お隣まで何百メートルな地方のだらだら百合ライフ。

江戸川ばた散歩

文字の大きさ
54 / 65

第54話 5/14-B 枕で枕のはなし

しおりを挟む
「つまり話の枕とか枕もとに置く冊子とか、そーいうことも色々兼ねてそう言ってるわけ」

 というのを寝物語にして二晩ー!
 ついついスイッチが入ってしまったらしい。
 いやまあそうだよなとは思う。
 こいつ基本的に自分の得意分野を話せる時にはがーっと話し出すんだよな。
 まあそれについていける奴はここいらには居ない。こいつの専門分野に関わってる奴がこの辺りに居るかいっ!
 なので奴はだいたいそういう話は電話だのメールだのネットで発散させているんだが、時々まじで「講義」したくなるんだと。
 半分は自分の記憶の確認、らしいが…… 記憶ってのはなあ……

「ちなみに何で清少納言って名なんだっけ?」

 ごろんとこいつの方を向きながらそう訊ねたら。

「前も言っただろ! 清原さんなんだってば! 清原何とかさんなんだけど、その名前ははっきりしてなくて」
「清原の少納言ってことかー。女でそういう地位になれたって凄いね」
「それ違う。あだ名。候名って言って、仕える時専用の名をつけてもらうの」
「んじゃ少納言っていうのは?」

 まあ一応少納言中納言大納言(そう言えば大納言もなかとかそういうお菓子があったよーな記憶が)ってのが大将中将少将の様に地位の様な職のようなもの、ってことは何とか覚えた。もう何度も講義されてるからな!

「これが今一つはっきりしないんだよー。父親とか親戚とか身近な男性の官位とか任国とかから付けるんだけどさ、今一つこの清原元輔さんの娘さんの場合出所がわかんないんだよ」
「へえー。源氏の作者の方は」
「あっちははっきりしてるんだけど。でもあっちはあっちでまた問題があって」
「何」
「一応本名は『香子』じゃないか? ということと、藤原為時の娘で惟規のねーさんじゃないかとは出てるのね。で、実際に当時香子ってひとが居ることは居るんだけど、その本当に作者かどうかというのがはっきりしないんだわ」
「日記もあるんだろ? 確かお前途中から愚痴手紙になるって言ってた」
「はじめは仕えてる中宮のお産が凄い! 素晴らしい! 綺麗! とちゃんと色々書いてるんだけど、途中から何故かどんどん人物評みたいのになってくんだわ。文章も鬱陶しいものになってくし」
「名作の著者だろ?」
「名作の著者が必ずしもいい人とは限りませんー。それに日記自体も本当にそれ全体でまとまったものなのか、というとこれはこれでまだわかってないし」
「面倒……」

 うん、絶対アタシには関われない世界だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...