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魔王と勇者 編【L.A 2034】
しかたなかったなんて、いえない
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ずっと剣を振るっているサイロンの腕は、未だ速さを保っている。『これ』と呼ばれたその異質はまるで空気のようにサイロンを翻弄していた。剣の動きを読んでいるのではない、剣の表面を空気が撫でるように、布を掠めることもなく流している。
「ジェイソン!ベネット様を!」
ベネットは始めから見ていた。ジェイソンが叫んだときも、サイロンが攻撃を仕掛けた瞬間も。肩も足も震わせたまま。
「当たりもかすりもしねぇぞ!どうなってやがる!?」
「魔術をずっと発動して躱し続けているんですよ!しかしっ……魔術とは同時に複数は発動できない……なぜ!」
前世で長く共に戦い、今でもなお狩りに出掛け、チームワークは取れていたはずだった。交互に攻撃を繰り返し、全員で同時に叩く。それすらも躱されているのだ。何度も、何度も。然しものサイロンも、疲弊の色が浮かび息が上がっている。トーマもドレアスも、苛立ちが勝り始め攻撃するタイミングのバランスが崩れていた。
「や、やめてください!!」
かすれて語尾がひっくり返るほどの叫びに、止まっていた息が吹き返される。サイロンは離脱状態にあり、二人も肩を大きく揺らしとめどない汗が顎から滴り落ちている。
「ベネット、だめ!」
「そ、その人は!私たちに危害を加えたわけでも……みなさんに攻撃したわけでもありません!もう、やめてください!!」
「っ……ですが!」
確かにその通りだ。その通り、だが。長く戦いに身を置いていた自分たちの本能が警鐘を鳴らしている、そう、今もずっと。
ジェイソンが止めようとする手を振り切ってベネットは走り寄る。
警鐘の根源は、動かないまま。
「そぉだよ、君たちはあんな可愛い子を泣かせたいの?」
全員が驚いて一点に視線が集中する。ベネットに至っては、もつれた脚に片足を引っ掛けて転びそうになっていた。
「喋った!?」
「喋るよぉ、手もあるし、足もある。ところで何で攻撃されたの?」
突如として語りだした彼……『彼』と全員が認識したのは、声色というただそれだけの特徴。手もある、と言った彼はマントから手だけを出してひらひらと振りだした。
「…………生き物の、気配ではなかったから」
そう告げたのはサイロンだった。体力が回復したらすぐにでも、もう一度斬りかかりたいと考えていることは、深く刻まれた眉間の皺を見れば分かった。剣の柄を握りしめる手は血管が浮かぶほどに。
「そっかぁ、なるほど~……安心してよ、って言っても……すぐは信じてもらえないかぁ。あの子以外は」
寝起きみたいな、伸びた特徴のある口調で語る姿は獣の頭蓋骨に全身黒マント。あまりの不一致さと、生き物ではないという気配がさらに不気味さを増す。
「怪我は……っ!ありませんか!?」
「大丈夫、ありがと」
彼の元へ辿り着いたベネットは、薄すぎる真っ白なその手を握った。その手を握り返す彼は、頭蓋骨をコテンと横に傾けて宥める。トーマたちが歯を食いしばるのは、羨望などではない。ベネットを攻撃される前に、走りだせるように。
「まず自己紹介するかな、俺はアオイ、旅する魔術師……うぅん、魔術の研究が主かな?それに旅は終わったから……」
「何を言って……」
その名はあまり耳に慣れない響きだった。自己紹介という割には急に悩み始めてぶつぶつひとりごちた。
「魔術に導く、うん、そう、魔導師がいいね。俺は魔導師だよ。ここはまっさらで、広くて、本がたくさんあっていいところ。気に入っちゃった」
「はァ!?」
勝手に解釈して、勝手に納得して、勝手に居座る気になっている。言葉を失いかけているトーマやサイロンの代わりと言わんばかりにドレアスは腹から出たような声量で怒りをあらわにした。
「お前は、何か目的があってここへ辿り着いたのかい?」
大剣を支えにサイロンは立ち上がる。
「うん、あるね。俺は世界を救う基盤を作るためにここへ来たんだ」
自身を魔導師だと称したアオイは声色も変えず当たり前にように告げた。
「……世界を、救う……」
「口で言うのは簡単です!それほどの魔術を扱えるならなぜここを選んだんですか!?」
ベネットは何かを抑え込むように胸の真ん中に拳を押し付ける。トーマたちのように、きっと言いたいことはあるはずなのに。
「トーマ……国に属したって、トーマみたいになっちゃうよ」
「……ッ」
「さっき言ったけどなぁ、ここがまっさらだから」
魔術とは教本が長年にわたり同じ形式で発行されるように、不変で様々な制約がある。不可能を、不可能だと言い切っている。だからこそ、魔術師の中で独自の術式を発案したり、誰よりも早く詠唱ができたり、多くの魔術陣を連続で展開できる人材を国は取り込もうとするのだ。無論、軍事利用のために。
「魔術を同時にいくつも発動できないって誰が決めたの?世界の理は、誰かが作ったの?」
ベネットと出会って、アオイと出会って。トーマは今まで積み重ねた魔術の知識を、底からひっくり返されている。自分の知らない魔術陣、起動方法。自分に扱えない、魔術。認めたくないのに、現実は自分の考えていた不可能を簡単に壊してしまった。
「いい?不可能なんてない、どこかに糸口があるんだ。理だって、決まったまま変えられないわけじゃない」
サイロンの言葉と、あの日の自分たちを思い出す。
誰かが犠牲にならないと成り立たない世界の理、それを覆せるのはベネットだと信じていた。アオイの言う理とはもっと別のものかもしれない。けれど、認めたくは無かった。
自分たちがベネットを助けることで変えることができるかもしれないと驕っていたのだ。しかし、本当に変える術を持っているのは自分たちではなく、この男なのだと。
「本当は、小さな小さなものが、世界の理なんだよ。それを歴史が上から雁字搦めにしてるだけなんだ。理は、壊すものじゃない。やさしくほどいていくんだ。そしたら、本当のものがきっと見えてくるよ」
子供に語るような、やさしいやさしい言葉なのに。その声があまりに無機質すぎて。
同じ言葉をベネットが言えば、感動して拍手でもするのだろうがこの演説はあの男のものだ。自分たちの心が、こんなにも動かない、響かない。
「お前は、本当のものを知っているとでも……」
「人は、見たいものを見るものなんだ。君には、何が見えてる?」
サイロンは答えなかった。目をつむるしかないと言った彼には、何も言えなかったのだ。
「……私、は」
「ベネット……?」
俯いたベネットがどんな顔をしているのか、誰にも見えていない。でも、きっと泣いている。震える華奢な肩をすぐにでも抱きしめたかった。大丈夫と慰めたかった。それなのに、体がこんなにも重い。アオイの言葉がずっと脳内に留まっているのだ。認めたくなくとも、信じられなくとも、彼が不可能を覆したのは事実。
どうやってこの場所に辿り着いたのかは分からないが、それでも……新たな可能性を持っているベネットの元に辿り着き、可能性に現実味を持たせたのはアオイなのだ。
だから、涙の伝う頬を撫でる手を、自分たちは止められない。
「あの日、助けられなかったヒトたちがいることを、後悔しています。でも、こんな何もできない土地じゃ、たくさん連れてきたって飢え死にさせてしまうだけです!」
知らなかったのだ。ベネットが何に悩み、何に独りで傷ついていたのかも。
自分たちが手に掛けた存在への罪悪感は身勝手極まりない、ただの自己満足だ。だがベネットは違う。助ける理由も義務もないのに、見捨ててしまったという罪悪感を抱いて後悔している。
時折見せる、表情の陰りの理由がようやく分かった。一日一日を、自分たちが生きることに必死だと言い訳しながら、問題を後回しにして考えないようにしていたことがあまりに恥ずかしい。
「……私っ、こっそり街の様子を見てました。あと少ししたら助けにいこう、明日になったら、明後日になったらって……そう、迷っているうちに……あの子たちは、死んじゃったんです……ずっと、ずっと……そんなことを、繰り返してました。ただ、理由を無理やりつけて……勇気が、ないだけなのに……っ」
ボロボロと零れ落ちる涙はアオイの手の甲を滑り落ちていく。罪を贖うことで自分を少しでも救いたかった、救われたかった。ベネットはいくつもの命の終わりを見届けながら、自分たちに微笑んでいたのだ。悲しさも、苦しさも全部押し殺して。でも、堰を切ったように言葉と涙が止まらない。『ごめんなさい』と『助けたかった』を何度も繰り返しながら。
アオイは、ベネットと頭の高さを合わせるようにかがんだ。
「……これからたくさん泣いてしまう君が、少しでも泣かないように一緒にいるよ」
無機質で温度の無い声に、ぬくもりが混ざる。まるでヒトのように。
「叶えよう、君の……君たちのしたいことを。未来は、もしかしたら厳しいことをするかもしれない。だから俺はきたんだ、君の導き手になるために」
ベネットは瞳を大きく開いてアオイを見た。頭蓋骨の窪みは深くて暗くて、何も見えない。でも、言葉から表情が分かる。細く伸びた白い手は顔の半分をすっぽり覆ってしまう。やさしく、やさしく、頬を撫でながら、涙を拭いながら。その手が氷のように冷たかったことは、ベネットしか知らない。
「俺は君のために、ここへきたんだよ」
いつくしむような声に、ベネットはもう一度泣いた。
『はい』と『ありがとう』を交えながら。そして、また『ごめんなさい』とも。
「ジェイソン!ベネット様を!」
ベネットは始めから見ていた。ジェイソンが叫んだときも、サイロンが攻撃を仕掛けた瞬間も。肩も足も震わせたまま。
「当たりもかすりもしねぇぞ!どうなってやがる!?」
「魔術をずっと発動して躱し続けているんですよ!しかしっ……魔術とは同時に複数は発動できない……なぜ!」
前世で長く共に戦い、今でもなお狩りに出掛け、チームワークは取れていたはずだった。交互に攻撃を繰り返し、全員で同時に叩く。それすらも躱されているのだ。何度も、何度も。然しものサイロンも、疲弊の色が浮かび息が上がっている。トーマもドレアスも、苛立ちが勝り始め攻撃するタイミングのバランスが崩れていた。
「や、やめてください!!」
かすれて語尾がひっくり返るほどの叫びに、止まっていた息が吹き返される。サイロンは離脱状態にあり、二人も肩を大きく揺らしとめどない汗が顎から滴り落ちている。
「ベネット、だめ!」
「そ、その人は!私たちに危害を加えたわけでも……みなさんに攻撃したわけでもありません!もう、やめてください!!」
「っ……ですが!」
確かにその通りだ。その通り、だが。長く戦いに身を置いていた自分たちの本能が警鐘を鳴らしている、そう、今もずっと。
ジェイソンが止めようとする手を振り切ってベネットは走り寄る。
警鐘の根源は、動かないまま。
「そぉだよ、君たちはあんな可愛い子を泣かせたいの?」
全員が驚いて一点に視線が集中する。ベネットに至っては、もつれた脚に片足を引っ掛けて転びそうになっていた。
「喋った!?」
「喋るよぉ、手もあるし、足もある。ところで何で攻撃されたの?」
突如として語りだした彼……『彼』と全員が認識したのは、声色というただそれだけの特徴。手もある、と言った彼はマントから手だけを出してひらひらと振りだした。
「…………生き物の、気配ではなかったから」
そう告げたのはサイロンだった。体力が回復したらすぐにでも、もう一度斬りかかりたいと考えていることは、深く刻まれた眉間の皺を見れば分かった。剣の柄を握りしめる手は血管が浮かぶほどに。
「そっかぁ、なるほど~……安心してよ、って言っても……すぐは信じてもらえないかぁ。あの子以外は」
寝起きみたいな、伸びた特徴のある口調で語る姿は獣の頭蓋骨に全身黒マント。あまりの不一致さと、生き物ではないという気配がさらに不気味さを増す。
「怪我は……っ!ありませんか!?」
「大丈夫、ありがと」
彼の元へ辿り着いたベネットは、薄すぎる真っ白なその手を握った。その手を握り返す彼は、頭蓋骨をコテンと横に傾けて宥める。トーマたちが歯を食いしばるのは、羨望などではない。ベネットを攻撃される前に、走りだせるように。
「まず自己紹介するかな、俺はアオイ、旅する魔術師……うぅん、魔術の研究が主かな?それに旅は終わったから……」
「何を言って……」
その名はあまり耳に慣れない響きだった。自己紹介という割には急に悩み始めてぶつぶつひとりごちた。
「魔術に導く、うん、そう、魔導師がいいね。俺は魔導師だよ。ここはまっさらで、広くて、本がたくさんあっていいところ。気に入っちゃった」
「はァ!?」
勝手に解釈して、勝手に納得して、勝手に居座る気になっている。言葉を失いかけているトーマやサイロンの代わりと言わんばかりにドレアスは腹から出たような声量で怒りをあらわにした。
「お前は、何か目的があってここへ辿り着いたのかい?」
大剣を支えにサイロンは立ち上がる。
「うん、あるね。俺は世界を救う基盤を作るためにここへ来たんだ」
自身を魔導師だと称したアオイは声色も変えず当たり前にように告げた。
「……世界を、救う……」
「口で言うのは簡単です!それほどの魔術を扱えるならなぜここを選んだんですか!?」
ベネットは何かを抑え込むように胸の真ん中に拳を押し付ける。トーマたちのように、きっと言いたいことはあるはずなのに。
「トーマ……国に属したって、トーマみたいになっちゃうよ」
「……ッ」
「さっき言ったけどなぁ、ここがまっさらだから」
魔術とは教本が長年にわたり同じ形式で発行されるように、不変で様々な制約がある。不可能を、不可能だと言い切っている。だからこそ、魔術師の中で独自の術式を発案したり、誰よりも早く詠唱ができたり、多くの魔術陣を連続で展開できる人材を国は取り込もうとするのだ。無論、軍事利用のために。
「魔術を同時にいくつも発動できないって誰が決めたの?世界の理は、誰かが作ったの?」
ベネットと出会って、アオイと出会って。トーマは今まで積み重ねた魔術の知識を、底からひっくり返されている。自分の知らない魔術陣、起動方法。自分に扱えない、魔術。認めたくないのに、現実は自分の考えていた不可能を簡単に壊してしまった。
「いい?不可能なんてない、どこかに糸口があるんだ。理だって、決まったまま変えられないわけじゃない」
サイロンの言葉と、あの日の自分たちを思い出す。
誰かが犠牲にならないと成り立たない世界の理、それを覆せるのはベネットだと信じていた。アオイの言う理とはもっと別のものかもしれない。けれど、認めたくは無かった。
自分たちがベネットを助けることで変えることができるかもしれないと驕っていたのだ。しかし、本当に変える術を持っているのは自分たちではなく、この男なのだと。
「本当は、小さな小さなものが、世界の理なんだよ。それを歴史が上から雁字搦めにしてるだけなんだ。理は、壊すものじゃない。やさしくほどいていくんだ。そしたら、本当のものがきっと見えてくるよ」
子供に語るような、やさしいやさしい言葉なのに。その声があまりに無機質すぎて。
同じ言葉をベネットが言えば、感動して拍手でもするのだろうがこの演説はあの男のものだ。自分たちの心が、こんなにも動かない、響かない。
「お前は、本当のものを知っているとでも……」
「人は、見たいものを見るものなんだ。君には、何が見えてる?」
サイロンは答えなかった。目をつむるしかないと言った彼には、何も言えなかったのだ。
「……私、は」
「ベネット……?」
俯いたベネットがどんな顔をしているのか、誰にも見えていない。でも、きっと泣いている。震える華奢な肩をすぐにでも抱きしめたかった。大丈夫と慰めたかった。それなのに、体がこんなにも重い。アオイの言葉がずっと脳内に留まっているのだ。認めたくなくとも、信じられなくとも、彼が不可能を覆したのは事実。
どうやってこの場所に辿り着いたのかは分からないが、それでも……新たな可能性を持っているベネットの元に辿り着き、可能性に現実味を持たせたのはアオイなのだ。
だから、涙の伝う頬を撫でる手を、自分たちは止められない。
「あの日、助けられなかったヒトたちがいることを、後悔しています。でも、こんな何もできない土地じゃ、たくさん連れてきたって飢え死にさせてしまうだけです!」
知らなかったのだ。ベネットが何に悩み、何に独りで傷ついていたのかも。
自分たちが手に掛けた存在への罪悪感は身勝手極まりない、ただの自己満足だ。だがベネットは違う。助ける理由も義務もないのに、見捨ててしまったという罪悪感を抱いて後悔している。
時折見せる、表情の陰りの理由がようやく分かった。一日一日を、自分たちが生きることに必死だと言い訳しながら、問題を後回しにして考えないようにしていたことがあまりに恥ずかしい。
「……私っ、こっそり街の様子を見てました。あと少ししたら助けにいこう、明日になったら、明後日になったらって……そう、迷っているうちに……あの子たちは、死んじゃったんです……ずっと、ずっと……そんなことを、繰り返してました。ただ、理由を無理やりつけて……勇気が、ないだけなのに……っ」
ボロボロと零れ落ちる涙はアオイの手の甲を滑り落ちていく。罪を贖うことで自分を少しでも救いたかった、救われたかった。ベネットはいくつもの命の終わりを見届けながら、自分たちに微笑んでいたのだ。悲しさも、苦しさも全部押し殺して。でも、堰を切ったように言葉と涙が止まらない。『ごめんなさい』と『助けたかった』を何度も繰り返しながら。
アオイは、ベネットと頭の高さを合わせるようにかがんだ。
「……これからたくさん泣いてしまう君が、少しでも泣かないように一緒にいるよ」
無機質で温度の無い声に、ぬくもりが混ざる。まるでヒトのように。
「叶えよう、君の……君たちのしたいことを。未来は、もしかしたら厳しいことをするかもしれない。だから俺はきたんだ、君の導き手になるために」
ベネットは瞳を大きく開いてアオイを見た。頭蓋骨の窪みは深くて暗くて、何も見えない。でも、言葉から表情が分かる。細く伸びた白い手は顔の半分をすっぽり覆ってしまう。やさしく、やさしく、頬を撫でながら、涙を拭いながら。その手が氷のように冷たかったことは、ベネットしか知らない。
「俺は君のために、ここへきたんだよ」
いつくしむような声に、ベネットはもう一度泣いた。
『はい』と『ありがとう』を交えながら。そして、また『ごめんなさい』とも。
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