、そこまでだぜ?此処じゃ真名は禁句だ 」
『 うわっ!? 』
めっちゃ名前からして怖そうなんだけど!!と思って内心ビビってた俺は、いつの間にか背中に感じる気配に気付き視線を向ければ
其処には人型なのか分からないが、人の姿に鼻と口元に包帯を巻き、紫色の瞳に黒髪を揺らす、青年が座っていた
黒く所々千切れた布を着た姿に、自分より大きな鎌を持ちニヤリと笑った
マジで死神みたいな見た目じゃん!!全然、聖獣じゃないっ!!って青ざめる俺に、死神は視線を落とす
「 今は鎌と呼ばれてるぜ。ファルでいい。で、魔力の制限もわかんねぇおちびさんは、ルーナだっけ?随分とかわいこちゃんな名前を貰ってンじゃねぇか 」
『 ファル……って、悪かったな!もう降りろよ! 』
ファルと見た目のまま貰ったような名前の聖獣を振り落とそうと立ち上がり、身体を動かすも
まるで暴れ牛に乗ってるように平然と乗りこなす様子にイラッとするも、体力の方が削れる
『 ハァー……ハァー…… 』
「 ヒヒッ、その程度かい?ルーナちゃん? 」
『 チッ…… 』
「 ファル……そいつは俺の番だ。上から退け 」
この性格悪そうな死神嫌いになりそう!!と睨めば、ソレイユの言葉と共に背に乗っていたファルの身体は黒い煙に覆われ、俺の背中へと片手を当て地面へと押し当ててきた
「 ほぅ?兄さんに番ねぇ……俺にくれよ、この雌 」
『 雌じゃねぇ……って……! 』
俯せになった俺は、背に手を置く獣の姿に目を見開く
全身を黒い毛並みで覆われアメジスト色の紫の目に、尖った耳や口元を見れば"狼"いや、違うと思った時にはソレイユが答えた
「 そいつは地獄の犬。狼じゃねぇよ。犬だ 」
「 狼と対してかわんねぇよ……。なぁ?ルーナちゃん? 」
『 っ、どっちにしろ気に入らない!! 』
ソレイユを"兄さん"と言ったなら、彼が前に言っていた育てたフェンリルの内の一人なのだろうが
フェンリルじゃなくて地獄の犬へと変わってるなんて、どうなんだろ
いや、そんな事より退けとばかりに首を動かし噛み付けば、彼は平然と口角を上げた
「 ほう?最高クラスに咬むとは……やるじゃん、かわいこちゃん 」
「 ファル、ふざるのも大概にしろ。ルーナ、此方に来い 」
『 わかった…… 』
腹が立つけど仕方無いと、今はソレイユに従う為にさっさと離れて彼の横へと行けば、俺の前へと立ち、ファルを睨む
「 兄さんがそんなに一匹に気に入るなんて思わなかったなぁ?あの聖獣達を見捨てた、冷血非道な奴なんて、そのかわいこちゃんはしってんのかぁ? 」
「 黙れ 」
最高クラスの聖獣なら、俺の知らないソレイユを知ってるだろ
でも、そんな事はどうでもいい
『 だからなんだ 』
「 あ? 」
『 俺はどんな過去をもっていようが、今、俺を愛してくれるソレイユには変わらない。弟か、知らんが……番を蔑むなら容赦しない 』
「 はっ、ははっ!!低ランクのかわいこちゃんが勝てるわけねぇのに!! 」
俺の威嚇すら笑い飛ばして気にしない様子を見れば、余裕があるんだと分かる
胸くそ悪い奴だなってレッテルが張られれば、ソレイユは答えた
「 勝てるとは思ってないさ、俺も挑みはしない。だが……御前の興味があるものは此処にはねぇよ 」
『( シロが勝てないって認めてんの!? )』
最高クラスであり雷鳴の巨狼って呼ばれてるシロが、早々に負けを認めてる事に驚く
俺の中では一番に強そうなのに、何故?と目線を向ければ満足気にファルは笑った
「 有るぜ、兄さんの番……俺にくれ 」
そんな興味を持たれては困ると、一瞬尻込みする俺にソレイユから感じる殺意や苛立ちが分かる
だが、負けを認めてる相手に勝負を挑む気は無いのか視線を向ければ、背を向けた
「 渡しはしないが、此処は食事の間だ。また夜に来い。どうせ、数日いるのだろ 」
「 ヒヒッ。そりゃ、収穫祭が終わるまでなぁ? 」
夜に来いってどういうことだよ!?
その言葉を問い掛ける間もなく、二人は影へと消えた
取り残された俺は、一人理解に苦しむ
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