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最終章
最終章-14
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暴力団は反社会的勢力と名を変え、全国的に排除の動きが強まっており、北九州を牛耳っていた最大勢力の暴力団も、そのトップに死刑判決が下されるなど昔は考えられない事態になっていた。
故に、青菱など、広義を盾にさえすれば、もはや恐るるに足らずと大胆にも関川は考えているらしい。
ましてや、昭和と違い、今はコンプライアンスが命取りになる時代だ。
聖がカタギを名乗ろうとも、反社との黒い噂があるだけで、何処のスポンサーも寄り付かないだろう。
そこを上手く突けさえすれば、甘い汁が吸い放題に違いない。
関川はそんな絵図を描いて、密かに手を回している事を、多生は知った。
咲夜に惨めな死をもたらした上に、今度は聖までを毒牙に掛けようとしているなど許せない!
関川は、これ以上生きていてはいけない外道だと、怒りと同時に抑えきれぬほどの殺意が湧いた。
――――自分の命が尽きる前に、関川を道連れにすると決意したのだ。
では、その関川はどういう容姿の男なのだろうと、更に調べたのだが……。
関川は至る所で多くの恨みを買っており、その為、何度も整形で顔を変えている事を知った。
顔が分からないのっぺらぼうでは、始末するなど不可能だ。
「そこでオレは……行き詰って、昔の仲間を訪ねたんだが――」
多生が頼った昔の仲間は『あいつの今の顔なら知っている』と、快く応じてくれた。
写真は無いが、ヤツの行きつけの店と、特徴なら知っていると丁寧に教えてくれたのだ。
『あいつは右腕に派手なグッチの腕時計をしているから、それが目印だ。お前に問い詰められたら偽名を名乗って別人のフリをするだろうが、それは言い逃れるためのいつもの手だから絶対騙されるなよ』
そう、親切に忠告までしてくれた。
多生はその言葉を信じて、凶行に及んだが。
「まさか、その相手が別人だったとはな……昔の仲間だと信じて、その言葉を疑いもしなかったオレが大馬鹿だった……」
苦く笑い、多生はゆっくりと息をつく。
「金も底をつき、身体の方も動かなくなってきたオレは……とうとう聖を頼る事にした」
故に、青菱など、広義を盾にさえすれば、もはや恐るるに足らずと大胆にも関川は考えているらしい。
ましてや、昭和と違い、今はコンプライアンスが命取りになる時代だ。
聖がカタギを名乗ろうとも、反社との黒い噂があるだけで、何処のスポンサーも寄り付かないだろう。
そこを上手く突けさえすれば、甘い汁が吸い放題に違いない。
関川はそんな絵図を描いて、密かに手を回している事を、多生は知った。
咲夜に惨めな死をもたらした上に、今度は聖までを毒牙に掛けようとしているなど許せない!
関川は、これ以上生きていてはいけない外道だと、怒りと同時に抑えきれぬほどの殺意が湧いた。
――――自分の命が尽きる前に、関川を道連れにすると決意したのだ。
では、その関川はどういう容姿の男なのだろうと、更に調べたのだが……。
関川は至る所で多くの恨みを買っており、その為、何度も整形で顔を変えている事を知った。
顔が分からないのっぺらぼうでは、始末するなど不可能だ。
「そこでオレは……行き詰って、昔の仲間を訪ねたんだが――」
多生が頼った昔の仲間は『あいつの今の顔なら知っている』と、快く応じてくれた。
写真は無いが、ヤツの行きつけの店と、特徴なら知っていると丁寧に教えてくれたのだ。
『あいつは右腕に派手なグッチの腕時計をしているから、それが目印だ。お前に問い詰められたら偽名を名乗って別人のフリをするだろうが、それは言い逃れるためのいつもの手だから絶対騙されるなよ』
そう、親切に忠告までしてくれた。
多生はその言葉を信じて、凶行に及んだが。
「まさか、その相手が別人だったとはな……昔の仲間だと信じて、その言葉を疑いもしなかったオレが大馬鹿だった……」
苦く笑い、多生はゆっくりと息をつく。
「金も底をつき、身体の方も動かなくなってきたオレは……とうとう聖を頼る事にした」
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