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二章 宝物捜索 編
08
しおりを挟む後日から収穫祭の準備は行われた
その日に、ついでとなんだが、開会式程度に聖獣の義も行われるらしい
確かに一度の催しで其なりの事を済ませれば、後々同じ準備をしなくていいのは効率がいい
特に聖獣の義は、短時間程度らしいから他の日にしても面倒なだけ
納得出来ると、忙しそうなセバスチャンを横目にソレイユと共に兄弟が庭で、他のメイド服を着た使用人と共に、カボチャをくり貫いてる作ってるのを只離れた場所から眠りながら耳だけ向けていた
「 どう!上手くくり貫けた!? 」
「 テール王子、上手ですわぁ。シエル王子、手に気をつけて下さいね 」
「 うん!! 」
カボチャのくり貫きなんてやったこと無いな
ハロウィンなんて簡単にお菓子を買って、交換してた程度だからこうやって本格的なのは、魔法使いの集会で見た雰囲気程度
ルイスやファルスの時は、国がハロウィンっぽいことをする場所じゃ無かったから、こうやって見るのも聞くのもいいもんだ
「 おっ、やってるね~! 」
「「 エヴァンおじさん!! 」」
聞こえてきた声にピクリと耳は動き、首を持ち上げれば、先王子と思えないほどシンプルな服装をしたエヴァンが様子を見に来た
白いカッターシャツに黒の長ズボン、同じくベストを着てる程度の彼は、顔を見上げた兄弟の元へと行く
「 見て見て!どう? 」
「 おぉ、中々上手いね!もう少し不気味な感じが出ればいいかもねー 」
「 不気味…… 」
「 おじさん!オレのは~? 」
「 シエルのは可愛い感じか!それもまたいいね 」
其々に今作ったばかりのカボチャを見せていれば、楽しそうな雰囲気は王家の者とは思えないほど柔らかさがある
父と母の教育やら性格がいいのだろうっと改めて実感するように見ていれば、足音に気付き視線を後ろへとやれば、其処には知らない青年が立っていた
「 カボチャ……作りたいな 」
『 ……どちら様? 』
黒髪に褐色肌をした、紫色の瞳をした青年はソレイユが普段着ている軍服より軽装になった軽るそうな格好をして、スパイクカラーの首輪を付け帽子を真っ直ぐ被らず斜めに被っている
彼等へと視線を向けたその目は、驚きを含むように此方に下がった
「 えっ、魔力で気付かねぇ? 」
「 ……本来のファルだ 」
『 ええっ!!? 』
あんな見た目は怖そうな死神さんの本来の姿!?
確かに、声は同じだけど雰囲気ががらっと落ち着いてたことに別人と思ってた
驚きの余り起き上がり、匂いを嗅ぐように身体へと鼻先を近づけ匂いを嗅げば、黒手袋をした手は俺の鼻先へと向けられた
『 確かに…… 』
匂いはエヴァンの体臭と近いものがあり、無臭の聖獣が唯一匂いが付く相手だ
其にしてもソレイユより若い感じがする、ファルはふっと笑えばしゃがみこみ、俺の顔を両手で包み撫で回して来た
『 ンンッ 』
「 あの姿は、死神と名付けた人間に向けた為の表向きだ。其っぽいだろ~?こっちは本来の姿だ、聖獣はやろうと思えばどんな服装にも出来るからなぁ 」
『 えっ、そうなのか!? 』
撫でられる事は嫌いじゃ無いために、頬を摘ままれたまま見上げれば、寝転んでいたソレイユもまた姿を人型へとなり格好を軍服へとする
「 嗚呼、魔力を調整し、鎧の系統を変えるようにする感じだ 」
「 魔力調整が出来る奴なら、楽勝だぜ?」
顔から手を離し、共に並んだ彼等を見ればファルの方が僅かに身長が低い程度で外見の雰囲気からよく似てる
流石、兄さんと言う位にはそっくりなんだろ
『 えっ、それで獣の姿も体格変えれたのか? 』
「 嗚呼、どんなサイズにもなれる。大きい姿は邪魔だからなぁ 」
「 かわいこちゃんは魔力調整が出来ねぇみたいだから教えてやんよ 」
『 ふあっ!?教えてくれるの!!マジで!? 』
「「( 素直で可愛い )」」
パタパタと尻尾を振り全身で喜んだ俺に、二人の似たような視線に気付くわけもなくはっはっと息を荒くし、教えられるのを待っていた
「 弟弟子が出来たみたいなもんだからなぁ。教えるのが下手くそな兄さんの変わりだぜ……無時空間 」
左手の指を鳴らした瞬間に、辺りは切り取られた様に三人だけを覆い隠し暗くなり
闇が広がった、真っ暗な世界になった事に驚けば風景はガラッと変わる
「 此所は俺の空間。外の時間は何一つ進んじゃいねぇまま、戦闘が出来る。どんな場所にしようか、砂漠?草原?雪山?火山?あぁ、此所がいい…… 」
無属性の魔法の一つ、無時空間
外の世界から切り取り、他の時間の動きがない空間へと移動する
そして背景は4Dスクリーンのように様々な所へと移動できるのは、真っ暗な場所で戦うのは気が滅入るとでも思ったのか
いや、実際に景色はあった方がいいと思うのだが、背景が岩場が多い草の生えない地面へと変われば、乾燥した風は感じられ大地の匂いすら分かる
「 此処じゃ人間界の時間は関係ねぇ。切り離された空間だ。バカデカい魔法を飛ばそうが問題ねぇが、一つあるなら召喚師と途切れてるから魔力の供給はねぇよ 」
『 どういうこと? 』
「 神の庭と同じく、自身にある魔力だけの使用になるってことだが。厄介なのが、回復に時間が掛かる 」
「 そう!バテるのもはえってことさ 」
魔力が常に吸収されて回復できる、神の庭 とか
魔法を使っても、召喚師から与えられて使える人間界ともまた違い
本来のある部分だけを使う事になるのか……
『 分かった、俺に魔力調整の仕方を教えて欲しい! 』
「「 いい返事だ 」」
声が揃った二人に、なんと無く双子みたいな雰囲気はあるが、気にせず
俺はやるぞ!!と気合いを入れて体勢を低くし戦闘モードへと入る
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