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第一章
⑤開放と束縛
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グレイスが消えていった天井を見つめながらコールがデビンに声をかけた。
「デビン、もう出てきても大丈夫だ」
その呼びかけにベッドの下から這い出てきたデビン。
「コール、これでもう大丈夫なんだろうな」
「ああ、心配するな。彼女は天国へ行ったよ」
デビンが神妙な顔でコールに話しかける。
「グレイスとの間にそんなことがあったなんて、知らなかったよ。すまない」
「いや、気にするなよ」
「コール、隣に部屋を用意したからそこで朝まで休んで行ってくれ」
「分かった。ありがとう」
コールは隣の部屋に行くとすぐにベッドには行かず、ソファに座った。テーブルの上にはワインセットが置いてあったので、グラスにワインを注ぎ一気に飲み干した。
「大好きだったグレイスに愛の告白が出きたことは良かったが、時すでに遅しだったな……」
翌朝、コールはお土産に、お饅頭を持たされて自宅へ戻って行った。
❖
デビンにとってこの結婚は本当に良かったと思っていた。男爵家を出て伯爵家に婿養子に入る。
「私は三男だから本来は爵位を継ぐことはできなかった。しかしキャサリンのおかげで婿養子になることができた。そして私は次期エバンス伯爵家の後継者だ」
思わず笑みがこぼれるデビン。
結婚式の当日、無事、結婚式は執り行われ、デビンとキャサリンは新婚旅行に出発した。
馬車に揺られてのんびりと旅をする二人。まもなく観光地の港町に着く。この港町で三泊四日の予定で宿泊することになっていた。
キャサリンも今日は朝早く起きたためだろう。馬車に乗った時から眠たそうにしてはいたが、今ではすっかり熟睡していように眠っている。
新妻の横顔を眺め、無防備に眠っているキャサリンが愛おしく感じた。
「私はもう女遊びはやめる。今回のことで本当に身にしみた。私はキャサリンを守って生きていく」
小さな声で呟いていたつもりがしっかりとキャサリンに聞かれていた。キャサリンはゆっくり目を開けるとデビンの顔を見つめて話しかけてきた。
「ねえデビン、今言ったことは本当?」
「なんだ、聞こえていたのか、ああ本当だ」
「信じていいのね、デビン」
「あー、信じてくれ、キャサリン」
「分かった、信じる。……だけど……」
「だけど?」
キャサリンは信じられないほど冷ややかな声色でデビンに言葉をかけた。
「だけどデビン、もしも私を裏切ったらあなたを……」
言葉を止めたキャサリンをデビンが振り向いて見つめた。
「あなたを……どうするんだい?キャサリン」
おどけて言葉をかけたデビン。その喉元に冷たい金属の感触がした。
「デビン……私をもしも裏切ったらあなたを殺すから。その首、このナイフで切り裂くから、絶対に私を裏切らないでね、分かった?デビン」
「……あ、ああ」
デビンは何とか返事をしたが……顔は真っ青になっていた。
「デビン、もう出てきても大丈夫だ」
その呼びかけにベッドの下から這い出てきたデビン。
「コール、これでもう大丈夫なんだろうな」
「ああ、心配するな。彼女は天国へ行ったよ」
デビンが神妙な顔でコールに話しかける。
「グレイスとの間にそんなことがあったなんて、知らなかったよ。すまない」
「いや、気にするなよ」
「コール、隣に部屋を用意したからそこで朝まで休んで行ってくれ」
「分かった。ありがとう」
コールは隣の部屋に行くとすぐにベッドには行かず、ソファに座った。テーブルの上にはワインセットが置いてあったので、グラスにワインを注ぎ一気に飲み干した。
「大好きだったグレイスに愛の告白が出きたことは良かったが、時すでに遅しだったな……」
翌朝、コールはお土産に、お饅頭を持たされて自宅へ戻って行った。
❖
デビンにとってこの結婚は本当に良かったと思っていた。男爵家を出て伯爵家に婿養子に入る。
「私は三男だから本来は爵位を継ぐことはできなかった。しかしキャサリンのおかげで婿養子になることができた。そして私は次期エバンス伯爵家の後継者だ」
思わず笑みがこぼれるデビン。
結婚式の当日、無事、結婚式は執り行われ、デビンとキャサリンは新婚旅行に出発した。
馬車に揺られてのんびりと旅をする二人。まもなく観光地の港町に着く。この港町で三泊四日の予定で宿泊することになっていた。
キャサリンも今日は朝早く起きたためだろう。馬車に乗った時から眠たそうにしてはいたが、今ではすっかり熟睡していように眠っている。
新妻の横顔を眺め、無防備に眠っているキャサリンが愛おしく感じた。
「私はもう女遊びはやめる。今回のことで本当に身にしみた。私はキャサリンを守って生きていく」
小さな声で呟いていたつもりがしっかりとキャサリンに聞かれていた。キャサリンはゆっくり目を開けるとデビンの顔を見つめて話しかけてきた。
「ねえデビン、今言ったことは本当?」
「なんだ、聞こえていたのか、ああ本当だ」
「信じていいのね、デビン」
「あー、信じてくれ、キャサリン」
「分かった、信じる。……だけど……」
「だけど?」
キャサリンは信じられないほど冷ややかな声色でデビンに言葉をかけた。
「だけどデビン、もしも私を裏切ったらあなたを……」
言葉を止めたキャサリンをデビンが振り向いて見つめた。
「あなたを……どうするんだい?キャサリン」
おどけて言葉をかけたデビン。その喉元に冷たい金属の感触がした。
「デビン……私をもしも裏切ったらあなたを殺すから。その首、このナイフで切り裂くから、絶対に私を裏切らないでね、分かった?デビン」
「……あ、ああ」
デビンは何とか返事をしたが……顔は真っ青になっていた。
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