お隣まで何百メートルな地方のだらだら百合ライフ。

江戸川ばた散歩

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第32話 4/27-B 備蓄とわ。

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 いやもういい天気で。

「毛布もうしまってもいいかなー」
「あたしまだ寒いよ」
「俺も」
「足だけは残しておきたいねえ」

 とか我が家ではまだまだ決まらないなー。
 ともかくいい天気なので干す。
 ありがたいことにウチには花粉症はいない。……いやまじありがたい。らしい。

「だけど匂いがイヤなものはあるな」

 そう兄貴は言う。農家がそれでいいのかと思うが。

「いやお前、栗の花の匂いわかるだろ?」

 知ってはいるのでうなづいた。

「あれなあ…… 何って言うかなあ……」
「なまなましい?」
「わかるか」
「まあ。でもお兄程じゃねーなあ。あのなまなましい匂いがしだしたら初夏だなーとは思うけど」
「私はジャスミンの方が鬱陶しいなあ」

 妹のイツハは言った。

「役場の側にさー、無茶苦茶咲いてるとこあるんだよ。昼食べに外のベンチに出ようとすると、ちょうど……」
「それはもう中で食べい」
「そういうマトモな答えはいらん」

 うん知ってる。そういう返しをよくあいつからもらっとるわ。

「今日は竹取りに行くの?」

 ねーさんが聞いてきた。

「うん。いー加減石箕作んなくちゃな」
「ウチの籠も二、三個作ってくれない? こっちはざっとでいいよ。野菜入れたいだけだから」
「大きさは?」

 このくらい、とねーさんは腕を広げた。

「六ツ目?」
「入れるのが今日明日使うくらいの玉ねぎとか、も少ししたらなすとかトマトとか」
「わかった一応それ頭に置くわー」

 この場合は、ちゃんと使えるものであることには違いない。ただざっと採ってきた竹ですぐ作ってしまえることは確かなんで、気楽と言えば気楽。
 ガキどもがトゲ刺さないように、というのはあるけど、ある程度はそれはねーさんも判ってる。うちのガキどもは結構裏山ですり傷作ってる方だけど、「洗っとけば治る」派だったりするのだ。
 そりゃ蜂に刺されるのとかはまずいけど、応急処置はもう勝手に遊びに行く歳の奴には身体に教え込んでおくぜ! くらいのことはする。
 何たってこの町には医者がいない。
 一番近いとこでも、軽トラ飛ばさないといけない。
 だからこそ結構アルコールが~とか言われてても、そもそも普段から買い置きしてある。ゴム手袋やら、作業用のマスク。殺虫剤とか撒く時に吸い込まない様にするためのもの。
 そういうのを普段から見慣れていたから、割と今の状況ってのが他人事なのかもしれない。
 ……って言うとどやされそうだけど、普段がそれこそ何処に行くでもない環境に住んでたら。
 まあやめとこ。
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