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昔からです
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物心付く前から金魚が周りを泳ぐように漂っていた、それを大人たちに言ったところで気持ち悪がられるだけだった。
ある時から金魚が集まっている所は何かしら事件、事故が必ず起きていた。
黒い金魚は事故赤い金魚は事件があると気付いてからは、この謎の力をうまく扱う術を覚えた。
11歳程の頃、この法則に気付いた。雑木林で遊んでいた時鮮やかな朱色の金魚が目の前を通り過ぎた、後を追うと、一部分だけ色が変わった土の上で円を描くように漂っていた、そこを掘り起こそうと鍬で土を掻き出すや否や、固い物にあたった頭蓋骨があったのだ。
そして早10年程過ぎた頃、詩軸矢太郎と呼ばれる記者がそこにいた。矢太郎は、何処から手に入れた情報なのか誰も知りえない特ダネを見つけ、多才な文章で記事を書き読む者を魅力する。当の本人は何処から手に入れたネタだと問いただすも、のらりくらりとかわし、相手の情報を密かに盗む達人であった。
六畳半の部屋の片隅窓を見つめ、漠然と空を眺めていた。その六畳半の部屋片隅、そばかす顔が外を見つめていた。ふと思立ったとばかりに、身支度を済ませ町に出かけて行った。向かった先にはこじんまりとした甘味処があり、そこの店先の椅子に腰掛け店の主人と思われる男と談笑しみたらし団子を注文した、この甘味処は知る人ぞ知る隠れた人気店であった。春になると三色団子や桜餅、夏には水羊羹に氷菓、秋には芋羊羹と栗羊羹、冬はぜんざいやお汁粉など季節によって甘味が変わることで有名だ。
しかしこのそばかす顔もとい、詩軸矢太郎はもっぱら、みたらし団子しか頼まないのである。そんな矢太郎はみたらし団子をたべながら漠然と空を見つめていた。
そこに、一段と大きい朱色の金魚が目の前を通り過ぎた。矢太郎はみたらし団子を包んでもらい、何かに憑かれ様に足早に甘味処を後にした。金魚を追いかけて行くと、町外れのボロ屋に着いた。
人の気配が無いため廃墟と思われる、壁は剥がれかけ床は抜けそうだ。そんな場所に似つかわしくない洋風な箪笥(たんす)があった、金のきらびやかな装飾に白を基調とした女性と同じ程の高さの箪笥だ矢太郎は嫌な予感がした、近づくまでもなく強い腐敗臭と薔薇の鼻を差す臭いが充満していた。意を決して箪笥を開けた。グシャッと鈍い音がした。予想通り、そこには性別がわからない程酷く腐った人らしき者があった。幸い、箪笥を開けた瞬間に後ろに身を引いたため袴に付くことはなかった。この件は事件として警察が扱った、矢太郎も色々な事情聴取をされたが上手くかわして難を逃れた。
矢太郎はこの件を記事にまとめた所予想以上に好評だった、やはり世の中 は酷いことが良くも悪くも話題性があるらしい。
ある時から金魚が集まっている所は何かしら事件、事故が必ず起きていた。
黒い金魚は事故赤い金魚は事件があると気付いてからは、この謎の力をうまく扱う術を覚えた。
11歳程の頃、この法則に気付いた。雑木林で遊んでいた時鮮やかな朱色の金魚が目の前を通り過ぎた、後を追うと、一部分だけ色が変わった土の上で円を描くように漂っていた、そこを掘り起こそうと鍬で土を掻き出すや否や、固い物にあたった頭蓋骨があったのだ。
そして早10年程過ぎた頃、詩軸矢太郎と呼ばれる記者がそこにいた。矢太郎は、何処から手に入れた情報なのか誰も知りえない特ダネを見つけ、多才な文章で記事を書き読む者を魅力する。当の本人は何処から手に入れたネタだと問いただすも、のらりくらりとかわし、相手の情報を密かに盗む達人であった。
六畳半の部屋の片隅窓を見つめ、漠然と空を眺めていた。その六畳半の部屋片隅、そばかす顔が外を見つめていた。ふと思立ったとばかりに、身支度を済ませ町に出かけて行った。向かった先にはこじんまりとした甘味処があり、そこの店先の椅子に腰掛け店の主人と思われる男と談笑しみたらし団子を注文した、この甘味処は知る人ぞ知る隠れた人気店であった。春になると三色団子や桜餅、夏には水羊羹に氷菓、秋には芋羊羹と栗羊羹、冬はぜんざいやお汁粉など季節によって甘味が変わることで有名だ。
しかしこのそばかす顔もとい、詩軸矢太郎はもっぱら、みたらし団子しか頼まないのである。そんな矢太郎はみたらし団子をたべながら漠然と空を見つめていた。
そこに、一段と大きい朱色の金魚が目の前を通り過ぎた。矢太郎はみたらし団子を包んでもらい、何かに憑かれ様に足早に甘味処を後にした。金魚を追いかけて行くと、町外れのボロ屋に着いた。
人の気配が無いため廃墟と思われる、壁は剥がれかけ床は抜けそうだ。そんな場所に似つかわしくない洋風な箪笥(たんす)があった、金のきらびやかな装飾に白を基調とした女性と同じ程の高さの箪笥だ矢太郎は嫌な予感がした、近づくまでもなく強い腐敗臭と薔薇の鼻を差す臭いが充満していた。意を決して箪笥を開けた。グシャッと鈍い音がした。予想通り、そこには性別がわからない程酷く腐った人らしき者があった。幸い、箪笥を開けた瞬間に後ろに身を引いたため袴に付くことはなかった。この件は事件として警察が扱った、矢太郎も色々な事情聴取をされたが上手くかわして難を逃れた。
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