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二章 宝物捜索 編
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しおりを挟む"対象の物だけ"を当てることがどれだけ難しいのか実感する
少し勢いが有れば、自分の足元から蝋燭が置いてある土台まで一直線に氷らせて
逆に弱すぎても飛ばすことが出来ず、蝋燭を氷らせる事になる
"当てるだけ"、その単純な事が出来ずに息は荒くなる
『 ハァッ、魔力が…… 』
「 それだけ、御前はいつも無駄が多いって事だ 」
魔力の回復より、消費の方が早くて酸欠のように頭はクラクラし呼吸は荒く汗は流れ落ちる
身体を冷やす方に魔力を向けないから、氷属性の俺にとって今の体温は暑い
顎へと流れ落ちる汗を、手の甲で拭き、ソレイユの言葉を耳に届けばもう一度体勢を整え片手を蝋燭へと向ける
『 無駄を減し……一つの物だけを当てる…… 』
気を集中させ、手の平に感じる冷気の感覚にやれそうだと確信が出来た
「 ぶえっくしょんっ!!あぁー! 」
『 !!? 』
急にくしゃみをしたソレイユに驚いて辺りを氷らせてしまった俺は、咄嗟に身体を下げて飛んできた釘バットを避けた
「 集中!! 」
『 無理だろ!?ソレイユのくしゃみなんて初めて聞いたし! 』
「 すまん、乾燥地だから鼻が乾くとくしゃみが出る 」
『 地属性が何か言ってやがる…… 』
確かに乾燥地だ、俺が氷を放っても直ぐに溶けたように消え去る
辺りに草花が無いのを見れば雨すら降らないのだろ、空へと見上げた俺にファルは笑った
「 乾燥地って言うより、俺の空間だから他の属性は無効果になってくんだよ!此処じゃ属性は関係ねぇ、必要なのは魔力だ 」
『 魔力、魔力……意味分かんないって!御手本!御手本みたい!! 』
そう、何事も先生の御手本がいる!ってファルに片手を上げて言えば彼の視線は鼻辺りを擦っていたソレイユへと向けられた
それに気付いた彼は、仕方無いとばかりに立ち上がり俺の方へとやって来た
「 くしゅん!!あぁー、分かった……。やってみせてやる 」
あぁー、迄がくしゃみの人なんだな、分かるぞ
それを言わなきゃやった気にならないからな!
『 おう!見てる 』
「 いいか、当てて、砕いて、造り出す!! 」
『 ……ん? 』
そう言えばソレイユの教え方って脳筋並みに、語彙力が低下することを改めて思い出した
頭を抱えたようなファルを見ていれば、実感したんだろ、この人が教え方がスゲー下手だってことを!!
「 当てて、砕いて、造り出す!! 」
同じ動作をまるでコンピューターの連続コンボみたいに繰り出すけどな、バチッと電流の音と共に蝋燭だけが砕け、反対の手を動かしまた蝋燭を作り出し、砕く、のを繰り返した彼は何処か満足気に俺の方へ視線を向けた
「 分かったろ? 」
「『 分かるか!! 』」
「 ……は? 」
既に造り出す!の時点で地属性の技だろ!
初めてファルと声が揃ったと言うことは、彼も同じ事を思ってたのだろう
何故分からない!?と眉間にシワを寄せてきたソレイユに俺は、怒る
『 当てて、砕いて、造り出すってもう二つの技じゃん!!こうやって、氷で作って、当てるなんて俺にもでき…… 』
ほら!これだろ!!とばかりに、氷の土台を造りだしその上に蝋燭を現し、次の攻撃で蝋燭を割ればふっと固まった
「 兄さん……。コイツってなんだよ?出来たんだけど 」
「 馬鹿と天才は紙一重って言うだろ。ほらな、簡単じゃねぇか 」
『 ……教え方!! 』
唖然としてる俺と、驚きと言うより冷めてるファルは何処か自慢気に頷いてるソレイユを見るけど、
いやいや……こんなの今までやってたじゃん!
『 えっ、これでいいの!?自分が作った魔法にぶつけることが出来るだけで 』
「 嗚呼、じゃ今の感覚で俺が石を飛ばす、固めて砕け 」
ソレイユの足元から地面は揺れ、岩が現れればそれは砕かれ勢いよく遠くへと投げ飛ばした
それに気付き咄嗟に、固めるために片足を動かし地を踏み
『 固めて……砕く!! 』
標的物の周りに冷気を纏わせ石の欠片を一瞬氷らせれば、反対の手を動かし別の魔力で造り出した氷をぶつけて砕く
粉々になったことを感動すれば、二人へと視線をやる
『 やった!!出来た!! 』
「 標的物のみに当てて攻撃する事まで出来るようになったな、流石俺の番だ 」
『 わーい!! 』
「 第一課題をクリアってことでいいんじゃね…… 」
よしよしと撫でられる事に嬉しくなり、尾を振った俺に、聞こえてきたファルの呆れた様子は気にする事もなく
只、気付いたときには脚に力が入らなくなっていた
『 あ、っ…… 』
「 魔力の使いすぎだ。休憩しろ 」
倒れる前にソレイユに支えられた俺は、そのまま目を閉じればするりと身体は動き彼は軽々と横抱きにした
『 わっ…… 』
「 ファル、こんな乾燥地じゃ無い場所に移動だ 」
「 はいはい、んじゃ此処かな 」
少しだけ横抱きにされるのに照れるものの、ファルが指を鳴らし次の場所へと変えれば
そこはよく知る神の庭のような、緑豊かな森の中で俺達がいるのは森の中で唯一開けた泉の付近
休憩出来るには最適だと思った
鼻に付く森の香りは、心弾ませるには十分で早々にソレイユの腕から下りれば服を消し、獣の姿へとなり泉へと入る
『 ふはっ、気持ちいい~! 』
「 そりゃ似た場所を切り取って空間に入れてるからなぁ、幻じゃねぇぜ 」
「 国を廻った数だけ、地形もあるってか 」
旅をして見て、使えそうな空間を切り取っただけっていっても流石最高ランク
やり方の次元が違うと思いつつ、水浴びを楽しめば二人も、服を解除し全裸のまま泉へと入ってきた
やっぱり獣は水遊びが好きだよな!
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