運命を殺したい僕、運命を幸せにしたい俺

かりん

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10 呼び名に込めるのは祈り。

ダンス

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(side光希)
「……はぁ、きもちい」

思わず俺の口から言葉が漏れた。
唾液は重力に逆らわず、夏向の口の端から流れ落ちる。トロンとした夏向の目は、何とも扇情的で俺の喉が鳴る。

「幻滅した……?」

夏向が俺と目を合わせてそう聞く。幻滅?なんの話だろう。
俺の方が今から夏向に酷いことをするのに。
分からないけれど……今の夏向、とっても。

「エロい」

もう一度口付けをする。それと同時に片手を夏向の制服の中に忍ばせた。
夏向の上半身の形を探るように手を這う。その度に夏向は甘い声を漏らした。

「ん……、だめ」
「ダメじゃない」
「だめだって……お願い」

だめって言う割には、夏向からフェロモンが漏れている。運命のフェロモンは相性が良すぎて、片方がフェロモンを出すともう片方もつられて無意識にフェロモンを出してしまうらしいが……まさに今夏向はその状態だ。
勿論発情期の半分にも満たない量で残念ではあるけれど、こればかりは仕方がない。
俺とフェロモンでコミュニケーションをするようだ。フェロモンは絡みつき、混ざり合い、ダンスをしているように充満している。

漸く俺の手が夏向のふたつの蕾に辿りつく。カリカリと爪で引っ掻いてみたり、抓ってみたりすると、また夏向は可愛い反応をした。

「乳首、感じちゃうんだね」
「や、あんたが触るから……」
「俺だから感じてくれてるの?」
「いや……ん、」

俺を欲情させるための夏向のフェロモン。俺が夏向を欲しいように同じく、夏向も本能では俺を欲しがっている。その証拠に。

「勃ってる。俺に、感じてくれてるんだ」
「違う。やめて……はぅ」

夏向のスラックスの上から膨らんでいるそこに指を這わせる。否定の言葉はキスで塞いで、俺に溺れさせた。
ぴくぴくと反応する様は可愛くて……つい夏向のペニスも虐めたくなってしまう。

「ごめん、俺が止められない」
「……でも、僕はあんたから離れたい」
「本当に?夏向のフェロモンはこんなにも、喜んでいるように感じる。その証拠に、キスだけで勃起した。発情期でもないのにね」

そんなに勃起していたら辛いだろう?と思い、夏向のベルトを抜き、社会の窓を開ける。下着から夏向の可愛いペニスを取り出し、直に刺激を与える。

「あ……ん。みっ……せいと、かいちょ」
「光希って呼んで。何度も俺はそう言ってる」

夏向は泣きながらふるふると顔を横に振った。そんなにも、俺を拒絶するのか。本能では求めているのに。その本能に従って、獣みたいに求めれば俺は快楽を与えられる。
夏向と、『永遠のひとつ』になりたいと望むのはいけないことだろうか。

「だって、僕のせいで……」
「夏向は俺を受け入れるだけでいいんだ」

本当に、俺が夏向に求めているのはそれだけだ。それだけで夏向は幸せになれる。俺が全力で幸せにしてあげるから。だからどうか、拒まないで。夏向の為なら俺はなんだって捨てるし、なんだって拾う。なんだって利用し、世界中を味方にしても、敵にしてもいい。
夏向がそれを食べたなら、一緒に禁断の果実を食べて、躊躇いなく楽園から追放されよう。

夏向の為なら……それが俺の正義。
そのためなら悪にだって成れる。
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