ワガママで意地悪で、どうしようもなく純愛。

亜衣藍

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ワガママで意地悪で、どうしようもなく純愛。

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 それこそ、達実の雄芯から零れるカウパーを潤滑油に活用しながら。

 二点を同時に刺激され、達実はもう声が出ない。

 そして采もまた、口と両手を駆使して達実へと淫伎をほどこしているので、何かを喋る余裕はない。

「――っ! 」

 ガクンと大きく仰け反ると、達実はとうとう耐え切れずに、采の口内へと白蜜を迸らせた。

 采はそれをゴクンと飲み下し、弛緩した体を優しく丁寧に……だが、確固たる意思を以って愛し合う場所を拡げていく。

 蕩ける程の愛撫を全身に注ぎながら、ゆっくりと時間を掛けて。

――――やがて、一本だけの指をようやく呑み込んでいたそこは、いつの間にか三本もの指を受け入れるまで解れていた。

「あ……采……僕、もう……」

 発情した熱い息を吐きながら、達実はエロスの神のように、情欲を滴らせた瞳で采を見つめる。

「――来て」

「ああ! 」

 機は熟した。

 采は、達実を傷付けないように細心の注意を払いながら、ゆっくりと押し入る。

 本音を言えば、一気に貫いて遮二無二ここを突き上げたい。

 グジュグジュになった後孔から、注ぎ入れた汁が零れ出し、そこら中をドロドロに濡らすまで犯したい。

――――考えてみなくても、采は今までそうやってオメガを抱いてきた。

 オメガ特有の発情に自我を蝕まれた彼らは、嬌声を上げながら、躰をグズグズに溶かし歓喜して采のオスを受け入れ味わっていた。

 だが、達実は彼らとは違う。

 この無垢な躰は、無理を強いたら必ず傷がつく。

 心にも、身体にも。

――――そんなのはゴメンだ! 

 愛し合う行為とは、本当に素晴らしいものなのだということを教えてやりたい。

 だから采は……獣性を剥き出しにして、暴れようとするアルファの本能を押さえ込みながら、只々、愛しい達実の為だけに緩やかに腰を進めた。

「あ、あ、あぁ――」

「うっ……さすがに、キツキツだな……」

 だが、やはりこの身体は極上だ。

 きついのに、逆に吸い込むような動きもみせて、采の男を締め上げる。

(おいおい……これは、オレの方が先に負けそうだぞ)

 我慢するのも限界だ。

 采は全身から汗を滴らせながら、それでも何とか暴発するのだけは耐えようとする。

 だが、互いの腹の間に挟まれて、揉まれていた達実の雄芯がヒクリと震え、達実が『い、くぅ……』と媚態を見せた事で、その我慢も限界に達した。

「くっ! 」

「あうっ!! 」

 熱い奔流が達実の後孔内を逆流し、その刺激に彼もまた白濁を迸らせた。

 采はゆっくりと身体を引いて、蠕動を繰り返す蕾から自身を抜こうとするが――。

「まだ……出ちゃあダメだ」

 そう、荒い呼吸の間から達実が言う。

「ア、アルファは……」

――ハァハァ……。

「アルファは、並大抵の性欲じゃないんだろう? 」

「? 」

「だったら、このまま抜かないで第二ラウンドと行こうじゃないか」

 綺麗な顔を、生意気な小悪魔のような淫蕩の色に染めて、達実は微笑む。

「それとも、やっぱりオジサンは体力0になったかな? 」

「――ぬかせっ! 」

 達実の挑発に、采は意識して乗った。

 こんな、可愛くて小憎らしい扇動に乗ってやらないようでは、男じゃない。

 采は不敵に笑い、達実の細腰を両手でしっかりとキープする。

「お前のタンクが空になるまで、何ラウンドだろうと付き合ってやる」

「あはっ……そんなこと言って、先にダウンしたら格好悪いよ? 」

「いや、まだまだ。若造には負けんさ」

 二人は間近で互いに挑発を繰り返すと、次に幸福そうに微笑んだのだった。

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