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第二章
⑥運命の出会い
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グレイスの浄霊から三年が経っていた。コールは相変わらず独身のままで恋人もいなかった。
コールは男爵家の後継者ではない。しかし家を出て行くつもりもなかった。部屋住みで兄や両親の目さえ気にしなければ、案外楽しく生きていける、そう思っていた。
だがそれもあと少しのことになる。嫡男の兄パネルが妻を娶ることになったのだ。
人見知りをするコールにとって赤の他人の女性が、我が家に入ってくるのは気持ちが落ち着かない。
それで一人暮らしを始めようかと考えながら街中をぶらついていた。
「家を出たら父上は仕送りをしてくれるだろうか……してくれるわけないか」
「何か仕事を探さなくてはいけないな」
そんなことを考えていると、どこからか女性の悲鳴が聞こえてきた。
「ん?」
道を行く人たちは、誰もその声を気にしていない風だった。とりあえず悲鳴のした方へ歩いてみるコール。
路地裏を覗くと若い女の子が柄の悪そうな男二人に因縁をつけられていた。
どうしようか、このまま見て見ぬふりをするか思案していると、あろうことかその女性がコールに呼びかけた。
「助けて!ここよ!ここ、ここ!」
女性と目が合うコール。必死に助けを求めていた。
「仕方がない。助けてやるか」
男たち二人もコールを認めるとすぐに話しかけてきた。
「なんだお前は!あっち行けこの野郎!」
コールは男たちのドスの効いた声を無視して街中に向かって大きな声で叫んだ。
「警備隊!ここです!ここ!助けてください!早く!」
叫ぶと同時に大きく手を振るコール。
「チッ!」
舌打ちすると男2人は路地を抜けて逃げていった。
女性がすぐにコールに近づいてきた。
「ありがとうございます。警備隊を呼んでくれていたんですね」
女性が通りに出て警備隊を探すがどこにもいなかった。
「あれ?」
不思議そうな顔をしてコールの顔を見る。そして笑った。
「嘘だったんだ!?」
コールが真面目な顔で返事をした。
「自慢じゃないが私は腕っぷしはからっきしでね」
「いいえ、ありがとうございます。助けてくれて」
女性が自己紹介をした。
「私、バトリシア・ライトって言います」
とりあえずコールも自己紹介をした。
「私はコール、コール・ヘルナンデス」
コールはそのまま別れようと「じゃあ」と軽く手を上げて歩き始めたのだが、パトリシアが呼び止めた。
「あの、お礼をしたいので、お茶でもいかがですか?」
振り返ってパトリシアを見るコール。
「いや、気にしないでくれ。それじゃ、これで失礼する」
「コールさん、私、あなたと会うのは初めてじゃない気がするんです」
「え?」
そして、パトリシアは突拍子もなく、突然意味深な言葉をコールに投げかけてきた。
「私、田舎で待ってる人がいたんですけど、待ちきれなくて迎えに来たんです」
パトリシアが優しげな目をしてコールを見つめていた。
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それで一人暮らしを始めようかと考えながら街中をぶらついていた。
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「ん?」
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「チッ!」
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「ありがとうございます。警備隊を呼んでくれていたんですね」
女性が通りに出て警備隊を探すがどこにもいなかった。
「あれ?」
不思議そうな顔をしてコールの顔を見る。そして笑った。
「嘘だったんだ!?」
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「自慢じゃないが私は腕っぷしはからっきしでね」
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振り返ってパトリシアを見るコール。
「いや、気にしないでくれ。それじゃ、これで失礼する」
「コールさん、私、あなたと会うのは初めてじゃない気がするんです」
「え?」
そして、パトリシアは突拍子もなく、突然意味深な言葉をコールに投げかけてきた。
「私、田舎で待ってる人がいたんですけど、待ちきれなくて迎えに来たんです」
パトリシアが優しげな目をしてコールを見つめていた。
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