19 / 62
快楽の苦闘
19
しおりを挟む
「あの少年は、やはり女騎士との関わりはないようです」
「そうですか。ご苦労でした」
フリージアは、ダークエルフの執事から、報告を受けた。
想定していたとおりではある。
二人に辱めを与えても、繋がりを確定させる反応は見られなかったという。
しかし、高潔な女騎士が命じられたからといえ、エリンのものを熱心にしゃぶる光景は異様な胸騒ぎがする光景ではあった。
暗殺者と反抗する騎士との繋がりが証明できれば、ギュスターランド公爵家に敵対する者たちを一挙に暴き立てることができるという点があった。
だが、その拷問の光景を見守っていたフリージアの胸の中に宿った感情は、戸惑いと嫉妬だ。
少年を救うのだという決意によって、その口で性器をしゃぶり、グラスの半分までも絞り出した女騎士ノエル。
あれは、崇高な自己犠牲と献身に陶酔していた。
いや、それだけではない――。
エリンの境遇に同情しつつ、みずからが与える快楽に身を委ね、悶える様に興奮していたに違いない。
母性本能をくすぐられ、庇護の気持ちと肉欲が同時に湧き上がってきている。
でなければ、あそこまではしないはず。
フリージアには、それがよくわかる。
あそこまでやってしまえる気持ちがあるからだ。
より正確に言えば、フリージアもあそこまでのことしてみたい。
存分に身悶えさせ、グラスの半分も搾り取ってみたい。
淫らな渇望であることは、十分承知している。
ギュスターランド公爵家の令嬢として、相手を堕とすことはいくらでも認められているが、その逆は許されていないのだ。
だからこそ、許せない。
許せないのは、ノエルよりもエリンである。
浴場で我が身をもってあれほど射精させてあげたというのに、女騎士相手の拙い奉仕でグラス半分もの量を放ったのだ。
自分の女としての美貌と魅力が与える快楽に屈したのではなかったのか。
そう思うと、執務中に握るペンにも力がこもった。
「お嬢様、あの少年の責め方を少し変えてみましょうか」
「何か方法があるのですか?」
執事がどこか意地悪く言う。
もっと辱め、尊厳を徹底して破壊すれば、秘密を守ろうとする強い心でも砕くことができるというのが、彼の考えである。
「ええ、少し手回しする必要がございますが。今までのやり方ですと、やはり手ぬるいかと」
「ですが、拷問によって廃人にしてしまうのは大きな損失です。なにより、わたくしの好みではありません」
「好み……ですか。さすがはお嬢様です」
ギュスターランド公爵家は、代々悪名をほしいままとしている。
だからこそ、哲学と美学を蔑ろにしない。
その悪名は、国家の盤石のために甘んじて受けるものであり、権勢や富を欲してのものではない。
手段は選ばないが、目的は違えてはならない。
そして、世の規範と道徳には従わぬが、みずからが定めた掟と価値観から外れてはならないのである。
外れてしまえば、悪ではなく外道となろう。
貴族とは、支配者でもあるが国に豊かさをもたらす文化の保護者にして消費者である。
趣味と快楽の追求もまた、その高貴な役目に含まれるのだ。
とはいえ、あの少年暗殺者に惹かれていく感情は確かにある。
苦しみではなく、快楽と愛によって屈服させることができたらどんなに満たされるだろうか。
「わかりました、必要なことは、わたくしが取り揃えます」
「それでは、“闇の会合”までにこちらの準備を」
執事が持ってきた書類には、“闇の会合”の手配と闘技場遺跡についてのものであった。
「そうですか。ご苦労でした」
フリージアは、ダークエルフの執事から、報告を受けた。
想定していたとおりではある。
二人に辱めを与えても、繋がりを確定させる反応は見られなかったという。
しかし、高潔な女騎士が命じられたからといえ、エリンのものを熱心にしゃぶる光景は異様な胸騒ぎがする光景ではあった。
暗殺者と反抗する騎士との繋がりが証明できれば、ギュスターランド公爵家に敵対する者たちを一挙に暴き立てることができるという点があった。
だが、その拷問の光景を見守っていたフリージアの胸の中に宿った感情は、戸惑いと嫉妬だ。
少年を救うのだという決意によって、その口で性器をしゃぶり、グラスの半分までも絞り出した女騎士ノエル。
あれは、崇高な自己犠牲と献身に陶酔していた。
いや、それだけではない――。
エリンの境遇に同情しつつ、みずからが与える快楽に身を委ね、悶える様に興奮していたに違いない。
母性本能をくすぐられ、庇護の気持ちと肉欲が同時に湧き上がってきている。
でなければ、あそこまではしないはず。
フリージアには、それがよくわかる。
あそこまでやってしまえる気持ちがあるからだ。
より正確に言えば、フリージアもあそこまでのことしてみたい。
存分に身悶えさせ、グラスの半分も搾り取ってみたい。
淫らな渇望であることは、十分承知している。
ギュスターランド公爵家の令嬢として、相手を堕とすことはいくらでも認められているが、その逆は許されていないのだ。
だからこそ、許せない。
許せないのは、ノエルよりもエリンである。
浴場で我が身をもってあれほど射精させてあげたというのに、女騎士相手の拙い奉仕でグラス半分もの量を放ったのだ。
自分の女としての美貌と魅力が与える快楽に屈したのではなかったのか。
そう思うと、執務中に握るペンにも力がこもった。
「お嬢様、あの少年の責め方を少し変えてみましょうか」
「何か方法があるのですか?」
執事がどこか意地悪く言う。
もっと辱め、尊厳を徹底して破壊すれば、秘密を守ろうとする強い心でも砕くことができるというのが、彼の考えである。
「ええ、少し手回しする必要がございますが。今までのやり方ですと、やはり手ぬるいかと」
「ですが、拷問によって廃人にしてしまうのは大きな損失です。なにより、わたくしの好みではありません」
「好み……ですか。さすがはお嬢様です」
ギュスターランド公爵家は、代々悪名をほしいままとしている。
だからこそ、哲学と美学を蔑ろにしない。
その悪名は、国家の盤石のために甘んじて受けるものであり、権勢や富を欲してのものではない。
手段は選ばないが、目的は違えてはならない。
そして、世の規範と道徳には従わぬが、みずからが定めた掟と価値観から外れてはならないのである。
外れてしまえば、悪ではなく外道となろう。
貴族とは、支配者でもあるが国に豊かさをもたらす文化の保護者にして消費者である。
趣味と快楽の追求もまた、その高貴な役目に含まれるのだ。
とはいえ、あの少年暗殺者に惹かれていく感情は確かにある。
苦しみではなく、快楽と愛によって屈服させることができたらどんなに満たされるだろうか。
「わかりました、必要なことは、わたくしが取り揃えます」
「それでは、“闇の会合”までにこちらの準備を」
執事が持ってきた書類には、“闇の会合”の手配と闘技場遺跡についてのものであった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる