【R18】悪役令嬢と囚われの少年暗殺者

とけみゆい

文字の大きさ
29 / 62
悪役令嬢の疼き

29

しおりを挟む
 伯爵夫人の胸に抱かれ、エリンは子供のようにあやされてる。
 柔らかい乳房の感触、そして続く愛撫……。
 くすぐったく心地よく、そくぞくするものがエリンの背筋に走る。

「お嬢様も、こうして愛したいのでしょう?」

 フリージアを、どきりとさせる一言だった。
 あんなふうにエリンを愛してみたい。
 幸せに蕩けたような顔をさせてみたい、そのような願望は確かにある。

「はい……」

 それだけを短く答えた。

「それでいいのです。女には、愛される喜びも、愛する喜びも……与える喜びもありますのよ」
「愛する喜び、与える喜びですか」
「貴族の殿方というのは、かしずかれて当然だと思っています。ですが、愛されることにも飢えているのです。上流階級の出身として、早くから母親に甘えることもできずに教育をされるものでしょう? ですから、愛に飢えているのです。快楽を貪ろう、奉仕させようとすることばかりな方も多いのです。ですから、きちんと誘導してあげませんとね」
「ためになります」
「この子の境遇は聞いています。かわいそうに、同情して然るべきものですから、私は精一杯愛してあげようと決めていました。ああ、だから本当に可愛い……」
「んんっ……!?」

 頬を擦り寄せながら、乳首を親指の腹でなぞった。
 のけぞるエリンを、穏やかな視線でいたわっている。
 行為は別にしても、聖母のようであった。

「そうしたら、ほら。この子も私の愛にこんな風に応えてくれる……」
「ああっ!?」

 伯爵夫人がすっと半ズボンを脱がすと、見事にそそり立ったエリンのモノが顔を出した。

「嬉しいわ、こんなにしてくれて。さあ、これからもっと頑張りましょう」
「え? な、なにを……」

 エリンを腕を絹のリボンで縛り、目隠しで視線を塞ぐ。

「お嬢様も、あなたに見られると恥ずかしいでしょう? だから、ちょっと目隠しをさせてもらうわね」

 戸惑うエリンを伯爵夫人は寝そべらせた。
 そして、エリンのおちんちんを優しくさする。

「激しく、貪ることで気持ちよくもなりますが、もっと深い満足を得ることもできます。それが与える喜び。自分が与える快楽に、殿方がこれを求めるようになれば、心が満たされるものです。与え、求められる……愛につながるのです」
「はぁ、あっ……」

 むずがるようにするエリンを、さらに愛撫しつつ、伯爵夫人はフリージアに語った。
 フリージアも真剣に聞きつつ、身体が熱くなっていく。
 与える喜び――。
 高貴な女性は、身分の低い男に快楽を与える立場で優越感を満たされるという。
 ギュスターランド公爵家令嬢という立場のフリージアは、これを学ばねばならない。伯爵夫人の手練手管は、実際にエリンに発揮される。
 その行為ゆえに蔑まれる娼婦であるが、教養と美貌、そして性愛の技術があるのなら貴婦人として宮廷にも出入りできる。
 おおっぴらにはされていないが、フリージア以外にも、こうした高級娼婦に手管を学ぶ貴族の子女は多い。

「では、次に移りましょう」

 伯爵夫人は、ベッドチェストの上に置かれた小瓶を取って中身を掌に開けた。
 本来は、赤ん坊の乾燥しやすい肌を守るための香油だが、肌を手入れする化粧品としても使われる。
 これを十分に伸ばすと、エリンの竿を包み込むように握る。
 思わず、フリージアは息を呑む。

「な、なに、してる……!?」

 目隠しを封じられたエリンは、性器を握られたことはわかる。
 それ以外のことはわからない不安と、視覚の代わりにより鋭敏に感じ取ろうとする人体の反応によってこれを触感で把握するしかない。

「……大丈夫よ、ゆっくりやりますからね」

 その言葉通り、伯爵夫人は強くしごきあげることはせず、下から上へと牛の乳搾りのような手付きで扱う。
 一気にやってくる快楽とは違う。
 もどかしい、じれるような感覚だ。

「激しくすれば快楽が与えられるとも限りません。これは男女ともです。貪り合うような行為もありますが、お嬢様は高貴なお立場ですからね。……じっくり慈しみ、心の芯から蕩けさせるように」
「は、はい……」
「うあ、あああ、はあぁぁ……」

 下から、上へ。上から、下へ。
 まんべんなく香油を塗り込むように行われた。
 てらてらと濡れるエリンのそれは、愛くるしいものにも思えるほどで、ビクッ、ビクッ……と震えている。
 今度は、雁首の下と裏筋を丁寧に責める。
 鈴口から溢れた透明な先走りが、香油と混ざってよりぬるぬるとぬめっていった。

「こうやって、しっかりと愛撫すると快感と満足は深くなります。ごしごしとやってぴゅっと終わるのは、こちらも楽しくはないでしょう?」
「ああ、わかりましまた……」

 すぐに射精をさせないよう、伯爵夫人は丹念なフェザータッチに徹している。これを説明しながら、今度は亀頭を親指の腹でくりくりと弄くり回す。
 指使いは徐々に早くなり、柔らかい海綿体が卑猥に滑って形を変える。
 粘液にまみれたうなぎを捕まえようとする手付きだ。
 陰茎への直接な刺激ではないため、射精もできない快楽に、エリンは息も絶え絶えであった。
 視覚も塞がれて、全身がおちんちんになったかのように錯覚する。
 もう、我慢できず、頭がおかしくなりそうだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

処理中です...