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後日談
Eternal-12
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「フロランスが、よほどの資産家でもない限り、日本で暮らしていくのは難しかったと察しますね。就業目的での入国は規制されているし。そんな状態の中、もしも無料で日本戸籍と職を用意してやるから、代わりに代理母になるのを了承してほしいと安蒜から条件を出されたら……同意するでしょうね」
どうしてフロランスが『安蒜』ではなく『竹野』の姓なのか、これで解明した。
竹野夫妻は安蒜に理想の子供を発注し、フロランスは安蒜から日本国籍を条件に代理母を受け入れることを促された。
そして子供が欲しい竹野夫妻に出された条件は、ヤクザの戸籍売買に無償で協力する事だった。
ヤクザからは、報酬として安蒜の方にカネが流れたのだろう。
当時は、竹野夫妻とヤクザの戸籍売買にからむカネの流れだけを調べたので、安蒜は捜査線上にあがらなかったのだ。
結局、竹野夫妻の子供の出所にヤクザが絡んだのかどうかの疑惑だけ残し、不起訴になっている。
「警察の捜査は、戸籍売買の主犯格だったヤクザ数人を捕まえただけで終了している。ただ、竹野夫妻の子供の存在はマスコミにバレちまって面白おかしく書かれたようだ。海外の代理母を利用して作ったんだろうとか、倫理観を語る学者が持論を展開して夫婦を攻撃する記事を掲載したり……」
竹野夫妻にとっては、針のムシロのような状況だ。
せっかく理想の子供を得て、キッズモデルJINとして活躍する程に可愛らしい我が子も不憫だ。
だから夫婦は日本を出て、カナダへと移住を決めたらしい。
これは、キッズモデルとして一緒にJINと仕事をし、今も度々交流があるという現役モデルの零から聞いた情報だった。
「それにしても、安蒜も罪な男ですね」
嘆息する佐々木に、綾瀬も『そうだな』と頷いた。
安蒜がフロランスと婚姻関係を結べば、話は簡単だった。
彼女は安蒜の妻として易々と日本国籍を取得出来ただろうし、デザイナーとして堂々活躍できた筈だ。
しかし、自己愛の激しいナルシストで、プライドの高かった安蒜はそれを拒んだのだろう。
どうしてフロランスが『安蒜』ではなく『竹野』の姓なのか、これで解明した。
竹野夫妻は安蒜に理想の子供を発注し、フロランスは安蒜から日本国籍を条件に代理母を受け入れることを促された。
そして子供が欲しい竹野夫妻に出された条件は、ヤクザの戸籍売買に無償で協力する事だった。
ヤクザからは、報酬として安蒜の方にカネが流れたのだろう。
当時は、竹野夫妻とヤクザの戸籍売買にからむカネの流れだけを調べたので、安蒜は捜査線上にあがらなかったのだ。
結局、竹野夫妻の子供の出所にヤクザが絡んだのかどうかの疑惑だけ残し、不起訴になっている。
「警察の捜査は、戸籍売買の主犯格だったヤクザ数人を捕まえただけで終了している。ただ、竹野夫妻の子供の存在はマスコミにバレちまって面白おかしく書かれたようだ。海外の代理母を利用して作ったんだろうとか、倫理観を語る学者が持論を展開して夫婦を攻撃する記事を掲載したり……」
竹野夫妻にとっては、針のムシロのような状況だ。
せっかく理想の子供を得て、キッズモデルJINとして活躍する程に可愛らしい我が子も不憫だ。
だから夫婦は日本を出て、カナダへと移住を決めたらしい。
これは、キッズモデルとして一緒にJINと仕事をし、今も度々交流があるという現役モデルの零から聞いた情報だった。
「それにしても、安蒜も罪な男ですね」
嘆息する佐々木に、綾瀬も『そうだな』と頷いた。
安蒜がフロランスと婚姻関係を結べば、話は簡単だった。
彼女は安蒜の妻として易々と日本国籍を取得出来ただろうし、デザイナーとして堂々活躍できた筈だ。
しかし、自己愛の激しいナルシストで、プライドの高かった安蒜はそれを拒んだのだろう。
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