22 / 110
4 幸せに成れない人間は幸せに慣れない 。
逃走
しおりを挟む
(side夏向)
早めにお風呂に入った後、僕はついうとうとしてソファで寝てしまった。制服のままで。生徒会長は寝間着を用意してくれた。けれども僕が着ると汚してしまう気がして、それを着ることが出来なかった。僕はここに来る時に着てきた制服のまま、ソファで眠りにつく。
「寝ちゃったんだ」
お風呂から帰ってきた生徒会長は、寝ている僕に気づく。
そして制服で寝心地が悪そうな僕を抱えあげ、寝間着に着替えさせた。そしてベッドにそっと下ろし、自身も寝る準備を整えベッドの隣に入る。
ベッドはもちろん、キングサイズ。ひとりでは大きすぎるベッド。ふたりでも余裕だ。
そのうち、生徒会長も眠りについた。
僕は随分後に目を覚まして、それに気づいた。ソファがベッドにかわる。そして制服で寝ていたはずなのに、寝間着だ。
そして僕は、ああこれは、生徒会長の仕業だと察した。
僕はまた制服に着替えて、この部屋を出た。せめてとメモを残したが、大して何も書けなかった。
入る時は指紋認証やら虹彩認証やらが必要だが、出る時はそうでは無い。
辺りはうっすら明るくなり始めていた。梅雨の季節だから微かに雨が降っているけれど……傘が必要な程でもない。もう少し待てば、朝になって門も開くだろう。学園のマップを把握するのに時間はかかったが、そんなに迷わなかった。
僕はそうやって、生徒会長の住居スペースから、そして学園から抜け出した。
生徒会長、どうか幸せに。
僕には強すぎる希望と、光だったんだ。
早めにお風呂に入った後、僕はついうとうとしてソファで寝てしまった。制服のままで。生徒会長は寝間着を用意してくれた。けれども僕が着ると汚してしまう気がして、それを着ることが出来なかった。僕はここに来る時に着てきた制服のまま、ソファで眠りにつく。
「寝ちゃったんだ」
お風呂から帰ってきた生徒会長は、寝ている僕に気づく。
そして制服で寝心地が悪そうな僕を抱えあげ、寝間着に着替えさせた。そしてベッドにそっと下ろし、自身も寝る準備を整えベッドの隣に入る。
ベッドはもちろん、キングサイズ。ひとりでは大きすぎるベッド。ふたりでも余裕だ。
そのうち、生徒会長も眠りについた。
僕は随分後に目を覚まして、それに気づいた。ソファがベッドにかわる。そして制服で寝ていたはずなのに、寝間着だ。
そして僕は、ああこれは、生徒会長の仕業だと察した。
僕はまた制服に着替えて、この部屋を出た。せめてとメモを残したが、大して何も書けなかった。
入る時は指紋認証やら虹彩認証やらが必要だが、出る時はそうでは無い。
辺りはうっすら明るくなり始めていた。梅雨の季節だから微かに雨が降っているけれど……傘が必要な程でもない。もう少し待てば、朝になって門も開くだろう。学園のマップを把握するのに時間はかかったが、そんなに迷わなかった。
僕はそうやって、生徒会長の住居スペースから、そして学園から抜け出した。
生徒会長、どうか幸せに。
僕には強すぎる希望と、光だったんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
106
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる