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最終章
最終章-14
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オーナー二人に促され、近くにいた黒服が、ぎこちない動きで聖へと近づく。
彼も、淫蕩なショーを目の当たりにして興奮していたようだ。
前が、パンパンに張っている。
その勃起した股間を誤魔化そうと内屈みに歩くので、動きがかなり緩慢になっている。
「――あの、……」
そっと椅子の背後から声を掛け、腕を伸ばして身体へと触れようとするが、
「あぅ……ふぅっ!」
よがるような声に、ビクッとその手は引っ込んだ。
聖は身体を仰け反らせ、長い足を組みなおし、淫らに唇を舐める。
黒服は幸運な事に、その仕草を一番近くで眺めることができた。
「ぅ……」
微かに、黒服は呻いた。
エロティックな聖の笑みに釘付けになり、彼はその場で石化したように動かなくなる。
「――ええい、何をしているんだっ」
指示通りに動かない黒服に焦れて、安蒜が席を立とうとした。
それを制したのは、豊川だった。
(安蒜くん、私の隣へ席を移りなさい。ここからなら、彼の媚態がよく見えるぞ)
場を白けさせないよう、声を出さずそう口を動かすと、安蒜も豊川が何を言っているのか理解したようだ。
小さく頷き、そっと席を立って豊川の真隣へと移る。
この一連の動きを、瞬きもせずにずっと監視していた男がいた。
ジンである。
今や客も、SPを兼ねる黒服たちも、すっかり聖の媚態に釘付けだ。
サロンに居る連中の全てが、目を皿のようにして、淫靡な『傾国の美女』の動きに魅せられている。
ジンが動いても、もう誰も気付かないだろう。
SPも、すぐには反応できない。
――――機は熟した。
ジンはそう判断すると、襟をゆっくりと開き、肌着の下に隠していたボディースーツへと手を忍ばせた。
彼も、淫蕩なショーを目の当たりにして興奮していたようだ。
前が、パンパンに張っている。
その勃起した股間を誤魔化そうと内屈みに歩くので、動きがかなり緩慢になっている。
「――あの、……」
そっと椅子の背後から声を掛け、腕を伸ばして身体へと触れようとするが、
「あぅ……ふぅっ!」
よがるような声に、ビクッとその手は引っ込んだ。
聖は身体を仰け反らせ、長い足を組みなおし、淫らに唇を舐める。
黒服は幸運な事に、その仕草を一番近くで眺めることができた。
「ぅ……」
微かに、黒服は呻いた。
エロティックな聖の笑みに釘付けになり、彼はその場で石化したように動かなくなる。
「――ええい、何をしているんだっ」
指示通りに動かない黒服に焦れて、安蒜が席を立とうとした。
それを制したのは、豊川だった。
(安蒜くん、私の隣へ席を移りなさい。ここからなら、彼の媚態がよく見えるぞ)
場を白けさせないよう、声を出さずそう口を動かすと、安蒜も豊川が何を言っているのか理解したようだ。
小さく頷き、そっと席を立って豊川の真隣へと移る。
この一連の動きを、瞬きもせずにずっと監視していた男がいた。
ジンである。
今や客も、SPを兼ねる黒服たちも、すっかり聖の媚態に釘付けだ。
サロンに居る連中の全てが、目を皿のようにして、淫靡な『傾国の美女』の動きに魅せられている。
ジンが動いても、もう誰も気付かないだろう。
SPも、すぐには反応できない。
――――機は熟した。
ジンはそう判断すると、襟をゆっくりと開き、肌着の下に隠していたボディースーツへと手を忍ばせた。
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