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洋風な壺
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しばらく平和な日が続いた、記者たちは洋風家具の事件?を騒ぎ立てたが今はめっきり静かになった、そばかす顔の記者はやっと安堵し暇を弄ぶ位になった。
そばかす顔の記者、名を詩軸矢太郎と言う。
矢太郎は暇を潰すため、行きつけの甘味処に向かった、最近は黒い小さな金魚か朱色でも小さい金魚が空を泳ぐだけでそれも矢太郎にとっては平和の象徴だった。
やはり外を歩いても涼しい風が吹くだけで、何も無いがそれが一番いいことだ。
せっかくだからと、いつもと別の道からいく事にした。
家が立ち並び、子供たちが駒をしたり、けん玉をしたり、鬼ごっこなど楽しそうに遊んでいた。
その中で鬼ごっこをしていた子供に背中からぶつかられ、少しよろめいたがぶつかった子供は尻もちを着いた、子供に怪我がないか確認しその場を立ち去ろうとした瞬間だった、目の前を泳ぐ朱色の金魚がいた。矢太郎はまさかと思い目を擦り、再度見たがやはり金魚は泳いでいた。
悩んだが追う事にした、面倒ごとになるのはわかっていたが、放っておいても目覚めが悪いと思い追っていると、意外な事に先客がいた。
矢太郎より先に警察が集まっていた。
どうやら、立派な庭園を持つかなり敷居が高い家が何やら事件が起き、警察に連絡したらしい。
すっかり顔馴染みになった警察官に事情を聞くと、蝶よ花よと大切にしていた愛娘が昨晩から居なくなったらしい。最初こそ矢太郎は家出か、 好きな相手と駆け落ちかと思ったがそこに母親らしき女性が出てきた。やはりその女性は母親だった、顔色が悪く目の周りが赤腫れていておそらく泣き腫らしたのだろう。
母親によると、駆け落ちや家出の可能性は低いらしく何故居なくなったのか謎のままだった。
家に上げてもらい一緒に娘を探すことになり、警察官は家をくまなく探していた。矢太郎も探そうと部屋を出し障子を開けた時、女中と思われる者が通りかかった。
矢太郎は驚いた、何故ならその女中はホテルの会場でボーイとして働き記者に毒を盛った容疑のある犯人だったからだ。咄嗟に腕を掴み警察官を呼んでその女中を見ていてもらった、矢太郎は、この洋風の家具死体事件の共通点がわかった気がした、それは全て年若な女性が被害にあっていた。そしてこの失踪事件は同一犯だろう、そんなことを考えながら金魚を追って行くと少し大きな庭木に着いた。矢太郎はがむしゃらに庭木の中を探した、花粉がついても気にもせず。やはりと言ったところか、そこには洋風の大きな豪奢な壺がありその中には何やら白い花と上等な着物を着た女性が入っていた。
一人では持ち出せないため大声で人を呼んだ、すぐに警察と母親が飛んで来た何とか娘と思われる遺体を取り出したがやはりその遺体は愛娘であった。壺の中で窒息したのだろう、犯人と思われる女中に動機を聞いた、するといきなり狂った様に笑い目を輝かせ言った。
「こんなに綺麗なお顔で生まれたのに年老いて醜いまま死ぬより、人生で一番綺麗な時に一番素敵な場所で死ねる方がいいでしょう。」
嬉々として死体のことを語りだした
警察官は声も出なかった、恐ろしかったのだろう。矢太郎は、何処か納得しそうになった自分がいるのに驚き、同時に嫌悪感が湧き静かに歯をくいしばる事しかできなかった。女はその後これまでの事件が明らかになり、死刑宣告を受けた。
死ぬ間際まで自分の主張の正当性を主張していたらしい。
これに対し、記者たちがネタを求め殺到するのは言うまでもない。矢太郎は腑に落ちないまま心地よい風が吹き込む六畳半で寝そべっていた。
そばかす顔の記者、名を詩軸矢太郎と言う。
矢太郎は暇を潰すため、行きつけの甘味処に向かった、最近は黒い小さな金魚か朱色でも小さい金魚が空を泳ぐだけでそれも矢太郎にとっては平和の象徴だった。
やはり外を歩いても涼しい風が吹くだけで、何も無いがそれが一番いいことだ。
せっかくだからと、いつもと別の道からいく事にした。
家が立ち並び、子供たちが駒をしたり、けん玉をしたり、鬼ごっこなど楽しそうに遊んでいた。
その中で鬼ごっこをしていた子供に背中からぶつかられ、少しよろめいたがぶつかった子供は尻もちを着いた、子供に怪我がないか確認しその場を立ち去ろうとした瞬間だった、目の前を泳ぐ朱色の金魚がいた。矢太郎はまさかと思い目を擦り、再度見たがやはり金魚は泳いでいた。
悩んだが追う事にした、面倒ごとになるのはわかっていたが、放っておいても目覚めが悪いと思い追っていると、意外な事に先客がいた。
矢太郎より先に警察が集まっていた。
どうやら、立派な庭園を持つかなり敷居が高い家が何やら事件が起き、警察に連絡したらしい。
すっかり顔馴染みになった警察官に事情を聞くと、蝶よ花よと大切にしていた愛娘が昨晩から居なくなったらしい。最初こそ矢太郎は家出か、 好きな相手と駆け落ちかと思ったがそこに母親らしき女性が出てきた。やはりその女性は母親だった、顔色が悪く目の周りが赤腫れていておそらく泣き腫らしたのだろう。
母親によると、駆け落ちや家出の可能性は低いらしく何故居なくなったのか謎のままだった。
家に上げてもらい一緒に娘を探すことになり、警察官は家をくまなく探していた。矢太郎も探そうと部屋を出し障子を開けた時、女中と思われる者が通りかかった。
矢太郎は驚いた、何故ならその女中はホテルの会場でボーイとして働き記者に毒を盛った容疑のある犯人だったからだ。咄嗟に腕を掴み警察官を呼んでその女中を見ていてもらった、矢太郎は、この洋風の家具死体事件の共通点がわかった気がした、それは全て年若な女性が被害にあっていた。そしてこの失踪事件は同一犯だろう、そんなことを考えながら金魚を追って行くと少し大きな庭木に着いた。矢太郎はがむしゃらに庭木の中を探した、花粉がついても気にもせず。やはりと言ったところか、そこには洋風の大きな豪奢な壺がありその中には何やら白い花と上等な着物を着た女性が入っていた。
一人では持ち出せないため大声で人を呼んだ、すぐに警察と母親が飛んで来た何とか娘と思われる遺体を取り出したがやはりその遺体は愛娘であった。壺の中で窒息したのだろう、犯人と思われる女中に動機を聞いた、するといきなり狂った様に笑い目を輝かせ言った。
「こんなに綺麗なお顔で生まれたのに年老いて醜いまま死ぬより、人生で一番綺麗な時に一番素敵な場所で死ねる方がいいでしょう。」
嬉々として死体のことを語りだした
警察官は声も出なかった、恐ろしかったのだろう。矢太郎は、何処か納得しそうになった自分がいるのに驚き、同時に嫌悪感が湧き静かに歯をくいしばる事しかできなかった。女はその後これまでの事件が明らかになり、死刑宣告を受けた。
死ぬ間際まで自分の主張の正当性を主張していたらしい。
これに対し、記者たちがネタを求め殺到するのは言うまでもない。矢太郎は腑に落ちないまま心地よい風が吹き込む六畳半で寝そべっていた。
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