《完結》ありがとう神様!スキル【リセット】を使って異世界を生き抜きます!

ぜらちん黒糖

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⑤宿屋確保

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センフーがゴロウに聞いた。

「ゴロウ、お前の特技はなんだ?教えてくれ」

「俺のはちょっとだけ時間を巻き戻して、過去に戻れるだけなんだ。それしかないんだけど……」

「ん?と言うことは……なんだか嫌な予感がするぞ?」

「うん、あのとき俺は時間を戻した……センフーの死体が幌を突き破って、落ちて来たから」

「ぎゃーーー!やっぱしかあ」
両手で頭を抱え、落ち込むセンフー。

キュウがセンフーの肩を叩いて言った。

「センフー、女の尻ばかり追いかけてばかりいると命を落とすわよ?」

物静かなトウケイが無表情で、

「もう寝ようぜ……見張りは交替でしよう」

「私、寝なくても平気だから、見張りは私が1人でやるわ」

エルフのフウが言った。

その言葉に甘えて皆眠ることにした。

キュウがゴロウに声をかける。

「ゴロウちゃん、あたしが守ってあげるから、こっちおいでよ」

ゴロウは迷わず返事をした。

「結構です」

朝が来て、朝食抜きで皆を乗せた幌馬車は順調に走り、昼前に王都へ到着した。

ゴロウの心は不安とわくわく感でいっぱいだった。

「ここが王都か」

幌馬車は王都の検問所へゆっくりと入って行った。

御者が門番に身分証を渡した。

門番は確認すると
「よし!通ってよし。次!」

 呼ばれてキュウたち4人が証明書を渡した。

「よし!通っていいぞ……ん?」

中にいた衛兵がオーガの死体に気づく。

キュウが10匹のゴブリンの耳と大将のオーガの死体を衛兵に見せた。

「ゴブリンの死体は道路脇に埋めておいたからな」

センフーが衛兵に伝える。

「わかった」

衛兵はそう返事をすると仲間を呼んで

「オーガの死体だ。あとゴブリンの耳もあるぞ。確認を頼む」

オーガは結構有名なお尋ね者だったらしくて、懸賞金が出るらしい。

キュウが懸賞金は全員で分けようと申し出るが、ゴロウは断った。

ゴロウが門番の前に出て、田舎から出て来たばかりで、身分証は持っていないと伝えると、詰め所に連れていかれて、机の上に置いてある水晶玉に触るように言われた。

ゴロウが触ると水晶玉は青く光った。

「よし!通ってよし」

どうやら青色に光れば合格らしい。

衛兵はゴロウの名前を聞いて、身分証に記入して渡した。

「なくすんじゃないぞ」

「はい」

幌馬車に乗っていた者、全員検問所を通過し、ここで別れることになった。

キュウが「あたしたち、冒険者ギルドの前にあるミナト屋に泊まっているから、なにかあったら訪ねてきてね」

そう言うと4人はこの場を離れて行った。

フウが微笑みながら、

「それじゃ、私も行くわ。またどこかで会うかもしれない。その時はよろしくね」

「はい、その時はこちらこそよろしくお願いします」

立ち去るフウのお尻を、ずっと見ているゴロウだった。

ゴロウは一人になった。

「さてと……まずは宿を探そうかな。が、どこにあるのかがわからん」

ゴロウは周りを見渡して「あ、美味そう」

串焼きの出店に行った。

串焼き1本銅貨2枚と書いてあった。

「串焼きを1本下さい」

「いらっしゃい。はい、どーぞ」

お金を渡して串焼きを受け取る。

しかしこの巾着袋は便利だな。

手をいれれば今必要な分だけ取り出せるんだな。神様凄い。


天使「神様、褒められてますよ?」
神様「ふふん」
天使「あ、喜んでる」  
 
ゴロウはとりあえず自分もミナト屋に泊まろうかなと女性に尋ねる。

「あのう、ミナト屋って言う宿屋の場所わかりますか?」

「あなた冒険者なの?」

「いえ、違います」

「ミナト屋に泊まりたいの?」

「いえ、どこでもいいんだけどね……宿屋ってミナト屋しか名前知らなくて」

「ふーん」

ゴロウをジロジロ見る女性。

「ん?どうかしましたか?」

「うちも部屋貸し、してるんだけど……あなた真面目そうだし、どう?うちの部屋に泊まる?」

「え?いいんですか?」

「一泊銀貨4枚。部屋にはシャワーとトイレ付き。食事はなし。どう?」

「じゃあお願いします」

ゴロウはこの値段が安いのか高いのか分からなかったが泊まることにした。

「前金ね」

「あ、はい」

ゴロウは銀貨を4枚渡した。

「契約成立。今、案内するから待ってて。あ、あなた名前は?」

「ゴロウ・ニシダです」

「あら?あなたお貴族さま?」

「いえ。平民です」

ゴロウは女性の後ろをついて歩いた。

おばさんかと思ったけどまだ若いなあ。

30前後くらいか?

それによく見ると美人かもしれない。


「あ、ここよ」

見るとそこは一階が串焼き屋で、二階が住居兼貸し部屋らしい。

「お母さん、どうしたの?その人は誰?」

店番をしていた15歳くらいの女の子が聞いた。

「今日一泊するお客さんよ。ゴロウ・ニシダさん。これ私の娘のヨリコ、ほらあんたも挨拶!」

「ヨリコです、よろしく。でもお母さんに手を出したら許さないからね!」

「大丈夫だよ、何もしないよ」

笑いながらゴロウが答えた。

「あらやだ!私ったらそんなに魅力ないのかしら?もうおばさんだからね、仕方ないわよね。あはははは」と女将は目尻のシワを両手で伸ばしていた。

ゴロウは心の中で呟いた。

そんなこと全然ないですよ、と。


二階に行くと手前の部屋がゴロウで、奥の部屋が女将さんと娘さんの部屋のようだ。

「ご主人に挨拶しなくてよろしいのですか?」とゴロウが聞くと

「いませんよ。5年前に亡くなりましたから」

一階から娘のヨリコが「お母さん!個人情報無闇に提供するんじゃないの!」

「はいはい。ごめんごめん」

母娘の会話にほっこりするゴロウだった。

部屋はリンダに泊めてもらった山小屋のようだった。

ベッドと大きめのテーブルと背もたれ付きの椅子。

まあ、あそこよりもこっちのほうが大分立派だが。


「うーん。明日宿泊代を3日分だけ払っておこう。あと、仕事探さなくちゃ」

ゴロウは晩御飯用に、串焼きを買いに下へ行った。

「ヨリコちゃん。串焼き5本頂戴」

「はーい。ちょっと待ってね」

「うん」

「今食べるの?」

「うん」

ヨリコはお皿に乗せて渡してくれた。

「ありがとう。はい、銀貨1 枚」

部屋に戻って、今日のゴブリン襲撃を振り返ってみた。

初めてスキルを使ったが、あれは本当に上手くいった。

これからもすぐに使えるように、常に頭にいれておこう。


「さてと、串焼きを食べますか」

ゴロウは串焼きを食べながら

「この肉、なんの肉だろうなあ。美味しけど」


    
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