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悪役令嬢の疼き
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「さあ、今は誰があなたのおちんちんをしゃぶっているのかしら?」
伯爵夫人が、目隠しをしたままのエリンの耳元で囁いて問う。
「お、お嬢様? じゃない……。さっきの、二番目にしゃぶった子……」
「その子の名前は? ちゃんと名前で答えないと、最初からやり直しよ」
「……マイア、マイアだったはず……!」
「はい、せいかーい」
「はぁ……。はぁ……」
伯爵夫人の提案で、数名の娼婦たちを呼んでエリンに誰がフェラチオをしているかを当てさせるゲームをしたのだ。目隠しをしたまま、名前と舌の技が全部一致させるまで繰り替えさせ、二順してようやく正解した。
「じゃあ、ご褒美に目隠しを取ってあげる」
卑猥なことをさせたというのに、伯爵夫人は童女のように微笑んでいる。
呼ばれた娼婦たちも、拍手をする。
「誰が一番よかったかしら?」
「私でしょう、ねえ?」
「声まであげさせたのは、あたしよ」
「でも、出そうになったのは、私でしょう?」
「ねえ、エリン。わたくしでしょう……?」
騒ぐ娼婦たちの中で、恥じらいつつもフリージアが迫るように訊ねた。
「お嬢様のが、一番下手だった……。だから、当てられた」
「まぁ……!」
これはフリージアにとっては屈辱だった。
あんなに一生懸命にしゃぶったというのに、生意気なエリンに悔しさを感じつつも、顔を背けるいじましさがあった。
「直にうまくなりますよ。でも、娼婦の技ばかりうまくなってもいけませんね。お嬢様は、公爵家を継ぐのですから」
「でも、悔しいのです。わたくしだって、あんなにしてあげたのに」
「なら、今度はお嬢様がしてもらうといいでしょう」
「わたくしが、してもらう……」
期待が高まってしまう。
今度は、エリンが自分にするというのだ。
「フリージアお嬢様は、ギュスターランド公爵家令嬢として男もかしずかせることができるお立場の方です。奉仕のさせ方も知っておいてよろしいでしょう」
「では、どのように?」
「お嬢様の大切な部分を、この子に舐めて慰めさせるのです」
「わたくしのを、エリンに……」
想像しただけで顔が真っ赤になる。
女騎士ノエルにも同様のことをさせた。
敏感な部分を、エリンの舌が這う。
どれほど心地よいだろうかと、フリージアは自身の内腿が熱くなるのを感じていた。
「……僕が、どうしてそんなこと!」
強情を張ったエリンが、ぷいと横を向く。
伯爵夫人が、耳たぶを掴んで息を吹きかける。
「……んっ!」
さんざんいじくり回されていたエリンの体は、敏感に反応した。
「あら、せっかくお嬢様にやり返す番なのに」
「……やり返す?」
「だって、あなたがお嬢様を悶えさせることができる絶好の機会でしょう。……それとも、男なのにさんざんいじめられたせいで、女が怖くなったのかしら?」
「そんなこと――!」
反論するが、恐れているのはエリン自身でもわかる。
まだ若いエリンにとって、女性から受ける辱めは恐ろしいものだった。
それに対して復讐したい気持ちと、性的な興奮と興味は両立する。
その機会が、今あるのだ。
伯爵夫人が、目隠しをしたままのエリンの耳元で囁いて問う。
「お、お嬢様? じゃない……。さっきの、二番目にしゃぶった子……」
「その子の名前は? ちゃんと名前で答えないと、最初からやり直しよ」
「……マイア、マイアだったはず……!」
「はい、せいかーい」
「はぁ……。はぁ……」
伯爵夫人の提案で、数名の娼婦たちを呼んでエリンに誰がフェラチオをしているかを当てさせるゲームをしたのだ。目隠しをしたまま、名前と舌の技が全部一致させるまで繰り替えさせ、二順してようやく正解した。
「じゃあ、ご褒美に目隠しを取ってあげる」
卑猥なことをさせたというのに、伯爵夫人は童女のように微笑んでいる。
呼ばれた娼婦たちも、拍手をする。
「誰が一番よかったかしら?」
「私でしょう、ねえ?」
「声まであげさせたのは、あたしよ」
「でも、出そうになったのは、私でしょう?」
「ねえ、エリン。わたくしでしょう……?」
騒ぐ娼婦たちの中で、恥じらいつつもフリージアが迫るように訊ねた。
「お嬢様のが、一番下手だった……。だから、当てられた」
「まぁ……!」
これはフリージアにとっては屈辱だった。
あんなに一生懸命にしゃぶったというのに、生意気なエリンに悔しさを感じつつも、顔を背けるいじましさがあった。
「直にうまくなりますよ。でも、娼婦の技ばかりうまくなってもいけませんね。お嬢様は、公爵家を継ぐのですから」
「でも、悔しいのです。わたくしだって、あんなにしてあげたのに」
「なら、今度はお嬢様がしてもらうといいでしょう」
「わたくしが、してもらう……」
期待が高まってしまう。
今度は、エリンが自分にするというのだ。
「フリージアお嬢様は、ギュスターランド公爵家令嬢として男もかしずかせることができるお立場の方です。奉仕のさせ方も知っておいてよろしいでしょう」
「では、どのように?」
「お嬢様の大切な部分を、この子に舐めて慰めさせるのです」
「わたくしのを、エリンに……」
想像しただけで顔が真っ赤になる。
女騎士ノエルにも同様のことをさせた。
敏感な部分を、エリンの舌が這う。
どれほど心地よいだろうかと、フリージアは自身の内腿が熱くなるのを感じていた。
「……僕が、どうしてそんなこと!」
強情を張ったエリンが、ぷいと横を向く。
伯爵夫人が、耳たぶを掴んで息を吹きかける。
「……んっ!」
さんざんいじくり回されていたエリンの体は、敏感に反応した。
「あら、せっかくお嬢様にやり返す番なのに」
「……やり返す?」
「だって、あなたがお嬢様を悶えさせることができる絶好の機会でしょう。……それとも、男なのにさんざんいじめられたせいで、女が怖くなったのかしら?」
「そんなこと――!」
反論するが、恐れているのはエリン自身でもわかる。
まだ若いエリンにとって、女性から受ける辱めは恐ろしいものだった。
それに対して復讐したい気持ちと、性的な興奮と興味は両立する。
その機会が、今あるのだ。
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