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⑪学園祭(2)
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マーガレットが台本を持ってくるようにと言った1週間後、アヴィスが台本を持って来た。
それを読んだマーガレットが台本を気に入って、その芝居をすることになり、昨日まで猛練習をしていた。
意外なことにマーガレットは芝居が上手で、マーガレットだけじゃなくこの世界の人間は、役者の才能があるとカタリンは思った。
間もなく舞台の幕が上がる。出演者は皆真剣な顔をして幕が上がるのを待っていた・・・。
司会進行役が客席に向かって声を上げる。
「只今より劇団マーガレットが上演いたします。演目は『二人は結ばれる運命にあらず』です。役名と演者名は同一とさせて頂きます」
幕が上がっていく。第1幕。
舞台中央にはマーガレットが立っている。
「私はマーガレット、この国の王女です」
「今日、国王陛下である父上から隣国の王子の元へ嫁ぐように言われました」
「でも私にはお慕いしてる方がいます。私をいつも守ってくれている護衛騎士のユランズなのです」
そこへ護衛騎士のユランズが現れる。
「王女様、縁談の話は本当でございますか?」
「ええ、本当です」
「あと少しでマーガレット様ともお別れになるのですね」
「ユランズ、貴方はそれでいいの?」
「え?」
「私は貴方と別れたくはない」
「マーガレット王女?」
「私は貴方が好きなの」
驚いて後退りをするユランズに詰め寄るマーガレット。
「貴方は私が嫌いなの?」
「・・・」
「なぜ黙っているの?ユランズ」
「お気を確かにマーガレット様」
「私は気が変になんかなっていないわ」
「王女様と私では身分が違います」
「お願い、貴方の私への気持ちを教えてほしいの、答えてユランズ」
「・・・」
「ユランズ、答えてよユランズ」
「お許し下さいマーガレット様」
ユランズはその場から立ち去って行く。
「私はどうして王女なんかに生まれたのかしら?どうしてまだ見ぬ他国の王子と結婚しなければいけないの?」
泣き崩れる、王女。
幕が降りる。
数分後幕が上がる。第二幕。
舞台中央にマーガレットが椅子に座っている。
「この国へ嫁いできてもう3年が経ったわ。時間が過ぎるのはあっと言う間ね」
そこへ夫の王子が現れる。
「マーガレット!マーガレット!」
椅子から立ち上がるマーガレット。
「どうされたのですかアヴィス様」
「大変なことになった。お前の実家のクルーズ王国と戦争になってしまった」
「そんな、どうしてですか?戦争だなんて」
「国境での兵隊共の、ほんの小さないざこざが、大きくなってしまったのだ」
舞台が暗くなり、暫くして明かりがつくと舞台中央にユランズが立っている。
「あと少しで敵の城は落ちる。マーガレット様はご無事なのだろうか?心配だ」
「おお、あれは白旗ではないか」
「敵は降伏した。これで戦争も終わった」
「私も行かなくては」
ユランズが舞台左へ履けていく。
暫くして舞台左からマーガレットとアヴィス王子が逃げて来る。
「アヴィス様大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
その時、鉄砲が放たれる音がしてアヴィスが倒れる。
「アヴィス様しっかりして!」
「アヴィス様!・・・あ、死んでいる」
アヴィスの胸に顔を埋めて泣くマーガレット。
そこへユランズが現れる。
「マーガレット様」
「ユランズ・・・」
「マーガレット様ご無事でしたか。安堵致しました」
「ユランズ、あなた鉄砲を持っているわね」
「・・・」
「あなたが私の夫を殺したのね?」
「・・・」
「私達はただ逃げていただけなのよ。どうして鉄砲を撃ったの?」
「しかし、マーガレット様、これは戦争なのです」
「何が戦争よ。あなたは夫を背中から撃ったじゃない。この卑怯者!」
「マーガレット様・・・」
泣きじゃくるマーガレットにユランズは
「マーガレット様、王国に戻りましょう」
そう言ってマーガレットの腕を引っ張ったが
「離してよ!」
「マーガレット様」
「私は王国へは戻らないわ」
「・・・」
「私は一人で生きていく」
マーガレットはもう一度倒れているアヴィスに抱きつくと、立ち上がり
「もう私を追って来ないで」
「マーガレット様」
マーガレットが舞台右へ履けていく。その姿をじっと見つめるユランズ。
幕が降りていく。
第三幕 幕が上がっていく。
舞台の中央にはマーガレットが立っている。舞台セットは酒場。
「戦争が終わって30年が経ったわ」
「私は苦労をして手に入れたこの店でなんとか日々暮らしている」
「若かったあの頃、私は護衛騎士だったユランズに恋をした」
「あの人と一緒になりたいと願った」
「私と一緒に逃げて欲しかった」
「だけどあの人は、私のことをどう思っているのかも言ってくれなかった」
「そして私の夫アヴィスを殺した」
「アヴィスを思い出そうとするとユランズのことも思い出してしまう」
「あー、嫌になるわ、ほんとに」
「あ、お客さんが来たみたいね」
マーガレットは急いでカウンターに入る。そこへ帽子を深く被った男が店に入って来た。
「いらっしゃい」
男は無言で椅子に座る。
「なんにしますか?」
「ビール」
「ビールね、銅貨2枚ね、前金よ」
男がカウンターに銅貨2枚を置く。
お金を確かめてからビールとグラスを男に差し出す。
ビールをグラスに注いで一気に飲んでグラスを置く男。そしてゆっくりと帽子を取る。
「探したよ、マーガレット」
「あなたは・・・アヴィス!生きていたの?」
マーガレットはカウンターから出て来てアヴィスに抱きつく。
わんわん泣く、マーガレット。
「ユランズが私を助けてくれたんだ」
「え?」
「私に微かに息があることに気づいた彼は、王国の兵隊に見つからないように、彼の自宅まで運んでくれて」
「その後、私を医者に診せてくれて治療を受けさせてくれたんだ」
「でも、彼はあなたを撃ったわ」
「聞いたよ。でも戦争だったんだ。彼からは謝罪をされたよ」
「私は彼を許した」
「・・・」
「マーガレット、私とユランズはずっと君を探していたんだ」
「・・・」
「マーガレット、君を探し出したのは私じゃない。ユランズなんだ」
「え?じゃあ、ユランズも来ているの?」
「いや、彼は先月亡くなったよ」
マーガレットの目から涙がこぼれる。
「彼はこの店に客として来ているんだ」
「そしてマーガレットなのか確かめたあと、戻って来る途中で病気になった」
「私は知らせを聞いて、すぐに彼の元へ駆けつけた」
「そしてここにマーガレットがいることを教えてもらったんだ」
「ユランズはどうして私に声をかけてくれなかったの?」
「自分はマーガレット様に嫌われているからって言っていた」
号泣するマーガレット。
「ユランズはこうも言っていた」
「マーガレット様は年をとってもマーガレット様だった」
「綺麗だったって・・・」
幕がゆっくりと降りて行く。
ソジャコッドもカタリンも泣いていた。マーガレットの熱演に客席からも拍手喝采で、もう一度幕が開いた。
舞台の中央にマーガレット、ユランズ、アヴィスが立って観客に手を振っている。
その観客の中に刺客が一人混じっていた。
「あれがマーガレットか・・・」
それを読んだマーガレットが台本を気に入って、その芝居をすることになり、昨日まで猛練習をしていた。
意外なことにマーガレットは芝居が上手で、マーガレットだけじゃなくこの世界の人間は、役者の才能があるとカタリンは思った。
間もなく舞台の幕が上がる。出演者は皆真剣な顔をして幕が上がるのを待っていた・・・。
司会進行役が客席に向かって声を上げる。
「只今より劇団マーガレットが上演いたします。演目は『二人は結ばれる運命にあらず』です。役名と演者名は同一とさせて頂きます」
幕が上がっていく。第1幕。
舞台中央にはマーガレットが立っている。
「私はマーガレット、この国の王女です」
「今日、国王陛下である父上から隣国の王子の元へ嫁ぐように言われました」
「でも私にはお慕いしてる方がいます。私をいつも守ってくれている護衛騎士のユランズなのです」
そこへ護衛騎士のユランズが現れる。
「王女様、縁談の話は本当でございますか?」
「ええ、本当です」
「あと少しでマーガレット様ともお別れになるのですね」
「ユランズ、貴方はそれでいいの?」
「え?」
「私は貴方と別れたくはない」
「マーガレット王女?」
「私は貴方が好きなの」
驚いて後退りをするユランズに詰め寄るマーガレット。
「貴方は私が嫌いなの?」
「・・・」
「なぜ黙っているの?ユランズ」
「お気を確かにマーガレット様」
「私は気が変になんかなっていないわ」
「王女様と私では身分が違います」
「お願い、貴方の私への気持ちを教えてほしいの、答えてユランズ」
「・・・」
「ユランズ、答えてよユランズ」
「お許し下さいマーガレット様」
ユランズはその場から立ち去って行く。
「私はどうして王女なんかに生まれたのかしら?どうしてまだ見ぬ他国の王子と結婚しなければいけないの?」
泣き崩れる、王女。
幕が降りる。
数分後幕が上がる。第二幕。
舞台中央にマーガレットが椅子に座っている。
「この国へ嫁いできてもう3年が経ったわ。時間が過ぎるのはあっと言う間ね」
そこへ夫の王子が現れる。
「マーガレット!マーガレット!」
椅子から立ち上がるマーガレット。
「どうされたのですかアヴィス様」
「大変なことになった。お前の実家のクルーズ王国と戦争になってしまった」
「そんな、どうしてですか?戦争だなんて」
「国境での兵隊共の、ほんの小さないざこざが、大きくなってしまったのだ」
舞台が暗くなり、暫くして明かりがつくと舞台中央にユランズが立っている。
「あと少しで敵の城は落ちる。マーガレット様はご無事なのだろうか?心配だ」
「おお、あれは白旗ではないか」
「敵は降伏した。これで戦争も終わった」
「私も行かなくては」
ユランズが舞台左へ履けていく。
暫くして舞台左からマーガレットとアヴィス王子が逃げて来る。
「アヴィス様大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
その時、鉄砲が放たれる音がしてアヴィスが倒れる。
「アヴィス様しっかりして!」
「アヴィス様!・・・あ、死んでいる」
アヴィスの胸に顔を埋めて泣くマーガレット。
そこへユランズが現れる。
「マーガレット様」
「ユランズ・・・」
「マーガレット様ご無事でしたか。安堵致しました」
「ユランズ、あなた鉄砲を持っているわね」
「・・・」
「あなたが私の夫を殺したのね?」
「・・・」
「私達はただ逃げていただけなのよ。どうして鉄砲を撃ったの?」
「しかし、マーガレット様、これは戦争なのです」
「何が戦争よ。あなたは夫を背中から撃ったじゃない。この卑怯者!」
「マーガレット様・・・」
泣きじゃくるマーガレットにユランズは
「マーガレット様、王国に戻りましょう」
そう言ってマーガレットの腕を引っ張ったが
「離してよ!」
「マーガレット様」
「私は王国へは戻らないわ」
「・・・」
「私は一人で生きていく」
マーガレットはもう一度倒れているアヴィスに抱きつくと、立ち上がり
「もう私を追って来ないで」
「マーガレット様」
マーガレットが舞台右へ履けていく。その姿をじっと見つめるユランズ。
幕が降りていく。
第三幕 幕が上がっていく。
舞台の中央にはマーガレットが立っている。舞台セットは酒場。
「戦争が終わって30年が経ったわ」
「私は苦労をして手に入れたこの店でなんとか日々暮らしている」
「若かったあの頃、私は護衛騎士だったユランズに恋をした」
「あの人と一緒になりたいと願った」
「私と一緒に逃げて欲しかった」
「だけどあの人は、私のことをどう思っているのかも言ってくれなかった」
「そして私の夫アヴィスを殺した」
「アヴィスを思い出そうとするとユランズのことも思い出してしまう」
「あー、嫌になるわ、ほんとに」
「あ、お客さんが来たみたいね」
マーガレットは急いでカウンターに入る。そこへ帽子を深く被った男が店に入って来た。
「いらっしゃい」
男は無言で椅子に座る。
「なんにしますか?」
「ビール」
「ビールね、銅貨2枚ね、前金よ」
男がカウンターに銅貨2枚を置く。
お金を確かめてからビールとグラスを男に差し出す。
ビールをグラスに注いで一気に飲んでグラスを置く男。そしてゆっくりと帽子を取る。
「探したよ、マーガレット」
「あなたは・・・アヴィス!生きていたの?」
マーガレットはカウンターから出て来てアヴィスに抱きつく。
わんわん泣く、マーガレット。
「ユランズが私を助けてくれたんだ」
「え?」
「私に微かに息があることに気づいた彼は、王国の兵隊に見つからないように、彼の自宅まで運んでくれて」
「その後、私を医者に診せてくれて治療を受けさせてくれたんだ」
「でも、彼はあなたを撃ったわ」
「聞いたよ。でも戦争だったんだ。彼からは謝罪をされたよ」
「私は彼を許した」
「・・・」
「マーガレット、私とユランズはずっと君を探していたんだ」
「・・・」
「マーガレット、君を探し出したのは私じゃない。ユランズなんだ」
「え?じゃあ、ユランズも来ているの?」
「いや、彼は先月亡くなったよ」
マーガレットの目から涙がこぼれる。
「彼はこの店に客として来ているんだ」
「そしてマーガレットなのか確かめたあと、戻って来る途中で病気になった」
「私は知らせを聞いて、すぐに彼の元へ駆けつけた」
「そしてここにマーガレットがいることを教えてもらったんだ」
「ユランズはどうして私に声をかけてくれなかったの?」
「自分はマーガレット様に嫌われているからって言っていた」
号泣するマーガレット。
「ユランズはこうも言っていた」
「マーガレット様は年をとってもマーガレット様だった」
「綺麗だったって・・・」
幕がゆっくりと降りて行く。
ソジャコッドもカタリンも泣いていた。マーガレットの熱演に客席からも拍手喝采で、もう一度幕が開いた。
舞台の中央にマーガレット、ユランズ、アヴィスが立って観客に手を振っている。
その観客の中に刺客が一人混じっていた。
「あれがマーガレットか・・・」
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