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第77話 カニカマの日と茶碗蒸し
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朝、私は自室のカーテンを開け、晴れ渡った空を眺めていた。
休日だからといって特にやることもなく、のんびり過ごせるかなと思っていた矢先、玄関のチャイムが鳴る。
時計を見ると、まだ午前10時前。
こんな早い時間に来客とは珍しい。
「田所さーん、いる?」
聞き慣れた声。
どうせ遠野だろうと思い、面倒な気分を抑えつつドアを開けると案の定、いつもの笑顔を浮かべた彼女がそこに立っていた。
「お邪魔しまーす!」
「……いきなりね。せめて連絡くらいちょうだいよ」
「ごめんごめん、でもどうしても伝えたいことがあってさ!」
遠野は私を押しのけるように家に上がり込み、リビングへと足を進める。
その勢いに少し呆れつつ私も後を追う。
彼女はソファにどかりと腰を下ろし、カバンからレジ袋を取り出すと満面の笑みでこちらに差し出してきた。
「じゃーん! これ、見てよ!」
「……なんかたくさん入ってるけど、これ全部カニカマ?」
「そう! 実は今日が『カニカマの日』なんだよ!」
唐突すぎる宣言に私は思わずまばたきをする。
カニカマの日なんて聞いたことない。
「はあ? カニカマの日? そんなの初耳だけど」
「ほんとだってば。理由はね、『カニのハサミ』の形が漢字の『二二』に似てるから6月を除く毎月22日はカニカマの日、なんだって!」
「……全然ピンとこないんだけど」
遠野は自信満々に語るが、どこからそんな情報を仕入れてくるのか不思議でならない。
そもそも、なぜ6月を除くのかもよくわからない。
けれど遠野は続けざまに熱弁をふるう。
「いやいや、テレビでやってたし、ネットの記事でも見たんだよ! 本当だから!」
「はいはい、わかったよ。でも、どうせまた食べ物絡みでしょ?」
「そういうこと! 今日はせっかくの『カニカマの日』だから田所さんにカニカマ料理を作ってほしいんだよね!」
そう言いながら遠野はレジ袋をどんと私の膝の上に置く。
中には大小さまざまなカニカマが何袋も入っていた。
大手メーカーのものからスーパーのプライベートブランドまで色々だ。
「なんでこんなに買い込んでるの……」
「だって、どんなカニカマが合うかわからなかったし、いろんな料理に使えるでしょ?」
本当に計画性があるのかないのか、いつも判断に困る。
もっとも料理するのは私なので結局色々あって困るのは私のほうだ。
「はぁ……仕方ない。で、何を作ればいいわけ?」
「えっとね『カニカマのふわふわ卵炒め』と『カニカマの茶碗蒸し』! 簡単にできそうだし、どっちもおいしそうじゃん?」
「簡単……って、一応ちゃんと手間はかかるんだけどね。ま、いいや。材料そろってる?」
遠野はニヤリと笑ってレジ袋を指さす。
「卵とか調味料は田所さんちの冷蔵庫にあるでしょ? 足りなければ買いに行こうよ!」
「……休日の朝からこれだよ。まったく」
そうぼやきながらも私は結局エプロンを取り出してキッチンへ向かう。
いつものことながら遠野の勢いに流されっぱなしだ。
でもまあ、彼女と一緒だと退屈しないのはたしかだし、カニカマくらいならそんなに負担にもならない。
「よーし、じゃあまずは卵炒めから作るよ。手伝う気ある?」
「もちろんあるよ! 私、卵割るの得意だから!」
「……それくらいしかできなさそうだけど、まあいいや」
私がボウルを用意すると遠野はさっそく卵を4つほど割り入れる。
少し手が震えているのか黄身と白身が盛大に飛び散りそうでヒヤヒヤするが、幸い大失敗には至らない。
「お、うまくいった!」
「ちゃんと殻入ってないか確かめてよ」
「大丈夫、大丈夫!」
ボウルに入れた卵を軽く溶いたら、そこにほぐしたカニカマを入れ、塩こしょうと少量の牛乳を加えて混ぜる。
フライパンに油を熱して卵液を流し込み、ふんわりと固まってきたら軽く大きく混ぜるイメージで火を通す。
ふわふわに仕上がったところで皿に盛り、上から青ネギを散らせば出来上がりだ。
さっそく遠野がつまみ食いをしようとするのを制止して次は茶碗蒸しの準備に取りかかる。
「茶碗蒸しって蒸し器あるの?」
「一応あるけど面倒だからフライパンにお湯を張って代用するよ」
再び卵を割って溶き、だし汁、薄口しょうゆ、みりんなどで味を整えたら茶碗の半分くらいまで流し込む。
その上にカニカマをほぐして入れ、残りの卵液をそっと注ぐ。
アルミホイルやラップをかぶせてフライパンで蒸すだけだ。
「意外と簡単なんだね、茶碗蒸しって」
「失敗しなければね。蒸し時間と温度管理が難しいんだよ。すぐにスが入っちゃうから」
「ス……?」
「卵液の表面に穴がポツポツ空いちゃうのをそう言うの。なめらかじゃなくなるんだ」
遠野は真剣な顔で聞いていたが案の定、私が語尾を言い終わる前にキッチンタイマーを鳴らしてしまう。
「あ、もうぼちぼちいいんじゃない? 私、はやく食べたい!」
「焦ると失敗するんだけど……まあいいや。一度様子見てみよう」
蓋を開けると、ふわりとした湯気が立ち上り、出汁のいい香りが鼻をくすぐる。
竹串で刺してみたら、いい具合に固まっているようだ。
私は慎重に茶碗を取り出して熱々のそれをテーブルに並べた。
「わー、すごくいい香り!」
「まだ熱いから気をつけてね」
そう言いながらも遠野は待ちきれない様子でスプーンを手に取る。
茶碗の蓋をとると、カニカマの赤と卵の黄色がほのかに透けていて見るからに食欲をそそる。
「いただきまーす!」
「どうぞ」
遠野がまずはふわふわ卵炒めに箸を伸ばすと、その瞬間幸せそうな表情に変わる。
口に運んだ瞬間、卵の柔らかい食感とカニカマのほどよい塩気、そして青ネギの風味が絶妙にマッチしているらしい。
「んーっ! これ、めっちゃおいしい! ねぇ田所さん、天才じゃない?」
「そこまで言うなら、もう少し丁寧に料理褒めてよ」
私も一口食べてみると確かに悪くない。
カニカマの旨味はそこまで強くないけれど卵と合わせるとちょうどいいアクセントになる。
「次は茶碗蒸しだね! 熱そうだけど……ふーふーしてからっと」
「火傷しないようにね」
遠野が茶碗蒸しをスプーンですくうと、中からほぐれたカニカマが顔を出す。
プルプルと揺れる卵液が上品な見た目だ。
「うわぁ……これもいい匂い……はむっ……あつっ、でもおいしい!」
「当たり前だけどカニじゃなくてカニカマなんだから、そこまで上品じゃないと思うけどね」
「いやいや、十分おいしいよ! だしの香りとカニカマの風味がいい感じにマッチしてるし、トロトロ具合が最高!」
遠野のテンションが最高潮に達しているのを見て、私は内心苦笑いするが、嫌な気分ではない。
せっかく作った料理をこんなに喜んで食べてくれるのは作り甲斐があるというものだ。
「それにしても、『カニのハサミ』が漢字の『二二』に見えるからって理由、何度聞いても納得いかないんだけど」
「でもさ、こうやってカニカマをおいしく食べられるなら理由なんてもうどうでもいいじゃん!」
確かに、どんなこじつけ理由でも美味しく食べられればそれでいいのかもしれない。
私は「そうだね」と小さくうなずくと、さっそく茶碗蒸しにスプーンを入れる。
ぷるんとした卵液を口に含むと、だしの香りがまろやかに広がり、カニカマのほのかな味わいがアクセントになっていて確かに悪くない出来だ。
「うん、これはこれでありだね」
「でしょ? さすが田所さん!」
「ま、たまにはこういうのもいいか。休日にのんびり料理するのも悪くないし」
遠野はご満悦の笑みを浮かべ、卵炒めと茶碗蒸しを交互につまんでは感嘆の声をあげる。
私としては半ばあきれつつも何だかんだ作った甲斐があったと感じていた。
「カニカマって意外といろんな料理に合うんだね。今度は何を作ろうかな」
「じゃあ、次はサラダとか!? ほら、彩りが綺麗じゃん!」
「はいはい、また今度ね」
カニカマが主役の食卓なんて、きっと今日くらいしかないだろうけど、それが私たちの日常だ。
それならそれで、また次の『カニカマの日』が来た時には、どんな料理を作ろうか少しだけ考えてみてもいいかもしれない。
休日だからといって特にやることもなく、のんびり過ごせるかなと思っていた矢先、玄関のチャイムが鳴る。
時計を見ると、まだ午前10時前。
こんな早い時間に来客とは珍しい。
「田所さーん、いる?」
聞き慣れた声。
どうせ遠野だろうと思い、面倒な気分を抑えつつドアを開けると案の定、いつもの笑顔を浮かべた彼女がそこに立っていた。
「お邪魔しまーす!」
「……いきなりね。せめて連絡くらいちょうだいよ」
「ごめんごめん、でもどうしても伝えたいことがあってさ!」
遠野は私を押しのけるように家に上がり込み、リビングへと足を進める。
その勢いに少し呆れつつ私も後を追う。
彼女はソファにどかりと腰を下ろし、カバンからレジ袋を取り出すと満面の笑みでこちらに差し出してきた。
「じゃーん! これ、見てよ!」
「……なんかたくさん入ってるけど、これ全部カニカマ?」
「そう! 実は今日が『カニカマの日』なんだよ!」
唐突すぎる宣言に私は思わずまばたきをする。
カニカマの日なんて聞いたことない。
「はあ? カニカマの日? そんなの初耳だけど」
「ほんとだってば。理由はね、『カニのハサミ』の形が漢字の『二二』に似てるから6月を除く毎月22日はカニカマの日、なんだって!」
「……全然ピンとこないんだけど」
遠野は自信満々に語るが、どこからそんな情報を仕入れてくるのか不思議でならない。
そもそも、なぜ6月を除くのかもよくわからない。
けれど遠野は続けざまに熱弁をふるう。
「いやいや、テレビでやってたし、ネットの記事でも見たんだよ! 本当だから!」
「はいはい、わかったよ。でも、どうせまた食べ物絡みでしょ?」
「そういうこと! 今日はせっかくの『カニカマの日』だから田所さんにカニカマ料理を作ってほしいんだよね!」
そう言いながら遠野はレジ袋をどんと私の膝の上に置く。
中には大小さまざまなカニカマが何袋も入っていた。
大手メーカーのものからスーパーのプライベートブランドまで色々だ。
「なんでこんなに買い込んでるの……」
「だって、どんなカニカマが合うかわからなかったし、いろんな料理に使えるでしょ?」
本当に計画性があるのかないのか、いつも判断に困る。
もっとも料理するのは私なので結局色々あって困るのは私のほうだ。
「はぁ……仕方ない。で、何を作ればいいわけ?」
「えっとね『カニカマのふわふわ卵炒め』と『カニカマの茶碗蒸し』! 簡単にできそうだし、どっちもおいしそうじゃん?」
「簡単……って、一応ちゃんと手間はかかるんだけどね。ま、いいや。材料そろってる?」
遠野はニヤリと笑ってレジ袋を指さす。
「卵とか調味料は田所さんちの冷蔵庫にあるでしょ? 足りなければ買いに行こうよ!」
「……休日の朝からこれだよ。まったく」
そうぼやきながらも私は結局エプロンを取り出してキッチンへ向かう。
いつものことながら遠野の勢いに流されっぱなしだ。
でもまあ、彼女と一緒だと退屈しないのはたしかだし、カニカマくらいならそんなに負担にもならない。
「よーし、じゃあまずは卵炒めから作るよ。手伝う気ある?」
「もちろんあるよ! 私、卵割るの得意だから!」
「……それくらいしかできなさそうだけど、まあいいや」
私がボウルを用意すると遠野はさっそく卵を4つほど割り入れる。
少し手が震えているのか黄身と白身が盛大に飛び散りそうでヒヤヒヤするが、幸い大失敗には至らない。
「お、うまくいった!」
「ちゃんと殻入ってないか確かめてよ」
「大丈夫、大丈夫!」
ボウルに入れた卵を軽く溶いたら、そこにほぐしたカニカマを入れ、塩こしょうと少量の牛乳を加えて混ぜる。
フライパンに油を熱して卵液を流し込み、ふんわりと固まってきたら軽く大きく混ぜるイメージで火を通す。
ふわふわに仕上がったところで皿に盛り、上から青ネギを散らせば出来上がりだ。
さっそく遠野がつまみ食いをしようとするのを制止して次は茶碗蒸しの準備に取りかかる。
「茶碗蒸しって蒸し器あるの?」
「一応あるけど面倒だからフライパンにお湯を張って代用するよ」
再び卵を割って溶き、だし汁、薄口しょうゆ、みりんなどで味を整えたら茶碗の半分くらいまで流し込む。
その上にカニカマをほぐして入れ、残りの卵液をそっと注ぐ。
アルミホイルやラップをかぶせてフライパンで蒸すだけだ。
「意外と簡単なんだね、茶碗蒸しって」
「失敗しなければね。蒸し時間と温度管理が難しいんだよ。すぐにスが入っちゃうから」
「ス……?」
「卵液の表面に穴がポツポツ空いちゃうのをそう言うの。なめらかじゃなくなるんだ」
遠野は真剣な顔で聞いていたが案の定、私が語尾を言い終わる前にキッチンタイマーを鳴らしてしまう。
「あ、もうぼちぼちいいんじゃない? 私、はやく食べたい!」
「焦ると失敗するんだけど……まあいいや。一度様子見てみよう」
蓋を開けると、ふわりとした湯気が立ち上り、出汁のいい香りが鼻をくすぐる。
竹串で刺してみたら、いい具合に固まっているようだ。
私は慎重に茶碗を取り出して熱々のそれをテーブルに並べた。
「わー、すごくいい香り!」
「まだ熱いから気をつけてね」
そう言いながらも遠野は待ちきれない様子でスプーンを手に取る。
茶碗の蓋をとると、カニカマの赤と卵の黄色がほのかに透けていて見るからに食欲をそそる。
「いただきまーす!」
「どうぞ」
遠野がまずはふわふわ卵炒めに箸を伸ばすと、その瞬間幸せそうな表情に変わる。
口に運んだ瞬間、卵の柔らかい食感とカニカマのほどよい塩気、そして青ネギの風味が絶妙にマッチしているらしい。
「んーっ! これ、めっちゃおいしい! ねぇ田所さん、天才じゃない?」
「そこまで言うなら、もう少し丁寧に料理褒めてよ」
私も一口食べてみると確かに悪くない。
カニカマの旨味はそこまで強くないけれど卵と合わせるとちょうどいいアクセントになる。
「次は茶碗蒸しだね! 熱そうだけど……ふーふーしてからっと」
「火傷しないようにね」
遠野が茶碗蒸しをスプーンですくうと、中からほぐれたカニカマが顔を出す。
プルプルと揺れる卵液が上品な見た目だ。
「うわぁ……これもいい匂い……はむっ……あつっ、でもおいしい!」
「当たり前だけどカニじゃなくてカニカマなんだから、そこまで上品じゃないと思うけどね」
「いやいや、十分おいしいよ! だしの香りとカニカマの風味がいい感じにマッチしてるし、トロトロ具合が最高!」
遠野のテンションが最高潮に達しているのを見て、私は内心苦笑いするが、嫌な気分ではない。
せっかく作った料理をこんなに喜んで食べてくれるのは作り甲斐があるというものだ。
「それにしても、『カニのハサミ』が漢字の『二二』に見えるからって理由、何度聞いても納得いかないんだけど」
「でもさ、こうやってカニカマをおいしく食べられるなら理由なんてもうどうでもいいじゃん!」
確かに、どんなこじつけ理由でも美味しく食べられればそれでいいのかもしれない。
私は「そうだね」と小さくうなずくと、さっそく茶碗蒸しにスプーンを入れる。
ぷるんとした卵液を口に含むと、だしの香りがまろやかに広がり、カニカマのほのかな味わいがアクセントになっていて確かに悪くない出来だ。
「うん、これはこれでありだね」
「でしょ? さすが田所さん!」
「ま、たまにはこういうのもいいか。休日にのんびり料理するのも悪くないし」
遠野はご満悦の笑みを浮かべ、卵炒めと茶碗蒸しを交互につまんでは感嘆の声をあげる。
私としては半ばあきれつつも何だかんだ作った甲斐があったと感じていた。
「カニカマって意外といろんな料理に合うんだね。今度は何を作ろうかな」
「じゃあ、次はサラダとか!? ほら、彩りが綺麗じゃん!」
「はいはい、また今度ね」
カニカマが主役の食卓なんて、きっと今日くらいしかないだろうけど、それが私たちの日常だ。
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