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ユウと聖。どちらも悲しませたくない。
零は、両方に幸せになって欲しいのだから。
「お前――――」
「先日は、本当に久しぶりにユウさんの顔を見たので……ついタガが外れて、そのままあなたとセックスしそうになってしまいました。うるさい親の目を盗んでデートするのは、若いオレらの特権ですが…………ユウさんが思っている以上に、御堂社長はユウさんの事を大切に想っています。あの人はああいう派手な外見ですが――――意外と、純真な人なのではないかと、最近は感じています」
確かにその通りだ。
本当に、この男はこの青い瞳で、よく人を観察している。
「そう、だな……」
「ですから、あの場は引き下がる事にしたんです。でも、今この国に御堂社長がいらしているんですよね? 」
「ああ」
「なら、丁度いい。オレは、勇気を出して御堂社長にきちんと言おうと思っています。逃げも隠れもしないで、正面から」
――――何を? とは、さすがにユウも訊かなかった。
「ふふ……一回くらいは蹴られるかもな」
「耐えます」
「あの人、インストラクターの資格も取ったらしいぞ。今じゃもう、道場じゃあ敵なしだって」
「…………頑張ります」
少々顔を引き攣らせながら言う零に、ユウは笑って手を差し伸べた。
零は、両方に幸せになって欲しいのだから。
「お前――――」
「先日は、本当に久しぶりにユウさんの顔を見たので……ついタガが外れて、そのままあなたとセックスしそうになってしまいました。うるさい親の目を盗んでデートするのは、若いオレらの特権ですが…………ユウさんが思っている以上に、御堂社長はユウさんの事を大切に想っています。あの人はああいう派手な外見ですが――――意外と、純真な人なのではないかと、最近は感じています」
確かにその通りだ。
本当に、この男はこの青い瞳で、よく人を観察している。
「そう、だな……」
「ですから、あの場は引き下がる事にしたんです。でも、今この国に御堂社長がいらしているんですよね? 」
「ああ」
「なら、丁度いい。オレは、勇気を出して御堂社長にきちんと言おうと思っています。逃げも隠れもしないで、正面から」
――――何を? とは、さすがにユウも訊かなかった。
「ふふ……一回くらいは蹴られるかもな」
「耐えます」
「あの人、インストラクターの資格も取ったらしいぞ。今じゃもう、道場じゃあ敵なしだって」
「…………頑張ります」
少々顔を引き攣らせながら言う零に、ユウは笑って手を差し伸べた。
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