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二章 宝物捜索 編
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しおりを挟む翌朝から、クララとの距離は傍から見たら余り変わってないかも知れないけど、俺は少しだけ縮んだ事は気付いてる
それを敢えて顔には出さず、彼に寄り添う
『( クララ、今日は機嫌いいな!! )』
「「( アルトの奴…いいことあったんだな。すげぇ尻尾振ってる… )」」
俺は格好いい聖獣だからな!と思い、堂々とした態度で、クララが食堂で朝食を食べてる足元にお座りして、彼を見上げていればこちらを見ることなく黙々とパンを齧ってる彼を見詰める
「 ん… 」
『( ん?? )』
何故か、囓ったパンが向けられた事に少しだけ疑問を抱いて、クララをチラ見すれば余り俺を見てないから、嫌いな物だから食べて欲しいのだと察して、口を開いて食べた
『( ん…あまり美味しくないな。スポンジみたいな食感… )』
「( 聖獣なのに、欲しがるんだな )」
「「( キャプテン…餌が欲しいのかと勘違いしてる… )」」
『( こんなスポンジなら、クララが嫌うのも分かる )』
納得し、食べ終えてから毛繕いをしていれば、少し遅れてやって来たデルの足音に気付いて顔を上げれば、彼はクララの前の席へと座った
もちろん、クララの周りに座ってるクルーなんていないから、空いてる席には間違いない
「 おはようございます。クラウス船長。後…五日程で次の島に辿り着くのですが、その話で 」
「 嗚呼、おはよう…。なんだ? 」
机の下からデルの足元を見ていれば、彼は片手を自らの太腿を叩き、次に指先をクララの方へと向けた為にハッとする
『( 膝に顎を乗せてみろってことな!わかった! )』
意味を理解して、クララの右の太腿へと顎を乗せて見れば、彼の手はごく普通に短いマズルの上を掻くように撫でてきた
『( ハッ!クララに、撫でて貰ってる! )』
ブンブンと床を叩くように尾は揺れて、嬉しくて耳を下げていればその手は、頭の上から首後ろまで下がる
「「( 聖獣というか、犬…… )」」
「( パンが欲しいんだろうな… )」
『( クララ~、クララ~ )』
頭上では、俺には関係ない話が繰り広げられてるけど、それに聞く耳を持つより今はこの感覚を楽しみたいと思い、目を閉じて受け入れていた
デルとの会話を終え、クララは席を立てば俺もまたその後を追い掛ける
朝食を終えた後は、いつものように船長室にあるソファに横向きに座り、長い脚を組んで古い本を読むクララだから
其の姿を眺めて、腰辺りのスペースに顎を乗せていればページを捲ったあとに、手を置く場所が頭の上へとなり、そのまま数回撫でる
『( 無意識と分かってるけど…嬉しい )』
触れ合う度に距離感が近くなるもんだと思うから、積極的に俺から触って貰えるようにしようって思えた
心地良さにウトウトとしていれば、本を読み終えたクララは、立ち上がる
『( はっ!何処に行くんだろう )』
何をするのかと着いて行けば、船内の彼方此方を回ってクルーの仕事振りを見たり、話しを聞いていた
「 キャプテン!丁度いいところに。この武器、欠けてるから売ってもいいっすよね? 」
「 嗚呼、構わない。ついでに新しいのをいくつか買えばいいだろう 」
「 あざっす!そうさせてもらいますね 」
困ってる事に耳を傾け、必要な経費は惜しまなく出して、削る場所は削ってる様子に、ちゃんとキャプテンらしいと思う
それ等が終わってから、昼頃から食事もせずにとある部屋の中へと入っていく
「 午後からは、御前と遊んでる 」
『 ふぁー……え、この部屋何? 』
全く何もない、部屋なのか空間なのか分からない場所に見渡しても真っ暗だから戸惑って傾げれば、背後の扉は自動で閉まって胸は高鳴る
「 此処は、訓練や手合わせ等…魔法を含めた戦闘が出来る場所だ。普段はクルーが使ってるが、今日から御前を鍛えるのに貸してやる 」
爪先を床へと二度軽く踏んだ瞬間、真っ暗だった部屋は急に傾いて揺れたのに驚き、姿勢は低くなる
『 ぬぁっ!?( 空間魔法!?これ、今の現代だと誰でも出来るのかよ!? )』
真紫瞳の死神であるファルがやってた空間魔法に似てると思い驚くも、
普段戦闘する場所が船の上ってこともあり、辺りは荒波と変わって、上下に動く感覚が大きくて踏ん張るだけで疲れそうなのに、目の前に立ってるクララは平然としていた
「 へっぴり腰だと攻撃を食らうぞ?黒風刃 」
『 !! 』
片手を前に出した事で紫色の魔法陣は現れ、目視で確認できる程に黒い風の刃が無数に現れれば、向かって来るのに合わせて飛んだり避けるも、それ等は方向を一気に変えて突っ込んでくる
『( 闇と風属性が混ざった魔法!? )氷壁狼!! 』
咄嗟に自身の全方面を氷で囲うように防御壁を生み出すも、鋭い風の刃は氷を削っていく
「 防御だけか?つまらん…連鎖黒爆 」
『 !!! 』
さっき迄の風の刃は、突然と無数に爆破していけば、俺の氷などあっという間に砕け散った
氷が風属性に負けた事が驚きだが、属性の相性なんて気にしない程の、クララの魔法スキルとそれを補う魔力量が桁違いだと思った
「 初めっから、その姿になればいいものを… 」
『 …武装。氷結の牙狼 』
狼の姿では遣り合うことすら出来ない為に、やっぱり人型ではないといけないと判断し、氷が粉々になったのに合わせて姿を見せれば、クララは口角を上げた
「 ほら、夕食まで遊んでやるよ 」
『 咲き誇れ…百華…氷狼!!! 』
剣を振ったのに合わせて、俺の目の前から氷の華が咲き、其れがクララへと向かっていけば彼は左手を振る
「 黒破 」
美しい程に砕けていく氷を見て、まるで彼の声一つで魔法が消されるような錯覚になった
『 雷牙狼…! 』
もう一度剣を振り、今度は金色の魔法陣と共に雷の姿をした狼達を現し、クララの方へと向えば彼の左手は、前へと向けられた
『( まずい……! )』
「 黒魔鏡…返してやるよ 」
『 っ!!氷壁!! 』
出会ってすぐの喧嘩と同じ状況になったと察した
鏡に取り込まれた雷の狼は、跳ね返るように俺の方に向かってくるけど、その身体には黒い靄が巻き付かれ、威力は倍になって壁へと打つかる
簡単に亀裂が走って砕け散る氷に気付き、後ろへと下がるも津波に合わせて斜めになり、自然と片手は付く
「 奪った魔法を一度しか使えないと思ってるなら大間違いだぞ? 」
『 !!! 』
「 どれだけ戦闘をしてきたと思ってる…。其の全ての敵の魔法は…此処にある。神•光線 」
『 ん、なっ……!!? 』
闇属性だから、闇魔法しか使えない…
戦闘で得た魔法はその場限り…
その先入観を全て打ち砕くように、眩い光が一点に集中した瞬間、雷より速い速度で閃光が向かって来た
六枚の氷壁を瞬時に出したが、その強度なんて気に求めず一直線に貫いた
目の前にある空洞になった円から見えるクララに驚いてる時には、俺の身体の半分は失われていたんだ
『 あぁぁぁあっ!!!! 』
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