パパとナイショの関係

2話 愛玩用 獣人

～ 颯  視点 ～


愛玩用の獣人が一体どこで、誰の手によって造られているからは曖昧な情報が行き交う

ネットでは、海外からの輸入限定、生き物のようにブリーダーが存在して繁殖させている

有力な情報としては研究所で生まれなければ世間には出回らないという事

どこの研究所か、それは俺には分からないし知る必要が無いと思っていた
だが、ゼロに近い確率の中で唯一繁殖機能を持ったままの獣人もいることを知った今

大きな問題を抱えていた

「 パパ……私は…どこの病院に行けばいいの？ 」

「 ……それを今、探してるんだ 」

俺も男、セフレの代わりにと行為をし始めてからコンドームを使う様にはしていたのだが、其れを使わず行為を行った事が一度ある
心当たりがある為に、無責任な言い訳は言わない

愛玩用の獣人だからだと、中に射精しても子供が出来る訳が無いと、思った結果、出来心で中出しをした
娘という立場である、瑠菜にだ……

勿論、それから直ぐに彼女は腹に違和感と、悪阻のように食欲を無くし、嘔吐つく事もある
そして、人間にしては早い約二ヶ月程度で見るからに腹が膨れている

明らかに彼女と俺の子である為に疑うことは無い

そんな事よりも腹の子の以上なまでの成長のスピード、
そして何よりも健康面が心配だった為に病院を探していたのだが
妊娠中で、精神的に不安定な瑠菜は獣の耳と尻尾を隠す事が出来ない
普段なら、引っ込めることは出来るのだが妊娠してからそれが出っぱなしの為に外出も控えさせていた

そろそろ、一度病院で検査して欲しいが
見た目は人間だが体質は獣だと聞く、そして何より獣人を一般の病院に連れて行くことは出来ないのだ

法律上、獣人は人間と同種とは判断されず、また愛玩用のペットのように動物病院に行くことも許されない

健康検査をする場所が、海外に一箇所だけある獣人専用の病院か、彼女が生まれた場所だけだ

瑠菜を拾った為に、彼女が生まれた場所を知るはずもなく
どこを探せばいいのか迷っていた

獣人を飼ってるような相談出来る相手も居なく…
瑠菜に過去を聞く気にもなれず、いや聞いたところで分からないだろうな

まだ、彼女は今よりずっと小さかったんだ