転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

文字の大きさ
173 / 276
二章 宝物捜索 編

08

しおりを挟む

後日から収穫祭の準備は行われた
その日に、ついでとなんだが、開会式程度に聖獣の義も行われるらしい
確かに一度の催しで其なりの事を済ませれば、後々同じ準備をしなくていいのは効率がいい
特に聖獣の義は、短時間程度らしいから他の日にしても面倒なだけ
納得出来ると、忙しそうなセバスチャンを横目にソレイユと共に兄弟が庭で、他のメイド服を着た使用人と共に、カボチャをくり貫いてる作ってるのを只離れた場所から眠りながら耳だけ向けていた

「 どう!上手くくり貫けた!? 」

「 テール王子、上手ですわぁ。シエル王子、手に気をつけて下さいね 」

「 うん!! 」

カボチャのくり貫きなんてやったこと無いな
ハロウィンなんて簡単にお菓子を買って、交換してた程度だからこうやって本格的なのは、魔法使いの集会で見た雰囲気程度
ルイスやファルスの時は、国がハロウィンっぽいことをする場所じゃ無かったから、こうやって見るのも聞くのもいいもんだ

「 おっ、やってるね~! 」

「「 エヴァンおじさん!! 」」

聞こえてきた声にピクリと耳は動き、首を持ち上げれば、先王子と思えないほどシンプルな服装をしたエヴァンが様子を見に来た
白いカッターシャツに黒の長ズボン、同じくベストを着てる程度の彼は、顔を見上げた兄弟の元へと行く

「 見て見て!どう? 」

「 おぉ、中々上手いね!もう少し不気味な感じが出ればいいかもねー 」

「 不気味…… 」

「 おじさん!オレのは~? 」

「 シエルのは可愛い感じか!それもまたいいね 」

其々に今作ったばかりのカボチャを見せていれば、楽しそうな雰囲気は王家の者とは思えないほど柔らかさがある
父と母の教育やら性格がいいのだろうっと改めて実感するように見ていれば、足音に気付き視線を後ろへとやれば、其処には知らない青年が立っていた

「 カボチャ……作りたいな 」

『 ……どちら様? 』

 黒髪に褐色肌をした、紫色の瞳をした青年はソレイユが普段着ている軍服より軽装になった軽るそうな格好をして、スパイクカラーの首輪を付け帽子を真っ直ぐ被らず斜めに被っている

彼等へと視線を向けたその目は、驚きを含むように此方に下がった

「 えっ、魔力で気付かねぇ? 」

「 ……本来のファルだ 」

『 ええっ!!? 』

あんな見た目は怖そうな死神さんの本来の姿!?
確かに、声は同じだけど雰囲気ががらっと落ち着いてたことに別人と思ってた
驚きの余り起き上がり、匂いを嗅ぐように身体へと鼻先を近づけ匂いを嗅げば、黒手袋をした手は俺の鼻先へと向けられた

『 確かに…… 』

匂いはエヴァンの体臭と近いものがあり、無臭の聖獣が唯一匂いが付く相手だ
其にしてもソレイユより若い感じがする、ファルはふっと笑えばしゃがみこみ、俺の顔を両手で包み撫で回して来た

『 ンンッ 』

「 あの姿は、死神と名付けた人間に向けた為の表向きだ。其っぽいだろ~?こっちは本来の姿だ、聖獣はやろうと思えばどんな服装にも出来るからなぁ 」

『 えっ、そうなのか!? 』

撫でられる事は嫌いじゃ無いために、頬を摘ままれたまま見上げれば、寝転んでいたソレイユもまた姿を人型へとなり格好を軍服へとする

「 嗚呼、魔力を調整し、鎧の系統を変えるようにする感じだ 」

「 魔力調整が出来る奴なら、楽勝だぜ?」

顔から手を離し、共に並んだ彼等を見ればファルの方が僅かに身長が低い程度で外見の雰囲気からよく似てる
流石、兄さんと言う位にはそっくりなんだろ

『 えっ、それで獣の姿も体格変えれたのか? 』

「 嗚呼、どんなサイズにもなれる。大きい姿は邪魔だからなぁ 」

「 かわいこちゃんは魔力調整が出来ねぇみたいだから教えてやんよ 」

『 ふあっ!?教えてくれるの!!マジで!? 』

「「( 素直で可愛い )」」

パタパタと尻尾を振り全身で喜んだ俺に、二人の似たような視線に気付くわけもなくはっはっと息を荒くし、教えられるのを待っていた

「 弟弟子が出来たみたいなもんだからなぁ。教えるのが下手くそな兄さんの変わりだぜ……無時空間むじくうかん 」

左手の指を鳴らした瞬間に、辺りは切り取られた様に三人だけを覆い隠し暗くなり
闇が広がった、真っ暗な世界になった事に驚けば風景はガラッと変わる

「 此所は俺の空間。外の時間は何一つ進んじゃいねぇまま、戦闘が出来る。どんな場所にしようか、砂漠?草原?雪山?火山?あぁ、此所がいい…… 」

無属性の魔法の一つ、無時空間むじくうかん
外の世界から切り取り、他の時間の動きがない空間へと移動する
そして背景は4Dスクリーンのように様々な所へと移動できるのは、真っ暗な場所で戦うのは気が滅入るとでも思ったのか
いや、実際に景色はあった方がいいと思うのだが、背景が岩場が多い草の生えない地面へと変われば、乾燥した風は感じられ大地の匂いすら分かる

「 此処じゃ人間界の時間は関係ねぇ。切り離された空間だ。バカデカい魔法を飛ばそうが問題ねぇが、一つあるなら召喚師と途切れてるから魔力の供給はねぇよ 」

『 どういうこと? 』

「 神の庭と同じく、自身にある魔力だけの使用になるってことだが。厄介なのが、回復に時間が掛かる 」

「 そう!バテるのもはえってことさ 」

魔力が常に吸収されて回復できる、神の庭ディヴァインガーデン とか
魔法を使っても、召喚師から与えられて使える人間界ともまた違い

本来のある部分だけを使う事になるのか……

『 分かった、俺に魔力調整の仕方を教えて欲しい! 』

「「 いい返事だ 」」

声が揃った二人に、なんと無く双子みたいな雰囲気はあるが、気にせず
俺はやるぞ!!と気合いを入れて体勢を低くし戦闘モードへと入る
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! 表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 名前が  *   ゆるゆ  になりました。 これからもどうぞよろしくお願い致します! 表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 校正も自力です(笑)

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

処理中です...