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1章
1章,君さ、いっそ転生しちゃう?
しおりを挟む授賞式が終わった帰り道、僕は途中で公園によった。毎回の僕のルーティーンのようなものである。
「あーあ。なんでこんなになったんだろう・・・」
自分の不満を声に出してみた。まあ、誰もいないんだけど。
これまで100回だ、授賞式に呼ばれたのは。見慣れた景色にはドキドキ・ワクワクなんてものはない。
空を見上げると、都会にしてはきれいな星が夜を飾っていた。そして、チラホラと流れ星が現れる。
(流れ星かぁ・・・。もしも願いが叶うんなら―――)
「―――ごく普通の自由がほしい」
そう、こんな生活はいらない。ただ友達と笑って、学校行って、普通に寝て。もっと願うなら、こんな顔はいらない。何度顔を傷つけようとしたことか。
思い出すたびに溢れ出す、願い。
改めて夜空を見ると、1番光っている星が見えた。その星がどんどん大きく・・・ん? 大きく?
何故かその星は僕の目前まで迫ってきていた。
「うぇぇぇぇぇぇあ!?」
ーーーーーーーーーー
《なあ、この子、まだ起きないのか?》
《ええ・・・どうしようか・・・》
《このままだと神帝様におこられちゃうよー》
(ん、、、? どこだ、ここは・・・)
目をうっすら開けると、そこは公園ではなかった。真っ白い空間に、神々しいものが3つある。
《お、目ぇ覚ましたか、坊主》
僕に声をかけたのは、長い髪の毛を結った、男の人だった。
《ああ、良かった。君、変なところはないかい?》
次に声をかけたのは、桃色の髪をお下げにした女の人だ。スタイルが良く、胸元に光る真珠のネックレスも、彼女の一部のようだった。
《なーなー。このおにーちゃん、どーするのー? 食べるの―?》
最後に声をかけたのは、僕よりも明らかに年下の男の子だった。特徴的なのは、頭に生えている耳・・・
「はああああああぁ!?」
僕は思わず飛び上がって、改めて三人を見渡す。よくよく見れば、3人とも明らかに服装が変。まるで・・・
「神様みたいだ・・・!」
《そだよー。僕ら神様なの―》
「・・・・・・・。そうか、僕は死んだのか・・・。」
確か、星みたいなのが僕の目前に迫ってきたんだ。そりゃ、死ぬに決まってるのにね。
《あー。君、そのことなんだけど・・・》
「?」
男の神様は言いにくそうにしていた。
《ほんっとにごめん!》
だがその続きを言ったのは、女神様だった。
《うちのクリアネが、星を好き勝手に動かして・・・!》
《しょうがないだろー? 楽しかったんだからサー》
クリアネと呼ばれた少年は、バツが悪そうにうつむく。
《あたしはモナノア。愛と希望の女神よ。こっちのクリアネは、戦神よ》
《俺はカトル。とりあえずは創造神だ。よろしくな、坊主》
「は、はあ・・・」
理解が全く追いつかん。しかし次の言葉は、もっと理解できなかった。
《君さ、いっそのこと、転生しちゃおうか》
「・・・はい?」
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