《完結》悪役令嬢の侍女に転生しました。

ぜらちん黒糖

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⑦未来が動く気配

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「なんですの?これは」

マーガレットの目の前には華やかな大人の世界があるように映った。

店内は薄暗く、しかし明るくもあり、不思議な空間だった。

カウンターバーがあって、中央には踊っている男女が大勢いた。

そしてテーブル席がぐるりと壁沿いに並んでいて、端のほうに小さなステージがあり、そこには楽器を奏でる人たちがいた。

マーガレットが驚いてソジャコッドに尋ねる。

「ねえ、あの踊りはなに?あんな踊り初めて見たわ」

「あれは音楽に合わせて自然に自分の体を動かすんです。貴族の社交パーティで踊るダンスとは違います」

そー言いながらソジャコッドはマーガレットとカタリンを連れて壁際の空いている席に座った。

「私、飲み物を持ってきます。マーガレット様は何にしますか?」

ソジャコッドが尋ねると

「な、なんでもいいですわ。ね、カタリン?」

「はい」

「わかった。じゃ、待ってて」
ソジャコッドがカウンターバーの方へ歩いて行った。

「ねえカタリン、ソジャコッドは、ここ、初めてじゃないわね?」

「ええ、どうやらあいつ、一人でここへ来ていたみたいですね」

ソジャコッドがトレイに飲み物を乗せて戻って来た。

「はい、どうぞ」

ソジャコッドがマーガレットとカタリンに飲み物を渡す。

「ジンジャエールです。どうぞ飲んで下さい。マーガレット様。はい、カタリンも」

マーガレットがちょっと口をつけて飲んでみる。カタリンも飲んでみる。

「美味しいわね、これ」

「あ」

〘炭酸が入ってるじゃないか。この世界にもあるんだな〙

「どう?美味しいでしょ?」
ソジャコッドが嬉しそうに笑う。

二人が頷くとソジャコッドは

「ねえ、私達も踊りましょうよ」

二人の目の前で踊りだすソジャコッド。

〘お、コイツ、様になってるぞ、上手だな〙

マーガレットもソジャコッドの真似をして踊りだした。

〘マーガレット様も中々センスあるな〙

カタリンは一応周りに目を向けて注意を怠らないようにしながらマーガレットの踊りを見ていた。

〘やはり、マーガレット様は変わられた。目の前からマリカとバウナード王太子が消えて未来が変わったせいだろう〙

〘これが本来のマーガレット様なのかも知れない〙

その時、マーガレットの鋭い声がした。

「手を離しなさい。無礼者」

ガラの悪い男がマーガレットの腕を掴んでいた。

慌ててソジャコッドがその男に詰め寄る。

「おい、マーガレット様の手を離せ」

男はニヤリと笑って

「嫌だね」
そう言って詰め寄ってきたソジャコッドを突き飛ばした。

カタリンが男を怒突きに行こうとした時、一人の若い男が仲裁に入る。

「おい、おっさん、その人嫌がってるじゃないか、手を離せよ」

男は若い男を見て

「女の前でカッコいいとこ見せたいのはわかるが、お前、俺にはかなわないと思うぜ」

「そんなもん、やってみなきゃわかんねーだろう?」

あっと言う間に取っ組み合いが始まる。

ソジャコッドがマーガレットをかばうように後ろに下がらせ、二人のケンカを見守る。

そこへ店の用心棒が現れて二人を引き離して、外へ連れ出して行く。

カタリンはマーガレットとソジャコッドを連れて店の外へ出た。

「さあ、マーガレット様、今日はもう帰りましょう」

「そうね」

しかし、マーガレットの足が重い。

店から離れたところでカタリンが

「マーガレット様、ここでお待ち下さい」

「え?」

「さっき、マーガレット様を助けに入ってくれた人が気になるんでしょう?」

頷くマーガレット。

「ソジャコッド、マーガレット様を頼む」

そう言うとカタリンはもう一度店の方へ走って行った。






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