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二章 宝物捜索 編
07
しおりを挟む街を歩けば、色んなところで人の笑顔が見えた
晴れた空を拝むもの、厚木の服を脱ぎ捨てるもの、綺麗になった洗濯物を取り込むもの、
そんな彼等を見てると、俺の使った魔法も悪くないと思う
「 本屋は…此処か 」
『 お?ここ? 』
クララが立ち止まった先を見れば、一m程の階段を上がった先に本の看板がある店があった
もっと大きな店かと想像していたから、此処は結構小さい
こんな所に本が置けるのか?と疑問になるが、クララが階段を上がり始めた為に着いていく
「 邪魔をする 」
『 お邪魔します… 』
店に入るのにこんな声掛けいる?と思うけど、中は本がぎっしりと詰まっていてレジとの距離感が近い為に挨拶の必要性を感じた
店員さんっぽい年配の老人は、深緑色のエプロンを着たまま俺達をチラ見するなり、他の本を読み続けている
『( …愛想が無いとはこのこと )』
まだクララの方が有るんじゃないかと思う程に笑みすら浮かべない店員さんに若干引くも、彼が本を探し始めた為に続く
『 本も古いな…。此れも紙の生産量が無いからか 』
出版日は七十年前で止まってるものばかり
雨が多くて湿度も高い室内によって、本は古びていたのだろう
例え俺が綺麗にしたとしても、元々の古さは変えることが出来ない
汚れ物は、洗濯のように落とすことが出来るけどな
『 世界地図も古いな…… 』
「 地形が頻繁に変わり、世界地図を更新する機会がないんだ。晴れたなら…書く者はいるだろうがな。航海士とか 」
手に持った世界地図は、俺が前に来た時と変わり無いものだった
これじゃ何処か沈んだか分からない
それも全て…雨のせいかのか
『 航海士…な 』
「 ウチのクルーにも航海士がいる。デルと言うやつだ。そいつが所有してる地図を見せてもらえばいい。俺達がこれまで航海した十年分の地図は書いてるからな 」
『 デル…え、十年前から海賊なの!?クララって、何歳だよ… 』
航海して数年とかと思っていたのだが、十年というそこそこ長い年月を海賊としてやってる事に驚いて顔を向ければ、彼は見下げてきた
「 二十三だ。何か問題でもあるか? 」
『 十三歳から船に乗ってんの…… 』
「 正確には生まれた時から船に乗っている。俺は船の中で生まれたからな…。だが、俺とデルの二人で航海を始めたのが十年前ってことだ 」
この時代って…そんな幼い子が巨大な魔物だらけの危ない海に出るのか
いや、陸地も色んな魔物がいるのだから、何処に居ようが安全ではないな
『( てか…二十三にしてはもっと歳上っぽく見えるよな。やっぱり苦労が耐えないのか… )』
「 ?? 」
もっと隈もなく、お肌ピチピチの生活をさせてやりたいとその背中をぽんっと触れていた
『 いい本無かったなぁ…んー……航海士のデルと言うやつに聞くか 』
昨日、進路の事で聞きに来た…
あの黒髪の青年だろうか?と考えながら、意味もなく背伸びをする
その後、一緒に本屋を出れば、クララは視線を先へと向けた
『 ん? 』
その視線に気付き、同じ方向を向けば向こうから走ってくるクルーの姿が見える
「 キャプテン、キャプテン!大変なんっす!! 」
「 どうした? 」
良く此処だと分かったなと言いたいが、彼等の左手首に金色のリングみたいな魔法陣が現れてるのに気づく
『( あぁ、繋がりの魔法な )』
繋がりの魔法
それにはいくつかの種類があって、俺とシロがやってるのは痛覚や感情面とかの共有だが、
彼とクルーがやってるのは位置情報の共有だと思った
簡単に言えば、相手がいる場所が魔法によって導かれて分かるやつ
『( この繋がりの魔法をクルー全員にしてるのだろうか… )』
何となくクララなら有り得そうな気がすると思っては、彼等の話を聞く
「 戦闘員の奴等が海軍に絡まれて、交戦してます! 」
「 は?…バカが、あれだけ戦闘するなっていったのに。…行くぞ! 」
「 アイアイキャプテン! 」
俺が問題を起こすより先に、他の連中が問題を起こしたのかと呑気に思い、走り始めた彼等を獣の姿へと戻り着いていく
『 我が主、乗るか? 』
「 嗚呼 」
横へと行けば、首にある結晶を掴んで背中へと跨ったクララに、俺はジャンプして屋根上へと飛び上がり走っていく
「 キャ、キャプテン…置いて行かないでください…!!( 報告の為に走ってきたばかりなのに! ) 」
『( 猛スピードで走るなら定員は一名だけなんだ、許してくれ )』
置いていくクルーに申し訳なく思いながら、クララが向けた指先の方へと急いだ
誰が問題を起こしたのか、繋がりの魔法で分かるのだろう
「 俺等は、(まだ)なんもしてねぇだろうが! 」
「 存在そのものが問題なんだよ!! 」
クルーが交戦してる所は野次馬が多く集まり、お互いに声を張っていた為に直ぐに分かった
脚を止めてその光景を眺めていれば、クララは背中に乗ったまま告げる
「 引き離せる事は出来るか?怪我人を出さず 」
『 余裕。雷電 』
「「 !!!?? 」」
彼等の近くに落雷を一発落とせば、其々の手は止まり驚いたような顔を見せた瞬間、次の魔法を使う
『 氷籠 』
「 なっ!? 」
「 急に、なんだよ!? 」
明らかに軍服っぽい姿をした奴等だけ、一人用の氷の籠で捕らえれば、クルー達は彼等を見て目を見開くも直ぐに上を向き、クララの姿に気付いた
「 キャプテン!!? 」
「 さっさと散らばれ! 」
「「 アイアイキャプテン!! 」」
その一声で、クルーは早々に戦闘を切り上げて其々に違う方向へと逃げていき、
海軍が氷を割ろうと努力してるのを見て、クララの合図と共に背を向け走り出す
『( 本当に、出来るだけ争いを避けるな )』
今の騒ぎで海軍が増えてる様子なのは確かだが、争いをしないな…
「 まだ船に戻ってない連中がいる。海軍を呼び集めたい。騒ぎを引き起こせるか? 」
『 もちろん。目立つのは得意だぜ 』
「 褒めれるものか? 」
『 いいから見てろって……氷像……氷百花!! 』
2
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