94 / 148
第2部2章 草原とヒト
087 帰還
しおりを挟む
冬のキャンプ地は何組かの家畜取引の商人を迎え、少しずつ宣教師たちもなじんでいった。
「私の知り合いは別のキャンプ地で取引してるんですがね、向こうはそこまで歓迎されてないみたいなんですがね」
ソの人たちと並んで、並べられた商品を見物する宣教師のレフテラさんを見ながら商人が言う。
「まぁ、私たちには親切な先達がいましたから」
ブランデーはないですかというサゴさんとともに酒を物色しながらレフテラさんが答えている。
オークの襲撃で村の若者たち数名が重傷を負った時、サチさんだけでは手が足りなくて、宣教師で唯一癒しの力をもつレフテラさんも治療に加わったことがあった。
そのとき、オークとの混血でヒトよりもオークに近い姿かたちをもつ若者を何も言わずに治療して、その後、一緒に酒を飲んでいたりしたことが信用されるきっかけだったらしい。
今ではキャンプの外れに立てられた彼らの小屋にソの若者が集って宣教師たちと酒を酌み交わしていることすらある。
まぁ若者が集まるのは半分くらいは宣教師たちが持っているブランデー目当てでもある。
最初のうちはほいほいと振る舞っていた宣教師たちだが、そのうち、自分たちもウシの乳の酒を要求するようになった。
どちらもなかなかしたたかである。
そして、このゲームのようなたかりあいが宣教師たちをキャンプにさらに溶け込ませているようである。
お互いに酒をたかりあっていくうちに夜のキャンプは大宴会になることがある。
「お前らも混ざれ」
たまにそう言われることがある。
酒にいろいろなものをささげ、酒があれば、コミュニケーション能力が向上するサゴさんは、それほど強くないにも関わらず目と頭頂部を輝かせながら混ざる。
しかし、俺たちはあまり混ざらない。あいつらと飲むのは肝臓に確実に悪そうだし、何より翌朝がつらい。
それでも、連れて行かれることがある。
昨日は牛乗りレオンことチュウジが引っ張っていかれた。奴は何杯か飲まされているうちに酒にのまれたらしく、ウシに乗りながら一気飲みをするというバカな曲芸を披露していたのだそうだ。
そのしばらく後、やつは地面に転げ落ち、奇声を発しながら、酒をあおり、そして倒れたらしい。
「汚いから連れて行って欲しい」
知らせにきたソの若者に「いいかげんにしてくれよ」とぼやきながら、俺は奴とサゴさんを引きずっていったのだった。
砂とウシの毛と糞と自分のゲロで汚くコーティングされた呪いの人形は今、小屋の地面に転がしてある。
人形の横には小屋まで送り届けるのが面倒だったので、ここに転がした皿がひからびたカッパの落ち武者もいる。こちらも同様に汚らしい。
転がしてある呪いの人形は、背が伸びているようだ。毎日、一緒にいると気が付かないものだが、ふとした拍子にこうやって見てみると確実に成長している。
そういえば、鎖かたびらの丈が合わなくなってきたとか言っていた。
一度、街に連れて行ってやらないといけない。
「俺はこいつのママかよ……」
俺はため息をつくと、身支度用の水を求めて外に出る。
サゴさんを飲みくらべ難なくでつぶし、そのままチュウジと「2ケツ」していたヴィレンさんはけろっとしてキャンプの皆に挨拶をしてまわっている。一緒に歩いているベルマンさんは少しきつそうだが、それでも、小屋に転がるアルコールと牛糞の臭いにつつまれた呪物セットに比べるとずいぶんと元気そうだ。
「いいかげんにしてくださいよ。あの汚いブツかついで小屋帰るのもう嫌なんですよ」
俺は抗議する。
「全ては流転するのです。彼らも流転し、様々なものをくっつけ、新たなる姿を得るのです」
ヴィレンさんがおどける。ええ、うちのブツは枯れ草や牛糞とかいろいろなものくっつけて小屋の中に入れるのもはばかられるくらいの「新たな姿」を得ていますわ。
「自分の神様、冗談に使っているとバチあたりますよ」
そういう俺に彼はにやっと笑って返す。
「我らの神にして神々は道化です。笑いが取れれば、神にして神々も本望でしょう」
ふざけた聖職者がいたものだ。いや、ふざけた神様にお似合いというべきだろうか。
ベルマンさんは横でしぶい顔をしている。
「あのね、シカタさん、この者の発言は我々の見解ではありませんからね。我々の信仰に対する真摯な思いをこの者はすぐに誤解させようとする悪癖がある」
俺はわかってますよと相づちをうつ。
あんな人が何人も居ては困る……まぁ、楽しいけれど。
◆◆◆
冬が終わり、夏のキャンプ地へと移動する頃、ベルマンさんが言った。
「私は一度報告に戻らないといけません。すぐに戻ってくる予定なのですが、キャンプは移動するのですよね」
チュオじいさんの東屋には3人の宣教師とチュオじいさん、その孫3人、そして俺たち5人が居る。
けっこうみっちりと詰まっている。
チュオじいさんが「夏のキャンプに来い」と伝える。
どこかで見た光景だ。
「夏のキャンプの場所……わかりませんよね」
「……ええ」
俺たちの会話を聞いていたジョクさんがにやりと笑って言う。
「お前らのウシは今度こそ俺が預かっておいてやろう」
こうして、俺たちはベルマンさんについてカステの街まで行き、復路の案内をすることになったのである。
◆◆◆
ベルマンさんの迎えは商人ではなく、1人の修道騎士が指揮する少人数の隊だった。
立派な全身鎧を身に着けた騎士に付き従う騎馬の従者が1名、そして歩兵が4名の合計6名と軍馬2、荷馬1のウマ3頭。
ベルマンさんも騎乗している。
俺たちは荷馬2頭に、ウシ3頭、5名。全員が徒歩である。
ウシは2頭ニクルさんに売って、それで買い物をしようということになっている。
「カステに行くのも1年ぶりか……」
「チュウジくんが大きくなっちゃったね」
ミカが言う。
彼女よりちょっと大きかったぐらいのチュウジはいつの間にかサチさんくらいの背の高さになっている。
もちろん、それでも無茶苦茶に大きい訳ではないが、サチさんは不満そうだ。
「最近、頭を撫でさせてくれないんですよ。撫でようとすると胸を張って頭を上げるんです」
「反抗期か、それとも頭のてっぺんが実は薄くなってきているとか」
ミカが俺に頭を下げるようにとハンドサインを送ってくる。
膝を曲げた俺の頭にジャンピングチョップを決めてから言う。
「そういえば、シカタくん、大きくならないね」
多分、成長期過ぎたんだよ。
もう19、そのうち二十歳超えちゃうんだぜ。
「あたしも成長期止まっちゃったみたいだから、これ以上大きくなられても困るし良かったかも」
だよね。
途中で別のキャンプに寄る。
そうベルマンさんから告げられる。
ソのキャンプ地はいくつかある。
俺にはよくわかっていないが、どうも氏族ごとにいくつかのキャンプがあるらしい。
ソというだけで神話伝説レベルの共通の祖先しかいないらしい。もはや近くのオークのほうが血縁的には濃さそうなレベルであるが、それでもたまに交流はするし、ソ同士として争うこともないらしい。
これから向かうキャンプ地は2番めに大きい氏族(ちなみに俺たちがいるロウというキャンプが一番大きいらしい)で そこにも宣教師が入っているのだそうだ。
「彼らもベルマンさんたちみたいにとどまれって言われて、困ってたりして」
ミカがにこにこして言う。
「困ったりはしていないですよ。誇らしいぐらいです」
ベルマンさんもにこにこしながら答える。
◆◆◆
夕暮れ時にたどり着いたラク氏族のキャンプ地は物々しかった。
オークとの戦いを控えているのかと思ったくらいだ。
人々はソ様式ではない小屋、つまり宣教師が滞在しているであろう小屋を囲んでいる。
「何が起こっているのです?」
ベルマンさんが小屋を包囲する怒気をはらんだ人の1人にたずねようとする。
しかし、彼らはすでに興奮しきっていて、口々に叫びながら、ベルマンさんを小屋の前に連れて行く。
「あいつらが子どもを連れて行くと言い出した」
「せっかく取り戻した子どもを連れて行くと言い出した」
「我々の教えを無視し、我々の決まりを無視し、我々の子どもを奪おうとしている」
「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」
興奮するソの老若男女を前にして、ベルマンさんは説得を試みようとする。
俺たちは動くことができない。
「何をしているのです? ベルマン師? はやくこちらに!」
修道騎士が叫ぶ。
彼の命令で徒歩の護衛が2人、剣を抜いて威嚇しながら、囲まれたベルマンさんを「救出」しようとする。
不幸なことに「威嚇」のためには、この場の人口密度は高すぎた。
オークの血が濃く出ているであろう少年の耳をざっくりと切ってしまう。
2人の護衛はベルマンさんとともに群衆に飲み込まれる。
眼の前で繰り広げられる悪夢に俺たちはなすすべもなかった。
巻き込まれないようにするだけで精一杯だった。
修道騎士が騎馬で突撃して、群衆をなぎはらい宣教師の1人を助け出し、そのまま他の者には目もくれず駆け去っていった。
一緒に突撃した従士は馬から引きずり下ろされて、群衆に踏み潰された。
恐れをなして逃げる歩兵と逃げ遅れた宣教師2人もすぐにそのあとを追った。
人々は宣教師の小屋に火をかけた。
ようやく興奮が静まった頃、もはや何も語ることのできなくなったベルマンさんに再会した。
「彼はロウの一員だ」
チュウジが氏族の名前を出して宣言しなければ、遺体はひどい扱いを受けていたであろう。
俺たちは事情を説明するために、ラクの青年とともに俺たちのキャンプへと戻ることになった。
◆◆◆
「ああ、なんてことだ……」
ベルマンさんの遺体とともにあまりにも早い帰還を果たした俺たちをみて、チュオじいさんは杖を取り落とした。
「私の知り合いは別のキャンプ地で取引してるんですがね、向こうはそこまで歓迎されてないみたいなんですがね」
ソの人たちと並んで、並べられた商品を見物する宣教師のレフテラさんを見ながら商人が言う。
「まぁ、私たちには親切な先達がいましたから」
ブランデーはないですかというサゴさんとともに酒を物色しながらレフテラさんが答えている。
オークの襲撃で村の若者たち数名が重傷を負った時、サチさんだけでは手が足りなくて、宣教師で唯一癒しの力をもつレフテラさんも治療に加わったことがあった。
そのとき、オークとの混血でヒトよりもオークに近い姿かたちをもつ若者を何も言わずに治療して、その後、一緒に酒を飲んでいたりしたことが信用されるきっかけだったらしい。
今ではキャンプの外れに立てられた彼らの小屋にソの若者が集って宣教師たちと酒を酌み交わしていることすらある。
まぁ若者が集まるのは半分くらいは宣教師たちが持っているブランデー目当てでもある。
最初のうちはほいほいと振る舞っていた宣教師たちだが、そのうち、自分たちもウシの乳の酒を要求するようになった。
どちらもなかなかしたたかである。
そして、このゲームのようなたかりあいが宣教師たちをキャンプにさらに溶け込ませているようである。
お互いに酒をたかりあっていくうちに夜のキャンプは大宴会になることがある。
「お前らも混ざれ」
たまにそう言われることがある。
酒にいろいろなものをささげ、酒があれば、コミュニケーション能力が向上するサゴさんは、それほど強くないにも関わらず目と頭頂部を輝かせながら混ざる。
しかし、俺たちはあまり混ざらない。あいつらと飲むのは肝臓に確実に悪そうだし、何より翌朝がつらい。
それでも、連れて行かれることがある。
昨日は牛乗りレオンことチュウジが引っ張っていかれた。奴は何杯か飲まされているうちに酒にのまれたらしく、ウシに乗りながら一気飲みをするというバカな曲芸を披露していたのだそうだ。
そのしばらく後、やつは地面に転げ落ち、奇声を発しながら、酒をあおり、そして倒れたらしい。
「汚いから連れて行って欲しい」
知らせにきたソの若者に「いいかげんにしてくれよ」とぼやきながら、俺は奴とサゴさんを引きずっていったのだった。
砂とウシの毛と糞と自分のゲロで汚くコーティングされた呪いの人形は今、小屋の地面に転がしてある。
人形の横には小屋まで送り届けるのが面倒だったので、ここに転がした皿がひからびたカッパの落ち武者もいる。こちらも同様に汚らしい。
転がしてある呪いの人形は、背が伸びているようだ。毎日、一緒にいると気が付かないものだが、ふとした拍子にこうやって見てみると確実に成長している。
そういえば、鎖かたびらの丈が合わなくなってきたとか言っていた。
一度、街に連れて行ってやらないといけない。
「俺はこいつのママかよ……」
俺はため息をつくと、身支度用の水を求めて外に出る。
サゴさんを飲みくらべ難なくでつぶし、そのままチュウジと「2ケツ」していたヴィレンさんはけろっとしてキャンプの皆に挨拶をしてまわっている。一緒に歩いているベルマンさんは少しきつそうだが、それでも、小屋に転がるアルコールと牛糞の臭いにつつまれた呪物セットに比べるとずいぶんと元気そうだ。
「いいかげんにしてくださいよ。あの汚いブツかついで小屋帰るのもう嫌なんですよ」
俺は抗議する。
「全ては流転するのです。彼らも流転し、様々なものをくっつけ、新たなる姿を得るのです」
ヴィレンさんがおどける。ええ、うちのブツは枯れ草や牛糞とかいろいろなものくっつけて小屋の中に入れるのもはばかられるくらいの「新たな姿」を得ていますわ。
「自分の神様、冗談に使っているとバチあたりますよ」
そういう俺に彼はにやっと笑って返す。
「我らの神にして神々は道化です。笑いが取れれば、神にして神々も本望でしょう」
ふざけた聖職者がいたものだ。いや、ふざけた神様にお似合いというべきだろうか。
ベルマンさんは横でしぶい顔をしている。
「あのね、シカタさん、この者の発言は我々の見解ではありませんからね。我々の信仰に対する真摯な思いをこの者はすぐに誤解させようとする悪癖がある」
俺はわかってますよと相づちをうつ。
あんな人が何人も居ては困る……まぁ、楽しいけれど。
◆◆◆
冬が終わり、夏のキャンプ地へと移動する頃、ベルマンさんが言った。
「私は一度報告に戻らないといけません。すぐに戻ってくる予定なのですが、キャンプは移動するのですよね」
チュオじいさんの東屋には3人の宣教師とチュオじいさん、その孫3人、そして俺たち5人が居る。
けっこうみっちりと詰まっている。
チュオじいさんが「夏のキャンプに来い」と伝える。
どこかで見た光景だ。
「夏のキャンプの場所……わかりませんよね」
「……ええ」
俺たちの会話を聞いていたジョクさんがにやりと笑って言う。
「お前らのウシは今度こそ俺が預かっておいてやろう」
こうして、俺たちはベルマンさんについてカステの街まで行き、復路の案内をすることになったのである。
◆◆◆
ベルマンさんの迎えは商人ではなく、1人の修道騎士が指揮する少人数の隊だった。
立派な全身鎧を身に着けた騎士に付き従う騎馬の従者が1名、そして歩兵が4名の合計6名と軍馬2、荷馬1のウマ3頭。
ベルマンさんも騎乗している。
俺たちは荷馬2頭に、ウシ3頭、5名。全員が徒歩である。
ウシは2頭ニクルさんに売って、それで買い物をしようということになっている。
「カステに行くのも1年ぶりか……」
「チュウジくんが大きくなっちゃったね」
ミカが言う。
彼女よりちょっと大きかったぐらいのチュウジはいつの間にかサチさんくらいの背の高さになっている。
もちろん、それでも無茶苦茶に大きい訳ではないが、サチさんは不満そうだ。
「最近、頭を撫でさせてくれないんですよ。撫でようとすると胸を張って頭を上げるんです」
「反抗期か、それとも頭のてっぺんが実は薄くなってきているとか」
ミカが俺に頭を下げるようにとハンドサインを送ってくる。
膝を曲げた俺の頭にジャンピングチョップを決めてから言う。
「そういえば、シカタくん、大きくならないね」
多分、成長期過ぎたんだよ。
もう19、そのうち二十歳超えちゃうんだぜ。
「あたしも成長期止まっちゃったみたいだから、これ以上大きくなられても困るし良かったかも」
だよね。
途中で別のキャンプに寄る。
そうベルマンさんから告げられる。
ソのキャンプ地はいくつかある。
俺にはよくわかっていないが、どうも氏族ごとにいくつかのキャンプがあるらしい。
ソというだけで神話伝説レベルの共通の祖先しかいないらしい。もはや近くのオークのほうが血縁的には濃さそうなレベルであるが、それでもたまに交流はするし、ソ同士として争うこともないらしい。
これから向かうキャンプ地は2番めに大きい氏族(ちなみに俺たちがいるロウというキャンプが一番大きいらしい)で そこにも宣教師が入っているのだそうだ。
「彼らもベルマンさんたちみたいにとどまれって言われて、困ってたりして」
ミカがにこにこして言う。
「困ったりはしていないですよ。誇らしいぐらいです」
ベルマンさんもにこにこしながら答える。
◆◆◆
夕暮れ時にたどり着いたラク氏族のキャンプ地は物々しかった。
オークとの戦いを控えているのかと思ったくらいだ。
人々はソ様式ではない小屋、つまり宣教師が滞在しているであろう小屋を囲んでいる。
「何が起こっているのです?」
ベルマンさんが小屋を包囲する怒気をはらんだ人の1人にたずねようとする。
しかし、彼らはすでに興奮しきっていて、口々に叫びながら、ベルマンさんを小屋の前に連れて行く。
「あいつらが子どもを連れて行くと言い出した」
「せっかく取り戻した子どもを連れて行くと言い出した」
「我々の教えを無視し、我々の決まりを無視し、我々の子どもを奪おうとしている」
「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」
興奮するソの老若男女を前にして、ベルマンさんは説得を試みようとする。
俺たちは動くことができない。
「何をしているのです? ベルマン師? はやくこちらに!」
修道騎士が叫ぶ。
彼の命令で徒歩の護衛が2人、剣を抜いて威嚇しながら、囲まれたベルマンさんを「救出」しようとする。
不幸なことに「威嚇」のためには、この場の人口密度は高すぎた。
オークの血が濃く出ているであろう少年の耳をざっくりと切ってしまう。
2人の護衛はベルマンさんとともに群衆に飲み込まれる。
眼の前で繰り広げられる悪夢に俺たちはなすすべもなかった。
巻き込まれないようにするだけで精一杯だった。
修道騎士が騎馬で突撃して、群衆をなぎはらい宣教師の1人を助け出し、そのまま他の者には目もくれず駆け去っていった。
一緒に突撃した従士は馬から引きずり下ろされて、群衆に踏み潰された。
恐れをなして逃げる歩兵と逃げ遅れた宣教師2人もすぐにそのあとを追った。
人々は宣教師の小屋に火をかけた。
ようやく興奮が静まった頃、もはや何も語ることのできなくなったベルマンさんに再会した。
「彼はロウの一員だ」
チュウジが氏族の名前を出して宣言しなければ、遺体はひどい扱いを受けていたであろう。
俺たちは事情を説明するために、ラクの青年とともに俺たちのキャンプへと戻ることになった。
◆◆◆
「ああ、なんてことだ……」
ベルマンさんの遺体とともにあまりにも早い帰還を果たした俺たちをみて、チュオじいさんは杖を取り落とした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる