8 / 43
8 異母妹とは血がつながっていなかったかもしれない
しおりを挟む
前提が間違っていたならば。
「お母様が亡くなったことで悲しんだのだか怒ったのだか、なのよね。普通の親だったら、どう思う? 妻を死なせた子供を殺してしまいたい程だと思うかしら」
「まあ、世間では『思い出すから見たくない』で遠ざけることはあるでしょうが、アリサ嬢さんの様に最終的に使用人にしてしまうというのはそうそう無いですね」
なるほど。
前提が間違っていたのかもしれない。
私はその考えをミュゼットへと送った。
そして当時のことを知っている人々はいないだろうか、ということを問い合わせた。
「難しい依頼ばかりどうも!
でも確かに難しいだけあって、やりがいはあるわね。
とりあえず今私は、近々蟄居謹慎が解ける子爵様の弁護士、ラルフ・オラルフさんの方に紹介していただき、アリサの疑問に思ったことも聞いています。
男爵の過去、それに親戚ね。
当時の知り合いというひと達をあたってみているのだけど、見事なまでに私的な友達というものが見当たらないの。
仕方がないから、当時の収賄の件を調べている、という名目で、そのついでに男爵を当時知っている人――仕事でも構わないわ、探して当たってみているの。
そこで一つ、興味深いことを言った人が居るのよ。
そもそも子爵様に、令嬢の結婚を反対したひと。
そんなひと居たの? と思ったけれど、居たのよね。
男性ばかり見ていたから気付かなかったのよ。
貴女のお母様にも友人が居たということをちゃんと考えれば良かったんだわ。
そこで私、子爵様から『家にわざわざ来てくれる程のお友達』を聞いたのね。
三人、見つかったわ。
一人は現在ルルカ男爵夫人となっているエリーゼ様。
次に実業家のサムサ夫人となってるジュリエール様。
最後にタシュケン子爵夫人のマリューカ様。
よく遊びに来ていて、結婚には反対したせいで縁遠くなってしまったんですって。
あ、それと。
もう一人、もの凄く…… 直接貴女のお母様とは関係は無いけれど、私の母様についてよく知っているひとを見つけたわ。
スリール子爵という方。
きっかけはオラルフさんが共同で使っている事務所へ行った時のことなのよ。
やっぱりロルカ子爵のあおりを食らって、オラルフさん一人で事務所を構えていられなくなって、カムズ・キャビンさんと一緒に事務所をやることになったんですって。
そのカムズ・キャビンさんの担当している方の一人にスリール子爵という方が居るのだけど。
この方が、私を見て驚いたのね。
何故だと思う?
スリール子爵はこう言ったの。『母上そっくりだ!』
どういうこと? と私は思ったわ。
そして手帳に挟んである家族写真を見せてもらったの。
この方は婚期を逃してしまったとか、過去の恋に破れたとか、後でオラルフさんに聞いたのだけど。
……この方のお母様の若い時の写真見て私本気でびっくりしたわ。
確かに私そっくりだもの」
「お母様が亡くなったことで悲しんだのだか怒ったのだか、なのよね。普通の親だったら、どう思う? 妻を死なせた子供を殺してしまいたい程だと思うかしら」
「まあ、世間では『思い出すから見たくない』で遠ざけることはあるでしょうが、アリサ嬢さんの様に最終的に使用人にしてしまうというのはそうそう無いですね」
なるほど。
前提が間違っていたのかもしれない。
私はその考えをミュゼットへと送った。
そして当時のことを知っている人々はいないだろうか、ということを問い合わせた。
「難しい依頼ばかりどうも!
でも確かに難しいだけあって、やりがいはあるわね。
とりあえず今私は、近々蟄居謹慎が解ける子爵様の弁護士、ラルフ・オラルフさんの方に紹介していただき、アリサの疑問に思ったことも聞いています。
男爵の過去、それに親戚ね。
当時の知り合いというひと達をあたってみているのだけど、見事なまでに私的な友達というものが見当たらないの。
仕方がないから、当時の収賄の件を調べている、という名目で、そのついでに男爵を当時知っている人――仕事でも構わないわ、探して当たってみているの。
そこで一つ、興味深いことを言った人が居るのよ。
そもそも子爵様に、令嬢の結婚を反対したひと。
そんなひと居たの? と思ったけれど、居たのよね。
男性ばかり見ていたから気付かなかったのよ。
貴女のお母様にも友人が居たということをちゃんと考えれば良かったんだわ。
そこで私、子爵様から『家にわざわざ来てくれる程のお友達』を聞いたのね。
三人、見つかったわ。
一人は現在ルルカ男爵夫人となっているエリーゼ様。
次に実業家のサムサ夫人となってるジュリエール様。
最後にタシュケン子爵夫人のマリューカ様。
よく遊びに来ていて、結婚には反対したせいで縁遠くなってしまったんですって。
あ、それと。
もう一人、もの凄く…… 直接貴女のお母様とは関係は無いけれど、私の母様についてよく知っているひとを見つけたわ。
スリール子爵という方。
きっかけはオラルフさんが共同で使っている事務所へ行った時のことなのよ。
やっぱりロルカ子爵のあおりを食らって、オラルフさん一人で事務所を構えていられなくなって、カムズ・キャビンさんと一緒に事務所をやることになったんですって。
そのカムズ・キャビンさんの担当している方の一人にスリール子爵という方が居るのだけど。
この方が、私を見て驚いたのね。
何故だと思う?
スリール子爵はこう言ったの。『母上そっくりだ!』
どういうこと? と私は思ったわ。
そして手帳に挟んである家族写真を見せてもらったの。
この方は婚期を逃してしまったとか、過去の恋に破れたとか、後でオラルフさんに聞いたのだけど。
……この方のお母様の若い時の写真見て私本気でびっくりしたわ。
確かに私そっくりだもの」
162
あなたにおすすめの小説
家族の肖像~父親だからって、家族になれるわけではないの!
みっちぇる。
ファンタジー
クランベール男爵家の令嬢リコリスは、実家の経営手腕を欲した国の思惑により、名門ながら困窮するベルデ伯爵家の跡取りキールと政略結婚をする。しかし、キールは外面こそ良いものの、実家が男爵家の支援を受けていることを「恥」と断じ、リコリスを軽んじて愛人と遊び歩く不実な男だった 。
リコリスが命がけで双子のユフィーナとジストを出産した際も、キールは朝帰りをする始末。絶望的な夫婦関係の中で、リコリスは「天使」のように愛らしい我が子たちこそが自分の真の家族であると決意し、育児に没頭する 。
子どもたちが生後六か月を迎え、健やかな成長を祈る「祈健会」が開かれることになった。リコリスは、キールから「男爵家との結婚を恥じている」と聞かされていた義両親の来訪に胃を痛めるが、実際に会ったベルデ伯爵夫妻は―?
私は愛する人と結婚できなくなったのに、あなたが結婚できると思うの?
あんど もあ
ファンタジー
妹の画策で、第一王子との婚約を解消することになったレイア。
理由は姉への嫌がらせだとしても、妹は王子の結婚を妨害したのだ。
レイアは妹への処罰を伝える。
「あなたも婚約解消しなさい」
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
婚約破棄の場に相手がいなかった件について
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵令息であるアダルベルトは、とある夜会で婚約者の伯爵令嬢クラウディアとの婚約破棄を宣言する。しかし、その夜会にクラウディアの姿はなかった。
断罪イベントの夜会に婚約者を迎えに来ないというパターンがあるので、では行かなければいいと思って書いたら、人徳あふれるヒロイン(不在)が誕生しました。
カクヨムにも公開しています。
甘そうな話は甘くない
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
「君には失望したよ。ミレイ傷つけるなんて酷いことを! 婚約解消の通知は君の両親にさせて貰うから、もう会うこともないだろうな!」
言い捨てるような突然の婚約解消に、困惑しかないアマリリス・クライド公爵令嬢。
「ミレイ様とは、どなたのことでしょうか? 私(わたくし)には分かりかねますわ」
「とぼけるのも程ほどにしろっ。まったくこれだから気位の高い女は好かんのだ」
先程から散々不満を並べ立てるのが、アマリリスの婚約者のデバン・クラッチ侯爵令息だ。煌めく碧眼と艶々の長い金髪を腰まで伸ばした長身の全身筋肉。
彼の家門は武に長けた者が多く輩出され、彼もそれに漏れないのだが脳筋過ぎた。
だけど顔は普通。
10人に1人くらいは見かける顔である。
そして自分とは真逆の、大人しくか弱い女性が好みなのだ。
前述のアマリリス・クライド公爵令嬢は猫目で菫色、銀糸のサラサラ髪を持つ美しい令嬢だ。祖母似の容姿の為、特に父方の祖父母に溺愛されている。
そんな彼女は言葉が通じない婚約者に、些かの疲労感を覚えた。
「ミレイ様のことは覚えがないのですが、お話は両親に伝えますわ。それでは」
彼女(アマリリス)が淑女の礼の最中に、それを見終えることなく歩き出したデバンの足取りは軽やかだった。
(漸くだ。あいつの有責で、やっと婚約解消が出来る。こちらに非がなければ、父上も同意するだろう)
この婚約はデバン・クラッチの父親、グラナス・クラッチ侯爵からの申し込みであった。クライド公爵家はアマリリスの兄が継ぐので、侯爵家を継ぐデバンは嫁入り先として丁度良いと整ったものだった。
カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています。
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
押し付けられた仕事は致しません。
章槻雅希
ファンタジー
婚約者に自分の仕事を押し付けて遊びまくる王太子。王太子の婚約破棄茶番によって新たな婚約者となった大公令嬢はそれをきっぱり拒否する。『わたくしの仕事ではありませんので、お断りいたします』と。
書きたいことを書いたら、まとまりのない文章になってしまいました。勿体ない精神で投稿します。
『小説家になろう』『Pixiv』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる