お隣まで何百メートルな地方のだらだら百合ライフ。

江戸川ばた散歩

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第65話 5/25-A ということでおわり。

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「籍ー?」

 さすがにそれを出してくるとは思わなかった…… いや、いつか言ってくるよなとは思ってたけどな。

「うん。それでどうこうってこたないし、アタシは仕事がこれだから名前が多少変わっても変わらなくてもさほどの問題はないし」
「それはこっちも同じだなー。でも何で今?」
「いやだって、いきなりお前がぱっと病気とか事故とか遭った時にすぐに近くに行けないの嫌だし」
「……まあ確かに、下手にそこで探られたくない親戚とか掘られても嫌だしなー」
「だろ。で、お前そのままだと絶対縁談来るぞ。今仕事くれてる人達から」
「う」

 反射的に退いた。実は来ている。時々。で、その都度断ってはいるんだけど、その理由は言っていない。

「あ、来てるんだな」
「何で判るんだお前」
「どんだけのつきあいだと思ってるんだよ。で、想像してみるぜー。お前のことだからうだうだメールか電話ですみませんお断りしてくださいとこれ! という理由はつけないでいる」
「……」
「で、その理由つけないから向こうも心配して次々送ってくる。そろそろそこは言った方がいいぜー。男と結婚する気ねえって」
「つかおめーさっきから言ってるけど、そっちのおうちはどうなんだよ」
「うん、さっき非常事態宣言解除ってテレビで言ってたから、そのついでに言った。あ、今んとこ親父抜き」
「親父さん抜きかい!」
「そんで役場づとめのイツハはその場に居たぞ」
「あーでも、そういう時に抜かすと、後で厄介になると思うぞ……」
「だからタイミングだわな。いずれは言おうとは思ってたんだわな。で、今はちょうどいいと思うんだわ。ただかーさんは抜きで進めてもいーよ、と言ってた」
「……おばさん……」

 やっぱりばれてたか。

「何でばれたんだろなー」
「そこは夫婦生活やってた主婦の年の功?」
「かもなあ」

 とは言ったものの。
 単に同じ歳の幼馴染みがひたすら行き来して一緒にばかり行動してて殆ど家族のようにごはんまで食べてる状態ってのはどうよ、とおばさんも思って何となくうかがってたんだとは思うけどさ……
 それでずっと口をつぐんでいたのも面倒になったんだと思う。
 ただおじさんがどう思うかはまた別だから、自分が話をつける、ということだよな。
 うん、そこはストレートに当たるのはなかなかワタシとしても怖い。

「けど何でまた今言い出した?」 
「さすがに今回の距離取れーってのはなかなかアタシにはプレッシャーだったしー」
「プレッシャー感じてたんかい!」
「プレッシャーだよー」

 そう言いながら抱きついてくる。すりすり頬っぺたを首筋にこすりつけてくる。

「アタシはこういう生活が他人だからできない、って言われたら嫌だし」
「養子縁組でいいんか?」
「家族の名目もてたら何でも構わんよー。老後に寂しいからー、という名目でもいいしー」

「……つかそれだろ結局」

 くはは、とワタシ達は笑った。
 さていつ出しに行こうか。
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