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「君は、青菱史郎に愛されているんだね。極道をコケにされた怒りも勿論あるだろうが、それ以上に彼は奴等が君を傷つけたのが許せないようだ。でも彼は、君にその想いを伝える方法を根本的に間違えているんだろう」
「は? 愛――? 」
「そう、愛だよ」
綾瀬はそこで口調を変えると、疲れたように笑った。
「まったく困ったもんだよ。オレにはそういう妄執ってヤツは解かんねぇよ」
「――」
「オレにもね、綺麗で可愛い婚約者がいたのさ。心底彼女に惚れたと思って、結婚を申し込んだけど――それも本当はどうなんだか」
クスリと皮肉に言い、綾瀬は、聖を哀し気に見る。
「彼女はね、ずっと不安で、不満だったらしい。オレの愛が本物かどうか正体が見えずに悩んでいたようだ。そして、オレには幼馴染の親友がいてね――――そいつは、昔からずっとオレの事が好きだったようだ」
◇
達郎の姉は、生前に彼が書き残してた手紙を、綾瀬に渡して寄こした。
そこには、達郎の秘めた想いが、切々と書かれていた。
学生時代から何をやらせても要領よくこなし、スマートに華麗に、常にトップを掻っ攫う綾瀬に、達郎は何とか食らいついて行こうと、血の滲む様な努力をしていたようだ。
しかし悔しいのは、綾瀬は特に苦労も努力もしていないし、第一何より、無欲だった。
彼にとっては、一番だとかトップだとかはどうでもよく、ただ単に、興味があるか面白そうかという判断だけで行動した結果が、たまたまトップに繋がっただけだった。
それが尚更、達郎を追い詰めて行ったようだ。
綾瀬の隣に居たい。
ずっと、隣に寄り添いたい。
でも、それに相応しいようにいられる為には、ただの秀才であった達郎には、辛く過酷な努力が必要だった。
綾瀬は――無欲な天才だったから。
そこに、花蓮が重なった。
「は? 愛――? 」
「そう、愛だよ」
綾瀬はそこで口調を変えると、疲れたように笑った。
「まったく困ったもんだよ。オレにはそういう妄執ってヤツは解かんねぇよ」
「――」
「オレにもね、綺麗で可愛い婚約者がいたのさ。心底彼女に惚れたと思って、結婚を申し込んだけど――それも本当はどうなんだか」
クスリと皮肉に言い、綾瀬は、聖を哀し気に見る。
「彼女はね、ずっと不安で、不満だったらしい。オレの愛が本物かどうか正体が見えずに悩んでいたようだ。そして、オレには幼馴染の親友がいてね――――そいつは、昔からずっとオレの事が好きだったようだ」
◇
達郎の姉は、生前に彼が書き残してた手紙を、綾瀬に渡して寄こした。
そこには、達郎の秘めた想いが、切々と書かれていた。
学生時代から何をやらせても要領よくこなし、スマートに華麗に、常にトップを掻っ攫う綾瀬に、達郎は何とか食らいついて行こうと、血の滲む様な努力をしていたようだ。
しかし悔しいのは、綾瀬は特に苦労も努力もしていないし、第一何より、無欲だった。
彼にとっては、一番だとかトップだとかはどうでもよく、ただ単に、興味があるか面白そうかという判断だけで行動した結果が、たまたまトップに繋がっただけだった。
それが尚更、達郎を追い詰めて行ったようだ。
綾瀬の隣に居たい。
ずっと、隣に寄り添いたい。
でも、それに相応しいようにいられる為には、ただの秀才であった達郎には、辛く過酷な努力が必要だった。
綾瀬は――無欲な天才だったから。
そこに、花蓮が重なった。
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