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第二章
⑨神様と女神
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天界
神様の目の前に突如女神フローラが現れた。
「うわあ!」
神様がびっくりして尻もちをつく。
「なによ、大袈裟な」
「誰でもびっくりするわ!」
「ねえ、それよりも、もう知っているんでしょ?私が天使ちゃんを夜会に招いたこと?」
神様はこの無礼な女神があまり好きではなかったが……好きだった。
神様が女神にソファへ座るように手を指し示す。
ソファに座った神様と女神。
「ああ、知っておるよ……だが女神よ、なぜ幸せに暮らしているあの子に余計なことをするんだ?」
「ま!余計なことですって?」
女神はテーブルの上をじろりと見て、
「お茶も出ないの?」
「チッ」と舌打ちをして指をパチンと鳴らすと目の前に湯呑みちゃんが現れ、湯気の立つ温かなお茶が置かれていた。
「うわー、ほんとにお茶が出てきた、凄~い」
その言葉に少し気を良くした神様。
「ふふふ」と自慢気に微笑む。
「だけど……どうせならコーヒーの方が良かったかな~」
「グッ……」と堪えて女神に尋ねる。
「バルガンスは今ようやく好きな人と結ばれ幸せに暮らしておるのだ、なぜそっとしておいてやらんのだ?」
「私も……あなたと同様、あの子が可愛いのです。ですが……あの子の連れ添いはなんとなく気に入りません」
神様が少し慌てる。
「おいおい、フローラちゃん、彼女に焼き餅を焼いているんじゃないだろうな?」
「はあ?私が人間の小娘に焼き餅ですって?はあ?」
少し動揺している女神を可愛らしいと思いながら神様が呟く。
「そういえばあの子は女神にまとわりついて離れなかった時があったな」
女神は思い出すように話す。
「ええ、それは可愛らしい天使でした」
女神が微笑む。神様はその笑顔にドキリと胸が高鳴る。
女神が口を開く。
「あの子はもう私にベタ惚れで……女神様、女神様って後をついてきて……『私は女神様と結婚したいです』なんてよくプロポーズされましたわ、オホホホ……」
神様が口を挟む。
「それは100年前の話であろう?」
「うるさい」
「そんな話はどうでもよい。目的を言え、フローラ」
女神はお茶を飲んで一言。
「あら、美味しい…このお茶」
お茶を褒められ一瞬嬉しそうにする神様だったが、女神の一言でまた表情が険しくなる。
「美味しいけど……コーヒーのほうがよかったかな~」
神様が「パチン!」と指を鳴らすと女神の手には湯のみ茶碗ではなくコヒーカップがあった。
「あら、凄い」
コーヒーを一口飲んでホッとする女神。
「ありがとう、コーヒーに変えてくれて」
微笑む女神にニヤつくのを我慢する神様。
「それでフローラ、目的は何なんだ?」
コーヒーカップをテーブルに置いて女神がゆっくりと話し出す。
「試練を与えてみようかなと思って夜会に招待しました」
「し……試練だって?おい女神よ、バルガンスは愛する人と結ばれるまでにどれほど心を乱したことか……まだバルガンスを悩ませるつもりなのか?」
女神が微笑む。
「私が試練を与えるのは……ヒナシスの方です」
「え?」
「彼女は、天使ちゃんの愛を当たり前のように思っております。天使ちゃんが自分を大切するのが当たり前、優しくするのが当たり前、そして自分を愛するのが当たり前になっています」
神様が女神フローラを見つめる。構わず女神は話し続ける。
「彼女は本当に天使ちゃんを愛しているのかしら?ただ便利だから一緒にいるだけなんじゃないのかしら?」
女神は立ち上がり神様を見下ろし、
「今度の夜会で彼女の愛が本物か確かめさせてもらいますわ」
そういうと女神の姿が消えた。
「スーハースーハー」
女神の残り香を嗅ぐ神様。
はっとして匂いを嗅ぐのを止める神様。
バルガンスがヒナシスの残り香を嗅いでいるのを眺めながら、
「気持ち悪いことするなよ~バルガンス~」
と思っていた事を思い出した神様だった。
神様の目の前に突如女神フローラが現れた。
「うわあ!」
神様がびっくりして尻もちをつく。
「なによ、大袈裟な」
「誰でもびっくりするわ!」
「ねえ、それよりも、もう知っているんでしょ?私が天使ちゃんを夜会に招いたこと?」
神様はこの無礼な女神があまり好きではなかったが……好きだった。
神様が女神にソファへ座るように手を指し示す。
ソファに座った神様と女神。
「ああ、知っておるよ……だが女神よ、なぜ幸せに暮らしているあの子に余計なことをするんだ?」
「ま!余計なことですって?」
女神はテーブルの上をじろりと見て、
「お茶も出ないの?」
「チッ」と舌打ちをして指をパチンと鳴らすと目の前に湯呑みちゃんが現れ、湯気の立つ温かなお茶が置かれていた。
「うわー、ほんとにお茶が出てきた、凄~い」
その言葉に少し気を良くした神様。
「ふふふ」と自慢気に微笑む。
「だけど……どうせならコーヒーの方が良かったかな~」
「グッ……」と堪えて女神に尋ねる。
「バルガンスは今ようやく好きな人と結ばれ幸せに暮らしておるのだ、なぜそっとしておいてやらんのだ?」
「私も……あなたと同様、あの子が可愛いのです。ですが……あの子の連れ添いはなんとなく気に入りません」
神様が少し慌てる。
「おいおい、フローラちゃん、彼女に焼き餅を焼いているんじゃないだろうな?」
「はあ?私が人間の小娘に焼き餅ですって?はあ?」
少し動揺している女神を可愛らしいと思いながら神様が呟く。
「そういえばあの子は女神にまとわりついて離れなかった時があったな」
女神は思い出すように話す。
「ええ、それは可愛らしい天使でした」
女神が微笑む。神様はその笑顔にドキリと胸が高鳴る。
女神が口を開く。
「あの子はもう私にベタ惚れで……女神様、女神様って後をついてきて……『私は女神様と結婚したいです』なんてよくプロポーズされましたわ、オホホホ……」
神様が口を挟む。
「それは100年前の話であろう?」
「うるさい」
「そんな話はどうでもよい。目的を言え、フローラ」
女神はお茶を飲んで一言。
「あら、美味しい…このお茶」
お茶を褒められ一瞬嬉しそうにする神様だったが、女神の一言でまた表情が険しくなる。
「美味しいけど……コーヒーのほうがよかったかな~」
神様が「パチン!」と指を鳴らすと女神の手には湯のみ茶碗ではなくコヒーカップがあった。
「あら、凄い」
コーヒーを一口飲んでホッとする女神。
「ありがとう、コーヒーに変えてくれて」
微笑む女神にニヤつくのを我慢する神様。
「それでフローラ、目的は何なんだ?」
コーヒーカップをテーブルに置いて女神がゆっくりと話し出す。
「試練を与えてみようかなと思って夜会に招待しました」
「し……試練だって?おい女神よ、バルガンスは愛する人と結ばれるまでにどれほど心を乱したことか……まだバルガンスを悩ませるつもりなのか?」
女神が微笑む。
「私が試練を与えるのは……ヒナシスの方です」
「え?」
「彼女は、天使ちゃんの愛を当たり前のように思っております。天使ちゃんが自分を大切するのが当たり前、優しくするのが当たり前、そして自分を愛するのが当たり前になっています」
神様が女神フローラを見つめる。構わず女神は話し続ける。
「彼女は本当に天使ちゃんを愛しているのかしら?ただ便利だから一緒にいるだけなんじゃないのかしら?」
女神は立ち上がり神様を見下ろし、
「今度の夜会で彼女の愛が本物か確かめさせてもらいますわ」
そういうと女神の姿が消えた。
「スーハースーハー」
女神の残り香を嗅ぐ神様。
はっとして匂いを嗅ぐのを止める神様。
バルガンスがヒナシスの残り香を嗅いでいるのを眺めながら、
「気持ち悪いことするなよ~バルガンス~」
と思っていた事を思い出した神様だった。
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