赤パンツの彼は生理

及川雨音

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前編 普段は黒

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 煙草が不味く感じるのは、大抵アレになる予兆だった。

 「え、どしたんすか」

 一口吸っただけで揉み消した俺に、横で吸おうとしていた後輩の佐野がギョッとしたように手を止めた。

 「…いや、別に」
 「別にじゃないでしょうよー勿体無い。コレ、貰っていいっすか?ゴチでーす」

 止める間も無く、佐野はシケモクもどきを勝手に吸い始めた。実に旨そうに呑んでいる。マイペースでありながら特有の強引さで事を成すのが得意な奴なのだ。爽やか笑顔の調子の良さに、気が抜ける。

 「お前なぁ…」
 「あざーっす」

 呆れてため息を吐き、スマホを操作してネット注文をした。



 通勤路に豪邸とも呼べる一軒家がある。そこでは数頭の大型犬が放し飼いになっていて、俺が通ると駆け寄ってきて頑丈な門越しにきゅんきゅん甘え声を出すので、周囲に人気が無い時には構ってやったりしていた。
 名前は知らないが全員雄なのは分かる。いつもより荒い息で、にょっきりと飛び出たモノを俺に向かって振っている。

 「やはりそうか」

 犬の嗅覚は鋭い。滲み出した微量のフェロモンを感じ取ったのだろう。本能が俺を雌だと勘違いさせているのだ。錯覚で発情させるのは気の毒なので、アレになるとその間は別の道を利用することにしている。
 汁に濡れ汚れる門を、見ない振りをした。



 帰宅すると既に宅配の荷物は届いていた。
 生理用品や痛み止め諸々。
 妻が居た頃は自分の分も一緒に買って来てもらっていたが、今は通販で誰でも入手出来るので助かっている。
 ザッと中身を確認してシャワーを浴びる。

 「…っん、」

 平素は無反応なそこが、泡を纏った指を滑らせただけでヒクついた。腹の奥に痺れが走り、前が緩く起ち上がる。軽く扱けば先走りを垂らして腹に反った。

 「っふ…っ…」

 忙しさもあり、面倒で暫く自慰をしていなかった。だからか一旦始めると、次々に溢れ噴き出てくる。快感に擦る手は止まらず、湯気と籠った吐息で少し息苦しく喘ぎながら、久々に感じる悦楽を堪能した。
 風呂から出ると、パンイチのまま冷蔵庫から冷えたビールを取り出し、熱く火照った身体に流し込んだ。
 吐精の余韻で気だるい。だが男として満足した一方で、そこはまだじくじくと甘く疼き続けていた。触れられず、不満げに燻っている。
 それから意識を逸らすようにビールを呷った。
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