〈完結〉婚約破棄を力技で破棄させた理由と結果。

江戸川ばた散歩

文字の大きさ
18 / 24

17 おそらくそれは再会なのかもしれない

しおりを挟む
「で? その短銃を友人が欲しがっているという理由については、特に何も思わなかったのか?」
「何かあるんだろうとは思いましたが~まああの友人の考えることならまあそう間違いではないだろうな~と思いまして、普通に請け負いました。
 楽しそうな依頼でもありましたし」
「楽しそう」
「結構難しそうな依頼でもありましたし。
 それに確かに女の子が簡単に護身に持つことができる銃があるのは悪くないなと思ったんですよね~」
「その理由は?」
「え~、ご婦人でも娘さんでも何でも、やはりかどわかしとかあるではないですか。
 その時に最初の一、二発で相手をまあ殺さずとも足止めできる様な護身用があると、もう少し気楽かなあ、と思うことがその昔留学していたことにちょいちょいありましたので」
「まあ帝都は、それなりに危険な場所は多かったろうな」
「あとこちらでも、森に迷い込んだ時に急な獰猛な動物が現れたら大変ですよね~そういう時に一発ばん、とやるだけでもずいぶん違いますから」
「それは確かに。
 宜しい、其方のその改良短銃に関しては、皇帝陛下の方に報告させてもらう。
 用途も込みでな。
 むしろ、私自身としては技術畑の職人としてスカウトしたいところだが」
「いえいえ」

 にこやかに笑いながらキーネルは手を振った。

「自分はもうあの面倒な帝都とお近づきになりたくは無いので、この国でのんびり暮らしていきたいと思います~ただしご依頼があれば何かしらのお仕事はいただきたく」
「そうか、考えておこう」

 座っていいですか~、とキーネルはそのままアイアンの横に腰を下ろした。
 それまでハリエットとアイアンの辺りに漂っていた物騒な空気が急にゆるくなるのをアンネリアは感じた。
 なかなかこういう人物は貴重だ、と彼女は思う。

「さて、ハリエット嬢」
「はい」
「唐突だが、そこに居るのは誰だと思うか?」

 アンネリアは先ほどハリエットに串を投げた金髪の子と、それをかばう様にマントで覆った黒衣の騎士を指す。

「……」

 ハリエットは軽く目を伏せる。
 濃い、長いまつげが彼女の表情に陰翳をつける。 

「さて、どなたでしょう。私にとっては預かりしらぬ人かと」
「本当にそうかな」 

 黒衣の騎士はつ、と立ち上がるとハリエット達の側に寄った。
 黒い髪、黒い太い眉、そして黒い、ぎょろりとした大きな強い瞳。

「ハル」

 低い声が、彼女に呼びかける。

「その名で呼ぶならば、まずそちらのお嬢さんの紹介をしたらどうだ? アスワド」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

《完結》初夜をすっぽかされた令嬢は夫を死亡扱いする

さんけい
恋愛
クズ夫の非常識を帳簿で粛々と清算!真実の愛?笑わせるわね! 全14話。

【完結】あなたに従う必要がないのに、命令なんて聞くわけないでしょう。当然でしょう?

チカフジ ユキ
恋愛
伯爵令嬢のアメルは、公爵令嬢である従姉のリディアに使用人のように扱われていた。 そんなアメルは、様々な理由から十五の頃に海を挟んだ大国アーバント帝国へ留学する。 約一年後、リディアから離れ友人にも恵まれ日々を暮らしていたそこに、従姉が留学してくると知る。 しかし、アメルは以前とは違いリディアに対して毅然と立ち向かう。 もう、リディアに従う必要がどこにもなかったから。 リディアは知らなかった。 自分の立場が自国でどうなっているのかを。

病弱を演じる妹に婚約者を奪われましたが、大嫌いだったので大助かりです

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。 『病弱を演じて私から全てを奪う妹よ、全て奪った後で梯子を外してあげます』 メイトランド公爵家の長女キャメロンはずっと不当な扱いを受け続けていた。天性の悪女である妹のブリトニーが病弱を演じて、両親や周りの者を味方につけて、姉キャメロンが受けるはずのモノを全て奪っていた。それはメイトランド公爵家のなかだけでなく、社交界でも同じような状況だった。生まれて直ぐにキャメロンはオーガスト第一王子と婚約していたが、ブリトニーがオーガスト第一王子を誘惑してキャメロンとの婚約を破棄させようとしたいた。だがキャメロンはその機会を捉えて復讐を断行した。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話

ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。 完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。

【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪

鈴菜
恋愛
あらゆる傷と病を癒やし、呪いを祓う能力を持つリュミエラは聖女として崇められ、来年の春には第一王子と結婚する筈だった。 「偽聖女リュミエラ、お前を処刑する!」 だが、そんな未来は突然崩壊する。王子が真実の愛に目覚め、リュミエラは聖女の力を失い、代わりに妹が真の聖女として現れたのだ。 濡れ衣を着せられ、あれよあれよと処刑台に立たされたリュミエラは絶対絶命かに思われたが… 「残念でした♪処刑なんてされてあげません。」

愛する義兄に憎まれています

ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。 義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。 許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。 2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。 ふわっと設定でサクっと終わります。 他サイトにも投稿。

処理中です...