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本とかの感想
「ブルーピリオド」藝大受験編、たぶん今期のアニメにあたる部分の1~6巻を読んであらためて考えたこと。
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アニメは色々エピというか台詞というか説明をカットしているのが惜しいとは思うけど!
「藝大受験」で2年生の半ばからがーっと突き進む6冊どす。
藝大だぜ! 他の美大ではなく、東京藝術大学!
1巻表紙の主人公は2年の半ばまでフツーに成績もいいチャラいリア充(でも彼女はいねえしちゃんと勉強もやっている。つかお前ら一体いつ寝てるんだ元気だな若いな羨ましいよ!)だったんだけど、生の「絵」に出会って努力と集中でもっておっそろしいスピードで進化してくんだよな。
いやしょーじき、「そうとう『いい』目」とそれを「開く」メンタル持ってねえとそれはできねえ。
何というか、忘れた夢を思い出す、という歌の文句が出てくる訳よ。
デッサンを一年だけじっくりやったことがある時の。
石膏デッサン一つにしたとこで、まず対象をしっかり見据えることができないと、努力以前の話。
あの作業はどんどん頭が真っ白になってくんだよな。
そんでだんだん描く時のポイントを先生にだんだんアドバイスしてもらう+ともかく描く・考える・手を動かす・そんで何より見る。そんでまた考える。
そうするうちに自分との対話にどんどんなって行くし、テクニックが上がってもセンスは? とか色々、どんどん「あ、自分わかってねえ」ってのに気付くとか。
ワタシは大学の教育学部で木炭デッサンを1年やって、その後美大予備校の通信教育をやりかけて…… 挫折した組。
デッサンは本当にタメになった。夏休みには「スケッチブック一冊埋めてこい」が課題。
ブルーピリオドの中では先生が「デッサン*枚水彩*枚スクラップブック一冊写真毎日一枚」の様に具体的に出してくれてていたけど、まあ漠然としてた。結構雑誌の写真をじっと見て描いていたことが多かったと思う。
教育学部の美術ってのは、筆記と実技で比べればそら筆記の方に偏る。作品を作る能力を育てるのではなく、児童生徒に教える能力を身につける場所だったのだから。
だから入ってからデッサン初めて、という人も多かったと思う。
まあだから、国語専攻のワタシも入れてもらえたんだけどさ。
ただその「場」の存在は大きかった。
学ぶときね「場」が無いと難しいというものがあるとしたら、美術はかなりそれ。個人で石膏像は揃えられない。
高校で美術部二年間居たんだけど、新設校で設備も先生も今一つ判らなかったし、その時には文系の受験の方が大事だったから、……まあなあ。
その中でともかく木炭デッサンを、ちゃんとした先生に週一で教わって、来たい時にデッサン室に来てもいい、という許可をもらえたのは大きかった。ワタシがあの大学で学んで今でも有効だと思う数少ない一つなんだよな。
実際そこで得たのは対象を物体として捉える「目」。ただもう物体を物体として意味無く見据える目。
そしてその目と手を連結させるということ。
当時だったからこそ、結構合間を縫って熱心に取り組むことができた。今では目が長時間負荷に耐えられない。
若さは大切。
で、そのあと「美大予備校の通信教育」を取り寄せたんだけど、挫折。
理由は単純で、「デッサン課題に必要なモチーフを用意できなかった」が第一。
「スニーカー」だったらまだ何とかなったけど、その後「バケツとレンガと花」のように、モチーフを指定されて課題を出されたけど、そもそもそれが近場に無い。
「ちょっと待ってそんなもの何処にあるの?」。
そこからが「場」があるか無いか、手に入れようとするか、なんだよな。「場」には大概揃ってる。そこに出すお金を捻出できるか? バイトの金を快楽以外に使えるか?
それでもしたい奴は、その「場」を根性で入手する訳だ。
けどそれで心が折れる程度だったら、それ以上は無理だわさ。
ということで、ワタシは「美大生に憧れる・絵」に関してはすぱん、とあきらめたざんすよ。
だから八虎が、高二からでも、ともかく滅茶苦茶焚き付けの上手い先生の居る美術部と、きちんきちんとプロセスを踏んでくれる予備校に、ともかく最初の冬期講習を自分の金出して行きだしたというのはでかい。
んでもって彼が勉強とかでもの凄く真面目に一段一段やってくとこと、やり出した時の集中力。それは才能。
大学一年編で「努力する才能」の話があるけど、八虎はその才能の持ち主なんだよな。
ついでに言うなら、学校の成績がいい段階で、「頭が回る/人の言葉の解釈ができる」ということかな。まあそれが裏腹になることもあったけど、「天才」でない(……努力できて約一年で何とかなる時点で凡人ではないけどよ!)奴が一つ一つ上っていくプロセスはやっぱり楽しいですわ。合格おめ!
ワタシはここの主人公と違って「したいこと」はどんどん生まれてきたけど、「試してみて無理」をこうやって色々あって削って削って削って、残ったのが文書きと自転車に乗ることだとは思うんだけどね。
ただそれでも「金が取れる文書き」になる努力はなかなかできないというのが、今のとこの結論ではあるんだけど。
「藝大受験」で2年生の半ばからがーっと突き進む6冊どす。
藝大だぜ! 他の美大ではなく、東京藝術大学!
1巻表紙の主人公は2年の半ばまでフツーに成績もいいチャラいリア充(でも彼女はいねえしちゃんと勉強もやっている。つかお前ら一体いつ寝てるんだ元気だな若いな羨ましいよ!)だったんだけど、生の「絵」に出会って努力と集中でもっておっそろしいスピードで進化してくんだよな。
いやしょーじき、「そうとう『いい』目」とそれを「開く」メンタル持ってねえとそれはできねえ。
何というか、忘れた夢を思い出す、という歌の文句が出てくる訳よ。
デッサンを一年だけじっくりやったことがある時の。
石膏デッサン一つにしたとこで、まず対象をしっかり見据えることができないと、努力以前の話。
あの作業はどんどん頭が真っ白になってくんだよな。
そんでだんだん描く時のポイントを先生にだんだんアドバイスしてもらう+ともかく描く・考える・手を動かす・そんで何より見る。そんでまた考える。
そうするうちに自分との対話にどんどんなって行くし、テクニックが上がってもセンスは? とか色々、どんどん「あ、自分わかってねえ」ってのに気付くとか。
ワタシは大学の教育学部で木炭デッサンを1年やって、その後美大予備校の通信教育をやりかけて…… 挫折した組。
デッサンは本当にタメになった。夏休みには「スケッチブック一冊埋めてこい」が課題。
ブルーピリオドの中では先生が「デッサン*枚水彩*枚スクラップブック一冊写真毎日一枚」の様に具体的に出してくれてていたけど、まあ漠然としてた。結構雑誌の写真をじっと見て描いていたことが多かったと思う。
教育学部の美術ってのは、筆記と実技で比べればそら筆記の方に偏る。作品を作る能力を育てるのではなく、児童生徒に教える能力を身につける場所だったのだから。
だから入ってからデッサン初めて、という人も多かったと思う。
まあだから、国語専攻のワタシも入れてもらえたんだけどさ。
ただその「場」の存在は大きかった。
学ぶときね「場」が無いと難しいというものがあるとしたら、美術はかなりそれ。個人で石膏像は揃えられない。
高校で美術部二年間居たんだけど、新設校で設備も先生も今一つ判らなかったし、その時には文系の受験の方が大事だったから、……まあなあ。
その中でともかく木炭デッサンを、ちゃんとした先生に週一で教わって、来たい時にデッサン室に来てもいい、という許可をもらえたのは大きかった。ワタシがあの大学で学んで今でも有効だと思う数少ない一つなんだよな。
実際そこで得たのは対象を物体として捉える「目」。ただもう物体を物体として意味無く見据える目。
そしてその目と手を連結させるということ。
当時だったからこそ、結構合間を縫って熱心に取り組むことができた。今では目が長時間負荷に耐えられない。
若さは大切。
で、そのあと「美大予備校の通信教育」を取り寄せたんだけど、挫折。
理由は単純で、「デッサン課題に必要なモチーフを用意できなかった」が第一。
「スニーカー」だったらまだ何とかなったけど、その後「バケツとレンガと花」のように、モチーフを指定されて課題を出されたけど、そもそもそれが近場に無い。
「ちょっと待ってそんなもの何処にあるの?」。
そこからが「場」があるか無いか、手に入れようとするか、なんだよな。「場」には大概揃ってる。そこに出すお金を捻出できるか? バイトの金を快楽以外に使えるか?
それでもしたい奴は、その「場」を根性で入手する訳だ。
けどそれで心が折れる程度だったら、それ以上は無理だわさ。
ということで、ワタシは「美大生に憧れる・絵」に関してはすぱん、とあきらめたざんすよ。
だから八虎が、高二からでも、ともかく滅茶苦茶焚き付けの上手い先生の居る美術部と、きちんきちんとプロセスを踏んでくれる予備校に、ともかく最初の冬期講習を自分の金出して行きだしたというのはでかい。
んでもって彼が勉強とかでもの凄く真面目に一段一段やってくとこと、やり出した時の集中力。それは才能。
大学一年編で「努力する才能」の話があるけど、八虎はその才能の持ち主なんだよな。
ついでに言うなら、学校の成績がいい段階で、「頭が回る/人の言葉の解釈ができる」ということかな。まあそれが裏腹になることもあったけど、「天才」でない(……努力できて約一年で何とかなる時点で凡人ではないけどよ!)奴が一つ一つ上っていくプロセスはやっぱり楽しいですわ。合格おめ!
ワタシはここの主人公と違って「したいこと」はどんどん生まれてきたけど、「試してみて無理」をこうやって色々あって削って削って削って、残ったのが文書きと自転車に乗ることだとは思うんだけどね。
ただそれでも「金が取れる文書き」になる努力はなかなかできないというのが、今のとこの結論ではあるんだけど。
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