燃える銃弾

後編

覚醒者

突然取調室へと乗り込んできたのは、電話をかけてきた東ではなく、お面を被った見知らぬ男達だった、「この男連れてけ」一人ショットガンを持った男が回りにいるやつらに指示すると動けなくなっていた真城をハンカチで謎のガスを顔に着け眠らせた、武装集団はすぐに取調室から警察が来る前に逃げようと少し焦りながらも、リーダーらしき男は携帯を取り出し東に連絡していた、
この事はすぐに署内にいる人間に伝わっていた、刑事の三上は突如の銃声に驚き音がした場所へと走るとすでに何人かの刑事は血だらけで倒れていた、「おい！何があった」「す、すみません真城を連れていかれました」血だらけの刑事は必死に涙ながらに三上に謝ったがその後目を閉じた、「しっかりしろ！おい！」すると後ろから安田など何人かの刑事が駆けつけてきた、「先輩襲撃者は今どこに」「恐らくまだ署内にいる可能性はまだある、手分けして探すぞ」「はい！」刑事達はすぐに拳銃を構え逃げた先を追うためその場から走り去った、三上も冷や汗をかきながら署内の襲撃者を走り探し回った、事件が起きたのは丁度正午のお昼の時間帯回りは静かな空気で溢れている、刑事たちにも緊張が走っていた、「早く急げバカ野郎！」芝警察署裏口付近まで武装集団は逃げていた、「約束の場所はたしかここだったはずだ、東はどこにいる」すると真城は目を覚ましさっきまでのことを思い出したかのように暴れだした、しかし逃げる際目隠しされロープで縛られていて動けなかった、その時「止まれ、そこでおとなしく武器を捨てろ」声がする方を振り向くとどこかで聞いたことのある声がした、ショットガンを持つ男は何事かと見ると刑事の安田が拳銃を構えていた、「早く武器を捨てろ！」何度も安田が脅迫するが、武装集団のリーダーは安田をみながらニヤリと笑い持っていたショットガンを構えた、「なっ、な！」三上は裏口が見えるところへと向かい二回の手すりから偶然現場を見た、すぐにその状況に理解した、「安田！」「バーーーーン」
奴等は発砲したあと真城を連れて署内の裏口へと出ていった、三上は思わず肩を崩れその場の手すりに倒れた、「三上警部補！今の音は」探していた他の刑事達もその場へと集まってきた、「クソ、クソ、安田」三上は壁におもいっきり手お打ち付けたあと持っている拳銃を取り出し後を追いかけた。



「は！」真城は目隠しを取られるとそこは廃墟となっている建物の中へと辺りが暗闇な場所へ椅子に縛られたままになっていた、真城は逃げようと体を体を揺らしたり縄をほどこうとすると、前からお面を被る男が歩いてきた、その男はあの襲撃して真城を連れてきたリーダー格の男の様にその雰囲気に真城はすぐに気づいた、「やぁ、おはよう」男はお面を外すとナイフを取り出した、リーダー格の男の顔は頬が傷だらけになっていた、「殺すのは待て」奥の暗闇から出てきたのは東だった、「真城、警察と何の協力をした」東は手に持っている銃を見ながら真城に問いかけた、「俺は、ただ、普通の生活に戻りたかっただけだ」真城は東の顔を睨みながら応えた、「我々はもう手がつかないところまで迫って来ている、今の内に情報を知っている奴等は始末しておけ」そう東は言うとナイフを突き付けたリーダー格の男は真城を別の場所へと移した、




都内の病院では、三上は安田が眠っている姿をじっと見つめたまま白い布で隠された顔を見ることなくその場にたっていた、「三上、遺族の方がこられるそうだ、今の内に出た方がいい」「わかりました」三上は安田の遺族のためになるべく会わないよう避けて病院の外のベンチへと居座った、三上はベンチに座ると窓から泣き叫ぶ声が聞こえてきたて三上も自然と涙が溢れ帰ってきた、「安田の死は無駄にしてはいけない」そう三上は心の中で悔しさと怒りを何とか抑えながら、胸に誓った、するとポケットにいれてあった携帯が突然なりだし着信者を見ると相手は眞鍋警視正からだった、慌てて三上は流した涙を手で拭い電話に出ると何か向こうの方では騒がしく音が聞こえてきた、「三上俺だ、すぐに本部に戻ってこい」「何かあったんですか？」三上は一体何が起きたのかすぐに解らなかった、「詳しい事は捜査会議で話すが、ICチップの内部がついさっき鑑識で特定された、もしかすると警察がいよいよ動けるかもしれない」その眞鍋の電話に三上はすぐさま病院を出て署へと走っていった。




真城は縛られていた椅子から立ち上がり後ろの手を縛られながら、何者かに連行されていると、歩いている前の方に一人ロープで吊るされている女性の姿が見えた、真城はゆっくりとその場所へと歩き吊るされた女性へと近付いていくと真城の目は何も映ることなくただじっと見ているだけの無の感情になりそれがやがて怒りや憎しみへと豹変していった、「お前あの女が誰かわかるな、こいつはお前の、は、は、お、」「ヴーーーーーーーーーーガーーーーーー！」真城は突然暴れだし、慌てて武装集団は隠し持っていた銃を取り出し真城に銃口を向けた、「哀れだな真城、お前も母と一緒に、消えろーー！」
「バーーン」薄暗い地下室のような場所で大きな銃音が鳴り響いた、すると銃口を向けていた武装集団のリーダー格の男は突如手に持っていた銃を落とし、ニヤリと笑みを浮かべながら赤い血が口の中から吹き出してきた、「ハー  ハー  」回りもの達は慌てて真城の方を見ると真城の手には銃が握られていた、「お、お前」真城の目は怒りに溢れた凶器な目に燃えていた、「早く撃ち殺せ」「バンバンバン」しばらくの間静かなはずの廃墟はいつしか銃撃戦へと変わり始めた。