1 / 8
高校1年(後輩)と高校2年(先輩)
写真
先輩がちゃんと正面を向いて写っている写真なんて、僕が持っているものの中では修学旅行の写真くらいのものだ。これは彼女が修学旅行から帰ってきてからの数日間、複数のSNSを集中的にチェックして見つけたもので、僕は今でもこれを毎日のように眺めている。
普段から彼女のSNSアカウントはもちろん毎日欠かさず見に行くようにしているし、彼女が何か投稿したら僕のスマホに通知が来るよう設定もしてある。だから彼女が修学旅行に行っている間、旅行中に撮った写真なんかを投稿してくれたりしないかと僕は密かに期待していたのだ。だけど彼女はもともとそういったものをあまり更新しないタイプだということもあり、結局修学旅行が終わってしばらく経っても、彼女のアカウントではその話題が上ることはなかった。彼女のアカウントには基本的に鍵がかかっており、僕を含め特に親しい友人数人としか繋がっていない上に投稿数も少ない。いかにも安全なSNSの使い方に安心こそするものの、だからこそ彼女のアカウントから直接彼女の情報を仕入れるのは難しく、それが僕にはもどかしいのだ。
ただ、彼女のクラスメイト全員がそう安全なSNSの使い方をしているわけではない。公開アカウントで堂々と本名を名乗り、おまけに自分の写真だけでなく他人の顔写真ですら躊躇いもなく投稿してしまうような、リテラシーの欠けらも無い人間が存在するのも事実なのだ。だからそういったアカウントを重点的に確認していけば、特定のクラスの集合写真なんてすぐに見つかるというものだった。案の定、彼女のフォロー欄の中にもそれらしいアカウントがいくつか見つかり、彼女のクラスメイトだと思われるそれらはみな、絶対と言っていいほど修学旅行中に撮ったらしい写真をアップロードしていた。中には「#修学旅行」などとご丁寧にタグ付けしている奴までいるのだから、そのあまりの危機感の無さには呆れるしかない。と言いつつ、部外者である自分が彼女の写真を手に入れることができるのはそういったアカウントのおかげではあるので、ありがたく保存させていただくことにしたのだった。
今日もまた、写真の中の彼女を眺める。友人らしき人物と仲良さげに寄り添ってピースしている彼女の顔は本当に楽しそうだ。やっぱり笑顔が一番可愛いと思うと同時に、僕といる時にはこんな表情を見せてくれたことはないのに、などと考えてしまう自分には本当に嫌気がさす。最近はこんなことばかり考えてしまって、せっかくの彼女の写真にも集中できない。だから、気休めにしかならないとはわかっていながら、それでも隣に写っている友人の存在を自分の脳内から追い出したくて、思い切って写真をトリミング編集して彼女だけを切り出してみた。元の画像に比べて随分小さくなってしまったそれを拡大してスマホの画面いっぱいに映し出せば、それだけでも多少は心が落ち着くような気がしてくるから不思議なものだ。
画面の中の彼女といつまでも見つめ合っていると、まるで彼女が僕に笑いかけているみたいだな、なんて馬鹿な考えまで浮かんできてしまう。もちろんこんなのはただの現実逃避だけど、いつかこんなふうに、彼女が僕だけにその笑みを向けてくれる日が来たらいいのに。僕の目に映るのはいつだって彼女一人だけがいいし、できれば彼女の視界にも僕以外を入れたくない。どうして彼女のことになるといつもこんなことばかり考えてしまうのだろう。恋人でもない人にこんなことを思う自分は、やはり異常なのだろうか。
普段から彼女のSNSアカウントはもちろん毎日欠かさず見に行くようにしているし、彼女が何か投稿したら僕のスマホに通知が来るよう設定もしてある。だから彼女が修学旅行に行っている間、旅行中に撮った写真なんかを投稿してくれたりしないかと僕は密かに期待していたのだ。だけど彼女はもともとそういったものをあまり更新しないタイプだということもあり、結局修学旅行が終わってしばらく経っても、彼女のアカウントではその話題が上ることはなかった。彼女のアカウントには基本的に鍵がかかっており、僕を含め特に親しい友人数人としか繋がっていない上に投稿数も少ない。いかにも安全なSNSの使い方に安心こそするものの、だからこそ彼女のアカウントから直接彼女の情報を仕入れるのは難しく、それが僕にはもどかしいのだ。
ただ、彼女のクラスメイト全員がそう安全なSNSの使い方をしているわけではない。公開アカウントで堂々と本名を名乗り、おまけに自分の写真だけでなく他人の顔写真ですら躊躇いもなく投稿してしまうような、リテラシーの欠けらも無い人間が存在するのも事実なのだ。だからそういったアカウントを重点的に確認していけば、特定のクラスの集合写真なんてすぐに見つかるというものだった。案の定、彼女のフォロー欄の中にもそれらしいアカウントがいくつか見つかり、彼女のクラスメイトだと思われるそれらはみな、絶対と言っていいほど修学旅行中に撮ったらしい写真をアップロードしていた。中には「#修学旅行」などとご丁寧にタグ付けしている奴までいるのだから、そのあまりの危機感の無さには呆れるしかない。と言いつつ、部外者である自分が彼女の写真を手に入れることができるのはそういったアカウントのおかげではあるので、ありがたく保存させていただくことにしたのだった。
今日もまた、写真の中の彼女を眺める。友人らしき人物と仲良さげに寄り添ってピースしている彼女の顔は本当に楽しそうだ。やっぱり笑顔が一番可愛いと思うと同時に、僕といる時にはこんな表情を見せてくれたことはないのに、などと考えてしまう自分には本当に嫌気がさす。最近はこんなことばかり考えてしまって、せっかくの彼女の写真にも集中できない。だから、気休めにしかならないとはわかっていながら、それでも隣に写っている友人の存在を自分の脳内から追い出したくて、思い切って写真をトリミング編集して彼女だけを切り出してみた。元の画像に比べて随分小さくなってしまったそれを拡大してスマホの画面いっぱいに映し出せば、それだけでも多少は心が落ち着くような気がしてくるから不思議なものだ。
画面の中の彼女といつまでも見つめ合っていると、まるで彼女が僕に笑いかけているみたいだな、なんて馬鹿な考えまで浮かんできてしまう。もちろんこんなのはただの現実逃避だけど、いつかこんなふうに、彼女が僕だけにその笑みを向けてくれる日が来たらいいのに。僕の目に映るのはいつだって彼女一人だけがいいし、できれば彼女の視界にも僕以外を入れたくない。どうして彼女のことになるといつもこんなことばかり考えてしまうのだろう。恋人でもない人にこんなことを思う自分は、やはり異常なのだろうか。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。