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動揺する奏に、栄太は尚も畳みかけるように言い募る。
「本当だ。あいつ本人が言ったんだ! 突っ込んだが、お前の中では出さなかったと。だから、その子の父親はオレなんだよ」
異様に目を輝かせながら、栄太は顔に喜色を浮かべる。
「間違いなく、オレが父親だ! 」
「――」
これに、奏は何と言えばいいのか分からず、よろよろとソファーへ頽れた。
(それじゃあ……正嘉さまは、いったい何を考えて僕にあんな事を言ったんだ? )
真意が分からない。
正嘉は、奏が栄太の子を身籠った事を知りながら、それでも愛していると言った……それで正解なのだろうか?
それとも、子供の養育に関しては最初から頭になく、いずれは養子に出そうとして栄太に話を振ったのだろうか?
奏自身が、妊娠したという実感がまだ薄いために、我が子に対する愛情をどう量ればいいのか戸惑っている現状であるが――――だが、自分の手で育てずに子供を養子に出そうなんて、考えてもいないのは本当だ。
元々奏は『番』よりも、我が身に宿った命の方を拠り所にして生きて行こうと思っていたのだから。
しかし、愛も恋も今となっては面倒なだけと言いながら、正嘉は正直に告白したのだ。
『オレは――――どうやら、お前を愛しているらしい』
あのセリフには、嘘など微塵も感じなかった。
彼はいつも、本当の事しか言わない。
だから、奏の胸に響いたのだが。
「それじゃあ栄太さんは……これからどうするつもりなんですか? 」
正嘉もそうだが、栄太の真意も分かり兼ねる。あれだけハッキリと、奏を見限ったというのに。
――――奏をアメリカに逃がして、それからどうしようというのだ?
すると栄太は、誇らしげに自分の計画を話した。
「奏はそのまま、アメリカで出産すればいいんだ。日本の法律外なんだから、正嘉にはお前の行動を束縛する権利は無い。当然、親権だって正嘉は失う。『番』だろうと関係ない。何と言っても、本物の父親がここにいるんだからな」
「――それから? 」
「オレと結婚しよう」
「…………それはもう、無理です……」
一度別れを告げられて、彼に対する気持ちは切れた。
あの時、法律がどうしたと言わずに、奏と何がなんでも添い遂げると言って欲しかったのに。
……だが栄太は、会社の存続を取ったのだ。
彼が自分の事を好きだと言ってくれたから、自分も同じように好きになろうと死に物狂いで努力したのであるが、その肝心の相手が背を向けて去って行ったのだ。
今となっては、もう、幾ら弁解されたとしても復縁する事はあり得ない。
「僕はもう、あなたの事を……前と同じようには愛せないです」
「それじゃあ、あいつの方が本当に良いって言うのか!? 」
「それは――」
やはり正嘉の真意が掴みきれず、迷う心がある。
子供は正嘉との子だと思っていたから、奏はすんなりと納得したのであるが……正嘉の方は、いったい何をどう考えているのだろうか?
栄太の子でも構わずに、愛してくれるのだろうか……?
今一度、問い質す必要がある。
(正嘉さま……あなたは、もしかして……)
奏の中で、ある真理が閃いた。
だが、まだ確証はない。
押し黙る奏に、焦れたように栄太は詰め寄った。
「なら子供は、オレが日本で責任を持って育てよう。奏はアメリカで好きなだけ研究に打ち込めばいいんだ。そして都合のいい時に、子供に会いに来ればいい」
「え? 」
「何を考えているのか解らんあいつなんかに、大切なオレたちの子供を任せられるワケがないだろう。
そのセリフに、奏は眉をひそめる。
「それじゃあ栄太さんは、アメリカには来ないんですか? 」
「本当だ。あいつ本人が言ったんだ! 突っ込んだが、お前の中では出さなかったと。だから、その子の父親はオレなんだよ」
異様に目を輝かせながら、栄太は顔に喜色を浮かべる。
「間違いなく、オレが父親だ! 」
「――」
これに、奏は何と言えばいいのか分からず、よろよろとソファーへ頽れた。
(それじゃあ……正嘉さまは、いったい何を考えて僕にあんな事を言ったんだ? )
真意が分からない。
正嘉は、奏が栄太の子を身籠った事を知りながら、それでも愛していると言った……それで正解なのだろうか?
それとも、子供の養育に関しては最初から頭になく、いずれは養子に出そうとして栄太に話を振ったのだろうか?
奏自身が、妊娠したという実感がまだ薄いために、我が子に対する愛情をどう量ればいいのか戸惑っている現状であるが――――だが、自分の手で育てずに子供を養子に出そうなんて、考えてもいないのは本当だ。
元々奏は『番』よりも、我が身に宿った命の方を拠り所にして生きて行こうと思っていたのだから。
しかし、愛も恋も今となっては面倒なだけと言いながら、正嘉は正直に告白したのだ。
『オレは――――どうやら、お前を愛しているらしい』
あのセリフには、嘘など微塵も感じなかった。
彼はいつも、本当の事しか言わない。
だから、奏の胸に響いたのだが。
「それじゃあ栄太さんは……これからどうするつもりなんですか? 」
正嘉もそうだが、栄太の真意も分かり兼ねる。あれだけハッキリと、奏を見限ったというのに。
――――奏をアメリカに逃がして、それからどうしようというのだ?
すると栄太は、誇らしげに自分の計画を話した。
「奏はそのまま、アメリカで出産すればいいんだ。日本の法律外なんだから、正嘉にはお前の行動を束縛する権利は無い。当然、親権だって正嘉は失う。『番』だろうと関係ない。何と言っても、本物の父親がここにいるんだからな」
「――それから? 」
「オレと結婚しよう」
「…………それはもう、無理です……」
一度別れを告げられて、彼に対する気持ちは切れた。
あの時、法律がどうしたと言わずに、奏と何がなんでも添い遂げると言って欲しかったのに。
……だが栄太は、会社の存続を取ったのだ。
彼が自分の事を好きだと言ってくれたから、自分も同じように好きになろうと死に物狂いで努力したのであるが、その肝心の相手が背を向けて去って行ったのだ。
今となっては、もう、幾ら弁解されたとしても復縁する事はあり得ない。
「僕はもう、あなたの事を……前と同じようには愛せないです」
「それじゃあ、あいつの方が本当に良いって言うのか!? 」
「それは――」
やはり正嘉の真意が掴みきれず、迷う心がある。
子供は正嘉との子だと思っていたから、奏はすんなりと納得したのであるが……正嘉の方は、いったい何をどう考えているのだろうか?
栄太の子でも構わずに、愛してくれるのだろうか……?
今一度、問い質す必要がある。
(正嘉さま……あなたは、もしかして……)
奏の中で、ある真理が閃いた。
だが、まだ確証はない。
押し黙る奏に、焦れたように栄太は詰め寄った。
「なら子供は、オレが日本で責任を持って育てよう。奏はアメリカで好きなだけ研究に打ち込めばいいんだ。そして都合のいい時に、子供に会いに来ればいい」
「え? 」
「何を考えているのか解らんあいつなんかに、大切なオレたちの子供を任せられるワケがないだろう。
そのセリフに、奏は眉をひそめる。
「それじゃあ栄太さんは、アメリカには来ないんですか? 」
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